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今更悟る

 どこか報われないオチのぐだぐだした話の方がいちゃらぶを書くよりも楽しいっつーか楽だということに気付いてみましたダメ人間です(挨拶)
 いやかといっていちゃらぶをやりたくないわけでなく、ごあーちょっとこいつら幸せにしてやりてーいちゃこかせてー!となるとそれは結局のところえろに行き着くという何だその極端さ。何かが間違っているとおもいます。
 というわけで誰か中庸というものを私にご教授いただけまいか如何様にしたら健全のままでいちゃらぶがやらかせるんだ。

 つーかなんかよく考えたら私そんなカプばっかり書いてる気がしないでもない。オークリとか。
 いやあれは黒いのをクリ絡みの話題でいかにして叩きのめすかが醍醐味だと信じて病まないだけなんですけど。
 えっあれ間違ってないよな私?(もうその時点で終わってる)

 だから自分はいつまでたってもマイナーマイナーなんだとおもいました。おかしいな何でこんな偏ったところにしか萌えを感じ取れなくなってるんだ……(遠い目)
 とりあえずそろそろメロンを再開したいところですが誰か私に時間をぷりず(作れ)


 以下はとにかくひたすらどこまでも鬱でしかなさそうなルクティア(っぽいもの)。例によってED後。
 本気で鬱々しいのでおすすめしません。
 というかあまりにも鬱展開すぎて、とりあえずキリのいいとこまで打ってここに放置して寝ようと思ってたらなんかまた素敵な時間になってました。
 よって見直し抜きで放置という暴挙に出ます。いや最終的に痛いのは私なんですが。もがっ。


--------------



「ルーク?」

 伸ばしかけた手は途中で力なく丸まってそのままぱたんと膝に落ちた。
 視線を上げるのがつらい。というかきつい。とにかく視界に何かを入れたくない。見えたものすべてから否定されるような――いや違う、自分からすべてを否定して孤立するような。
 とにかくそんな、自分で自分を殺そうとするような、ひどく後ろ向きの思考。それに捕らわれて動けない。動こうとするといつの間にか首に巻き付いていた紐が絞まって死にそうに――死にたくなる。

 だから、すぐ目の前で心配そうにのぞき込んでくるティアを、正面から見つめ返すことができない。

 そっと伸びてきた手が頬に触れる。最初は指先だけで、ゆっくり手のひら全体でくるむように接着面を広げてきた。
 持ち上げられて合わさった視線はやっぱり苦しくて、ティアの手首を掴んで引きはがす。かくりと首を折り、何か言おうとして何を言えばいいのかわからなくてゆるく首を振った。
 ようやく出せた言葉はごめん、と一言だけ。
 彼女へ何度言ったかわからない、許しを請うための謝罪の言葉だけ。

「ごめんじゃわからないわ」

 折った首を戻すかのように、ティアの手が頭を押した。それは随分と軽い力で行われたから、一度視界が揺れただけで後は何の変化もなかった。
 ティアの手は頭の上にとどまっていて、やがて優しく、前後に動き始める。
 あまりの心地よさに目を閉じそうになった。でもできない。心地よくて目を閉じるのは、逃避だ。つらくて厳しい現実から――自分のしてきたことから、楽な方へと逃げるみたいだ。
 だから、できない。止めて欲しい。本当はずっとそうしていてもらいたいけれど、でもだからこそ、できない。

「ティア、いいから……さ。なんでもねーんだ」
「なんでもないわけないでしょう?」

 話して、とティアは続けた。話す。何を。この言いようのないぐずぐずした心地を?
 そんなのは駄目だ。自分が口にするのだって気持ち悪いのに、他人が聞いたらどんな気分になるだろう。
 また首を振ってみせた。
 こうして沈んでいるのは自分の勝手であって、なのに心配してくれるティアにそれを話して重さを分け与えて気を楽にしようだなんて、虫が良すぎる。
 これは自分一人で抱えなければならない重さなのだ。自分一人でなければ意味がない。
 そもそも誰かに手伝ってもらうにはあまりにも重すぎる。これ以上誰かに迷惑をかけてどうしようというのか。自ら重さを増やしているようなものだ。本当に馬鹿じゃないのか俺。

「ルーク」

 優しい声と優しい手のひら。
 包み込もうとしてくれるそれを、今の自分は振り解かねばならない。受け入れてはならない。何かを裏切っているような気がしてならない。
 ふわり、空気が動いたと思ったときには遅かった。沈んでいた頭を抱えられる形で、文字通りティアに包まれる。抗おうとするのに体に力が入らない。まるでその気力を吸い取られていくかのようだ。

(やめてくれ。俺はちゃんと、ちゃんと……)

 ちゃんと、自分のしたことが取り返しのつかない、最低のことだったってわかってるんだ。
 「自分が幸せにならないこと」は、「罪を償うこと」とイコールではない。繋がらないものなんだってわかってる。
 わかってるけれど、でも、自分で自分を赦せない。そんな風に考える自分を認められない。それでは償いにならないと何かに否定されるのが怖くて。

 出会った頃と同じくらいに伸びた髪を、ティアの手はずっとずっと撫でつけてくれた。
 何も言わずに、ただずっとそうしてくれていた。
 けれどどうしても、それに甘えることを善しと考えられなくて、泣きそうになった。
 泣けばすべてを認めるような気がして、必死で歯を食いしばった。
 なのにティアの温もりは、そうしてガチガチに固めている全身の筋肉をほぐすかのように――ただひたすら優しかった。

 そのひどい優しさは、やはり自分などが手にしてはいけないのではないかと、そう思ってしまうほどに。

(……だめ、だ)

 このままではいけない。本能と、経験則が警鐘を鳴らす。
 それでどうにか腕を動かして、優しさを感じ取れない距離を開けてから、口を開いた。

「も、いい。いいんだ。ほんとに、俺、ただ……その、なんでもねーことなんだ。明日になったら元に戻るからさ、悪いけど、……出てってくれねぇかな、ほんと……」
「いやよ」

 柔らかい声なのに、拒絶の一点張りな即答だった。
 今自分はものすごく情けない顔をしているんだろう。聞き入れてもらわないと困るのに、そんな優しくしてくれるならこれ以上自分を苦しめるような真似はしないだろうと、そう信じたかったのに。

「あなた自分のしたこと忘れたの? 私はしっかり覚えているわ。……忘れてしまったのなら、仕返しして、思い出させてあげる」
「……覚えてるよ。だからいい。それに、あんときのティアとはぜんぜんちげーし」
「違わないわ」
「ちげーって。……ほんとにさ、今だけなんだ、たぶん。ほっといてくれよ、マジで」
「放っておけるわけないわ」

 ぱちん。ティアの両手が頬を挟んだ。ぴりぴりして少し痛い。それを宥めるように温もりが染み込んでくる。

「あなた今、ひどい顔してる」
「……悪かったな。元々だよ」

 ごつん。今度は額だった。ほとんど痛みはないけれど、目を開けたすぐそこに、ティアの顔があった。
 それが泣きそうにも見えるのは影になっているせいだろうか。泣きたいのはこっちなのに。

「そんなにつらそうなあなたを、放っておけるわけないでしょう」

 やばい。たった一言なのに泣きそうになった。なんなんだ。ほんとうにやめてくれ。

(こんなことで泣いてどーすんだよ示しつかねーだろ申し訳なくて生きていけなくなるでも生きてるし俺、)

「つらいならつらいって言えばいいわ」
「……んなの」
「そんなことでいちいち責めたりしないわ、誰も」
「でもよ!」
「あなたは自分のしたことをわかっているから、償おうとするから、そんな風に思っている。そうでしょう?」
「わかってんじゃねーか、ならっ」
「あなたがつらそうにしているのに、私にできることはなにもないって言うの? ――ふざけないで」

 ティアの声が低く震えた。一度唇を――まるでなにかを耐えるように――噛んで、震える呼気を吐き出す。

「そんなのつらすぎるわ。……私が」
「……ティア」
「私だけじゃない、あなたがそんな風に一人で苦しんでいることに心を痛める人は、あなたが思っている以上に大勢いるのよ。そんなことも忘れたの?」
「忘れてなんか、ねーけどっ……!」
「だったら、――」

 触れてきた指は目元を撫でた。水温と指の温度と、どっちが温かくて、どっちが熱いのかがわからない。

「どうして泣くの」
「え、あっ……ち、違う」
「なにが違うの? 私はまだなにも言ってないわ。説明して」
「説明って、だからっ、違う、そんなんじゃねー……!」

 やわらかくてあたたかなそれを振り払おうと首を振る。
 さっきから体じゅうが硬直したようになっていて、動かすたびにがくんがくんと妙な衝撃が背骨に伝わった。
 痛い。どこだとは言えないぐらい、あちこちが鈍く痛い。全身と、心の中全部。

「今泣いているのは苦しいからでしょう?」
「ちがっ、ちげー……」
「強情も過ぎるとみっともないわ」

 相変わらずの冷血ぶりに、ぐっ、と喉の奥が詰まった。反論ができない。なにか口にしたらたぶん嗚咽になる。吐き出す息が熱い。視界が歪む。食いしばろうとした歯はかちかち鳴るばかりで力が入ってくれない。
 強引に顔を上げさせられる。
 優しさの欠片もない行為に瞬間的に怯え、同時に安堵して、――理解不能の感触を認識する。

「……ぇ、な」

 驚いている隙にもう一度、今度は頬ではなく目尻へ。
 触れてきた唇の弾力性とかやわらかさとかが、とにかく思考を混乱させる。繰り返されるうちに啄むような音まで耳に届いて、ようやく事態の異常さを実感した。
 顔を背け、手探りで掴んだ肩を押しやる。

「なに、……してんだよ、おまえ」
「いけなかった?」
「い、いいわけあるかよ、ばっかじゃねーのおまえ、なんで、そんな、……俺、ほっとけって、ゆったのに」
「放っておけないと私も言ったはずよ」

 断言したティアの近づく気配。思わず下がろうとしたら腕を取られた。肩が掴まれた。優しく落ちてくる影に、心底怯えながら目を瞑る。

「ほんと、……に、かんべんしてくれよ……」
「あなたこそ勘弁して頂戴。あなたが苦しんでいるのをわかっていて安眠できるほど、私も冷血ではないの」


 そうしてあまりにたくさん触れられて、気が触れてしまうかと思った。
 ――いや、触れてしまったんだろう。
 だからこうして、言わなくてもいいことを呟いている。


「俺、わかってるんだちゃんと、俺が幸せにならないこととか、そんなの全然違うって、わかってっけど、……っ」

 震える声を、震える呼気ごと飲み込む。

「でも、なんかそれで足りるのかって、それでいいのかって、もっとやれるんじゃないかって、もっと、ちゃんと、俺がしたこと、償わない、とっ……」

 手を強く強く握る。それでも震えは止まらなくて、助けを求めるように――けれど求めたらいけない気がしてならないんだ怖いんだ――力なく上へと伸ばす。

「わかっているわ」

 それはティアの手に包まれて、ゆっくりと下に降ろされる。震え続けるがちがちのそれを、ティアの指は懸命に解いて、やがて手のひら同士を重ね合わせてしまった。

「あなたが、償おうとしている気持ちは本当だって、私はちゃんと知っているし、わかっているわ」

 でも、と続けようとしたはずが、詰まった喉のおかげで声にならない。
 その間に、これまで必死に抑えてきたものを、ティアにあっさりひっくり返された。


「だから、つらいならそう言えばいいの。そんなことであなたの信用が落ちるわけはないし、……さっきも言ったように、私はちゃんと知っているんだから」


 ――だから、平気よ。


 まだ硬直の解けきらない腕で、必死に彼女をたぐり寄せた。
 自分から手にした温かさに、ごめんと言いそうになるのを堪えて、ようやく通るようになった喉から、言葉を絞り出す。


「……らい、けど俺、忘れてなんか、……ない……、んだ」
「ええ」


 知っているわ。

 たったそれだけの、そんな一言に、自身がすべて解けていくような錯覚を受ける。
 それが錯覚だと知れたのは、しがみついた体がどこまでもあたかかったせいだった。

 これを手放したら、自分は本当に生きていけなくなるんじゃないのか。
 飛躍した考えから新たな怯えを生み出しながら、生きたい、とだけ願った。できることなら、このひとと一緒に、と。



--------------

 ……えーと。あれ? なんでこんなにも鬱々しい話になってるんだしかも尻切れ。
 う、おかしいな確か最初はこう、なんでもないことで鬱っぽくなったるくたんがどーしてもティアに触れられなくなったので、ティアからなでなでしたり触れるだけちゅーとかをしてみればいいよなとかそんな結構明るくいちゃらぶを目指す風な話だったはずなんですけど何をどうしてこんなぐったり(どころじゃねえ)した感じに。


 とりあえず帰ってきたるくたんはちゃんと前向きに何か役に立つことをしようと頑張って生きていくと思うのですが、でも時々こう急にがくんと落ち込んでしまうときもあったりするんじゃないかとか思ってみただけの話でした。
 あると思いますゆってくれたひと本当にありがとう。
 でもそれで出来上がったのがこれって本当どうなんだろうな……(笑)(笑い事じゃあ)

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