現在はゲストモードです

USER ID:
PASSWORD:

TOP BACK NEXT LAST 

何となく

 アビスサントラが未だに届かないダメ人間ですしょんぼり(挨拶)
 いや明日届くらしいんですけど! いやなんか破壊力ゴイスーらしいですね!(今時ゴイスーて) 怖ッ! 今更だけど誰か骨は拾ってくれ!

 どうでもいいですが日常雑記を別口に移しましたよ。
 身内でここしか見てないひとはそっち見て生存確認してくださいー。


 以下はえーと、結構前にここに放置しておいたるくたんのヤキモチねたの続き。ちなみにまだ終わってません。
 一応テスト的に↑の雑記にもアップしてみたので、ここの表示重すぎてマジやってらんねー!って方はそちらへどうぞ。


-------


「まあルーク! それはやきもちですわ!」
 きらきらと過剰なまでに瞳を輝かせたナタリアは、ぱちんと打ち鳴らした手をそのまま胸の前で組むと、ずずいとルークに詰め寄った。
 グランコクマで開催された評議会にナタリアとアニスが参加すると聞いて、顔を合わせる機会がほとんどなかった仲間たちに会うべく、ルークは単身水の都へとやってきていた。
 本当はティアも一緒に来る予定だったのだが、外せない任務が入りここにはいない。ルークは笑顔で彼女を送り出しつつも、内心かなりがっくりしながらの一人旅だった。
 評議会終了後、各々が時間を工面しジェイドの執務室に集合した。アニスは急ぎで提出する報告書ができたとかでまだ姿を見せてはいないが、ガイが淹れた紅茶を片手に最近はこんなことがあった、と他愛のない雑談に花が咲き出した。
 ルークへ報告をする順番が回り、ティアの仕事を手伝っていることや、最近勉強したことを思い出した順に語っていった。その中で、先日やらかした失態のことを、自戒をこめて離したのだ。また一つ約束が増えたことだし、もっと頑張ろうと思う――などと、そんな非常に前向きな締めで語り終えたはずだった。
 それがなにゆえ、こんな俗っぽい指摘を受ける羽目になっているのだろう。
「やきもちって」
 恋愛感情のうちの一つであり、半人前の自覚ある己には全く無関係な高次的感覚。
 ルークの「やきもち」の解釈はそんなところだった。
「ばっ、そ、そんなんじゃねーっつの!」
 当然否定もする。なまじ単語的な意味は理解しているだけに。
「まあ、ではいったいなんだとおっしゃいますの? ティアに言い寄る不逞の輩、その瞳に映るのは自分だけでいい――ほらそれこそが嫉妬、独占欲というものですわ!」
 及び腰のルークに、いい説教相手を見つけたとばかりテンションを高めていくナタリア。
 その後方で、優雅な仕草で紅茶を飲む軍人が眼鏡の奥に愉快げな笑みを浮かべている。
 また、給仕役を申し出た男は今の自分にできることはないなと、とりあえず静観モードで待機した。
「っな、な何馬鹿なこと言ってんだよっ、じ……自分だけでいいとか、んなこと」
「違いますの?」
「違うのですか?」
 絶妙のタイミングでジェイドが口を挟んだ。綺麗に輪唱されたその問い――というかツッコミ――に、ルークはうっと言葉を詰まらせる。
 今やきらきら光っているのはナタリアの瞳ばかりでなく、ジェイドの眼鏡にまで伝播している。(ただし、軍人の眼鏡はその二つ名を体現するかの如くひどく怪しげな光であったが)
 それら計三つのきらめきはじわじわと光量を増してルークににじり寄る。ルークが座る椅子の背もたれが体重をかけられきし、と小さな音を立てた。
(そ……、そりゃ思わねーでもねーけどでもんなの無理だろ普通に!)
 その実、心中でしっかり自覚しまくっているルークはあっという間に追い詰められた末、開き直ることにする。
 何故なら100%逃げられないからである。この世には絶対もあるんだぜアッシュ、錯乱しかけた心が意味不明のことを呟く。
「ど、独占欲ってティアは別にモノとかじゃねーんだしよ、だいたい俺が一人でどうこうとか、あ、……ありえねーだろ、普通は!」
 ルークは「独占」という言葉に対し、あまりいいイメージを持っていない。
 彼のおぼろげな感覚を表現するならば、独りで閉じ込められるような――そんな閉塞的な印象があるためだ。
 また、いとも容易く、彼にとってあまり面白くない記憶を呼び起こすこともあって、己が感情と認めるのはどうにも躊躇してしまう。
 何より、「ティアに独占欲を抱く」ということが、あのどうしようもない感覚をティアへと与えるような気がしたのだ。それだけは許されることではない――彼女からも、自分としても――そう思う。
 とはいえ、結局は思うだけであり、
「ルーク、恋とはそういうものですのよ! 相手を乞い、その想いを自分の元に引き留めたい、願わくば想いを交わしたいとするものなのです! ですから何もおかしくも恥じることもありませんのよ!」
 自信満々に語り上げるロマンチスト王女に、
「物事には限度がありますし、ティアが束縛されて喜ぶタイプには思えませんからまあほどほどがいいとは思いますがね」
 一応フォローを入れているらしいリアリスト眼鏡、
「わけわかんねー!」
 一人大混乱の十歳児。当然の結果である。
 ただ、そんな可哀想な彼にもかろうじて仲間は残っている。
 女性恐怖症の完全克服には未だ程遠い、しかしその性根はスケベ大魔王という、どうにも矛盾気味な、話題的には少々頼りない存在ではあったが。
「ルーク、少し落ち着けって。……二人とも、あまり好き勝手なこと言ってやらないでくれ」
「あら、私はルークが迷っていたようですから、救いの手をさしのべたまでですのよ」
「僭越ながら、私も同意見です。感謝されこそすれ注意を受けるいわれはありませんねぇ」
「……いや、その笑顔で言われてもな」
「ま、何にしても今更だよねー。そこがルークらしいって言えばルークらしいけど」
「おわっ、アニス、いつの間に?!」
「さっきから居たのにだーれも気付いてくれないんだもん。まあ面白かったからいーけど。あ、ガイ私にもお茶欲しいなー」
「ああもううるせーおまえらにうっかり話した俺が馬鹿だったー!」
 がー、と耐え切れなくなったルークが吼える。
「まあそれはその通りですね」
「そこは否定してやれ」
 さらりと頷く眼鏡を、無意味だと知りながら一応ツッコんでおくガイ。もちろん聞き流した眼鏡は私にもおかわりをいただけますかと優雅にカップを差し出した。従者精神が身についてしまっているガイは反射的にそれを受け取ってしまい、やれやれと肩を落とす。
 そうして淹れたての紅茶をアニスとジェイドの両名に渡してから、苦笑まじりにルークの肩を叩いた。
「まあ誰かを思うっていうのはそういう醜い面もあるってことだよ」
 ルークはきょとんと親友の顔を見上げると、考え込むように難しい顔で下を向いた。
 彼にしてみればさらに難解なことを言われたのだが、それでも他の面々の言葉よりは自分を慮った何かを感じ取っていた。うーん、と肯定なのか悩んでいるのか判り辛い唸りをあげている。
「それでそれで? 相手はどんな奴だったの?」
 喉が渇いていたのか紅茶を飲み干したアニスが、熱っぽく両手を握り締め、鼻息荒くルークの真横を陣取った。さり気なく半歩ほど体を引かせて、ガイが情けない声で告げる。
「アニス。さらに話をややこしくしないでくれ」
「えー、全然ややこしくなんかしてないじゃん。傾向と対策を練ろうとしてるだけだよ?」
「いやだからそれがややこしいと」
「そうですわねアニス、何事も基礎から固めていかねばなりませんわ」
「だよねだよねー?」
「ナタリアまで」
「さ、ガイそこをおどきなさい」
「どかないなら私が抱きついとこうかなーっと」
「ひ!」
「……」
 ずざざと目にもとまらぬスピードで壁際に張り付いた給仕と、光る眼鏡さえなければどこまでも穏やかそうに見える笑みで事態を眺める男。
 姦しい女性二人に詰め寄られた十歳児を助ける者は、もはやこの世界のどこにも存在しなかった。
「さあルーク。ちょーっとムカつくかもしんないけど、そんときのこと詳しく思い出してみてくんないかなー」
「ルーク、ティアのために言うのです! 男なら胸を張って大きく構えてみなさい!」


 言われるがまま思い出して心をざわつかせ、ルークは脳裏に焼きついた光景を感情的に説明した。
 それに呼応する――というか比例するように、大いに盛り上がってはあれこれと意見を述べまくる、ルークより精神年齢は上であろう二人の女性。
 男らしくとか甲斐性を見せてみろとか時には強引さも必要だとか――ルークがその気になるのに、さほど時間はかからなかった。


-------


 Mさん(仮名)とのリレーねた文章起こしその2でした。次で完結。頑張るぞ。
 ちなみにノリノリな皆のセリフの大半はMさん(仮名)発です。各人の言い回しを考えなくてとても楽だったありがとうありがとう。
 完結編ができたらまとめて更新に使おうと思ってますがいつになるやら……。頑張ろういや本当に。

| 雑記::ネタ文放置 | comments (x) | trackback (x) |

go to top

TOP BACK NEXT LAST 

SEARCH

CATEGORIES▼

ARCHIVES▼

<<  2024年04月  >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     

LINK▼

OTHER▼