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日々是ダメ人間/雑記

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2016-08-07 というわけでまだまだ湖沼の底にいます

_ [雑記] 黒蝶のサイケデリカ THE STAGE

観てきました。一晩おいても興奮冷めやらぬままに今こうしてキーを叩いてるんですが、一言で言うならすごかった。作品のイベントで中の人が朗読劇をするのは何度か見たけど、目の前で役者さんが全身全霊で役を演じきる様を観るのはほぼ初めてだったと思います。それもあってめっちゃ圧倒されたのもあったし、何故か運良く最前列席だったのでさらに倍、って状態だったのもあったけど本当にすごかった。見終わった後の会話もずっとすごかったすごかったしか言ってなかったし今もすごかったしか言えない気がする。という感想を書きます。以下は全力でネタバレだよ。

まあまずその何だ、多分私があの舞台で一番ずっとしこたま凝視してたのは紅百合さんの絶対領域だったんですけど、いやあのね、最前列席からだとそこそこ舞台を見上げる位置で役者さんとの距離もほんと近くてまあ要するに紅百合さんが背中を見せようものならほっそい御御足の太ももの裏側をローアングルで舐めるように見つめることが可能(それも合法的に)っていう足フェチにはたまらん状況下でありましてなんかもうあの本当ずっと見てた。舞台上で演者さんが動いているのを見るというか絶対領域をずっと目で追っていた感すらあってなんか本当すみません。最高でしたありがとうございます。

真面目な感想かと思った? 残念あたいの感想なんて基本この路線だよ!!!(全方位土下座)

公演が始まる前に近くの席の方(何度も観に来ていた模様)が山都役の方を絶賛してらしたのでへーそうなんだどんなんだろって思ってたらこれがまー本当に絶賛するしかない山都だった。立ち振る舞いがすごくキャラクターだっていうのはどの演者さんもそうなんだけど、山ちゃん役の人は誰よりもその声がほそやんすぎて耳を疑うレベル。平時の穏やかな調子で話す時はそうでもないんだけど、声を荒げ始めた途端に一気にほそやんになる。声のしゃがれ感とか抑揚とかほそやんが裏で叫んでんじゃないのかってぐらいにほそやん。んで山ちゃんは大半が声を荒げてるので終始ほぼほそやん声で、演者さん当人もしっかり筋肉ついてて大きいアクションもキメるというほぼガチのリアル山ちゃんがそこにいました。私はいわゆる声ヲタに属する人間だと思うので声だけでもうえええなにこれしゅごいいいいって状態だったのに立ち振る舞いからアクションまでキメられるともうお手上げすぎた。本当に山ちゃんだった。ていうか身内の間だけでしか呼ばれてないであろう呼び方してて申し訳ない。あと声を荒げるとほそやん声と書いたけど、後半で紋白さんと会話してる時の男泣き気味の声も普通にほそやんすぎて(私が)倒れそうだったことは全力でお伝えしておきたい。

ウサギちゃんや紋白さんといったゲームでは声を張らずに喋る役の方は、登場時からわりとハキハキと喋っていてまあ舞台でぼそぼそ喋るわけにもいかんよな、と思いつつ見ていたんですが後半で感情が剥き出しになってきた途端急に声色がゲームの中の人に寄る現象が起きててこれも耳を疑った。いやこれは本当にびびった。特に紋白さんはだいぶ元気なキャラクターになったなーって思ってただけに、鉤翅さんに銃口向けながら花道から出て来た紋白さんはめっちゃ松岡くんだった。この間原稿してた関係でさらっとゲームをやり直してたこともあって若干混乱したぐらいに松岡くんだった。その後の山ちゃんとの会話シーンもそれは同様で、兄弟揃って中の人声で喋る感動のシーンが三次元で繰り広げられるという超時空が広がっていて本当にどうしようかと思った。あっあとあの紋白さんといえば、オープニングで各キャラが紅百合さんをそれぞれ守る体のアクションをする場面において、マントばっっさあする紋白さんが死ぬほどかっこよかった。あっれは本当マジかっこよくて痺れた。円盤で何度も見返したいシーンNo.1すぎる。

ウサギちゃんについては物語が共通ルートを辿っていってるので終盤は出番なしかなと思ってたらまさかの展開を見せたのでお、おおうそう来るー!?ってやや動揺しながら見てたんですけど、あのクライマックスの叫びもやっぱりウサギちゃんの中の人に寄っててふえええええってなった。それとオープニングの蝶を追いかけて舞台上をぴょこぴょこ動くのめっちゃ可愛かった……倒れた燭台をまたいでいったりしゃがんで蝶を見上げてたりぐああああかわいい!!! いちいち仕草がぎゃわいい!!!!! そして演者さんが18歳だと知ってもんどり打つ。18の若さであの血を吐くような叫びをなさるのですか……しゅごい……役者ってしゅごい……。

さていいから小説版を読んでくれミリキ10割増しで惚れ直すからでお馴染みのアキちゃんですが、原作からして狂言回し的なポジも担ってることもあるアキちゃんがですね、わーって勢いで押し切るように喋り倒すとこもすごく良かったんですけど何より台詞がない場面での演技がしこたまよろしくてですね! 特に緋影っちさんが紋白さんを問い詰めてるシーンで椅子に寄りかかりながらずーっと緋影っちさんを睨んでいたりとか、あああそうだよねええええええっていうゲームやった人間ならではのわかりみに舌を巻いたというか、そういう(当然ながらゲームでは明確な描写がなかった)細かい所まで再現してくれるんだってあたりに涙出そうだった……アキちゃんかっこいいよアキちゃん。小説に続き舞台でも惚れ直したよアキちゃん。

さあぼくらの涙腺をしこたま完膚無きまでに破壊してくれる鉤翅さんですがほんとね! もうね!! ずっこい!!!!! 彼もほんとあの原作の時点でずっこいですけどリアルに動いたらますますずっこくてほんとあの、あのつらい……彼の設定のこっぴどさに改めて頭を抱える羽目になるとは思わなんだ。舞台ではアキちゃんに突き飛ばされるわ紋白さんに当り屋されるわ緋影っちさんに何度もスッ転ばされるわとひたすら倒れて倒れて倒れまくってた印象なんですけど、特に紅百合さんを銃弾から庇って倒れたときにほんとあの身体が細くて(もちろん頼りないとかいう意味ではなく物理的に鍛えられた身体が細いんですけど)ぐわああああってなったほんとあのなんだ……妙なところでリアルさを感じてしまって若干動揺した。あと山ちゃんとアキちゃんの喧嘩を止めるために椅子を飛び越えて間に割り入るところは何度見てもおおうってなった(笑) あとなー鉤翅さんといえば「忘れきれなかった」の台詞がちゃんと入っててうぐぐってなったな……ゲームやってた時も最初に引っかかったところで真相知ったときにぎええええってなったのでうんはい……こういう肝要な台詞を漏らさず脚本に起こしてあるの本当丁寧な仕事してもらってるなってしみじみ。

緋影っちさんは思ってた以上にこれ大変すぎる役やでって印象でですね……序盤からずっと苛立ち交じりに喋ってて中盤からはだいたい激高してて後半はもうアレじゃないですか。めちゃんこ台詞の量も多いしそりゃ噛むよねっていう。というか二時間という限られた尺の中に本編の大筋をきっちり詰め込んであるもんだからそりゃあ皆早口で被せ気味にやり取りしていかないと収まりきらないよねっていう……1回目を観た時はただただ圧倒されてたけど、2回目を観たときにはもう早口で長台詞を回してて言葉が今にも滑りそうな勢いでそういう意味でもやたら緊張感の溢れる舞台だったなと。覚醒緋影っちさんも本当えがった……紅百合さんをしこたま追い詰めてくあの狂気の様えがったで……原作通りにめちゃめちゃボルテージ上げて責め立てた後に溜めてからのいなくなった方がいい、の落としも花丸だった。あとショートストーリーのエピソードからそれチョイスすんの!?って驚いたけど、コミカル感もちゃんと出てて2828した。それと立ち振る舞ってるときのポーズ(特に足)とかめっちゃ緋影っちさんぽくて目にする度ぶええええってなってた。緋影っちさんや……緋影っちさんあそこにいたで……。でもって最後の場面転換のところで照明がふっと落とされた中を小走りでやってきては素早く椅子に足組んでふんぞり返る主様はごめん何度観ても吹いてしまった(心の中で)

そしてヒロイン紅百合さんはのっけから絶対領域ゆうててなんか申し訳なかったですがあのほんと紅百合さんが可愛らしくてですね! 原作のあのオタサーの姫感とかナチュラルな正義感の強さから擁護出来ないレベルのウザさが滲むあたりも忠実に再現されてて本当感動した。場面が進めば進むほど印象がゲームの紅百合さんに寄ってって心底すごいと思った。何よりゲームの紅百合さんて、ラノベ主人公によくある「えっ?(何だって聞こえなかった)」のいわゆる難聴台詞スキルの持ち主なんですけど、それをあの声を張らなきゃいけない舞台上でめちゃんこナチュラルに「えっ?」って発声されてるのが最強だとおもいました。あれしゅごい……「えっ?」って台詞何度もあるんだけど全部さらっと本当に聞こえなかったんだけど何?感そのままに演じられててとりあえず平伏したい感あった。それと後半でどんどん追い詰められていった紅百合さんの「そんなのひどいよ!!」って絶叫が聞けて死ぬほど満足した。そう、紅百合さんも後半の叫びとかすごくまいまいに寄ってきてたなあ。それと繰り返すようですが絶対領域が本当に最高でしてね、客席に背中を見せてる時の太ももの裏側については先述した通りなんですけど、あと椅子に座った時、特に浅く座ったときのこう太ももの半分くらいが椅子の座面に押し潰されてむちっとなってるあたりとか何ですかこのご褒美ありがとうございますうううううううって脳内お祭り騒ぎだったことをここに白状します。

旅人さんは黒デリカ的にはイレギュラーキャラなわけでなるほどそういう役回り。灰デリカさんでもそういうポジなのかなーと思いつつ、彼だけは物語の埒外に居るせいか、他キャストがめっちゃ早回しで会話を進めていく中一人ですごくゆったりとした喋りと所作を貫いてて、何よりそもそもの立ち振る舞いがすごく優雅で軽い殺陣シーンもいちいちキマっててずるかっこいい。というかウサギちゃんと会話しちゃうんだ!?ってあたりでだいぶ驚いてた。灰デリカの伏線だったりするのかなそれとも遊び心かなとかもぐもぐしつつ。

はぁとりあえず一気に書いたけど多分まだ色々忘れてるとこあるんだけどとにかく総じてすごかったと。二時間という短い尺の中にゲームの本筋をまるっとぶち込んであって、本当肝要な部分を漏らすことなく、というかむしろ全部そのまま詰め込んであるのは恐れ入った。ほぼほぼゲームの追体験が出来る構成が来るとは本当に予想してなかったよ……。ただ、だからこそ、クライマックスの突然の絶望兄妹劇場はポカーンとしてしまったなと。あそこに至るまで誰一人としてウサギちゃんに肩入れする余地がなかったのに唐突におっ始められたのは普通に置いてけぼりというか。ゲームでは緋影っちさんが苦悩と狂気の狭間で発砲したところを舞台上ではほぼほぼ衝動的にバーンしてしまって僕はー!って頭を抱えられても若干どうしようもなかったというか。そりゃあいかに紅百合さんがヒロインであろうとも全く事情を知らされてなきゃ寄り添えないわなと。結果としてラストシーンの兄妹の図も微妙に白けて眺めてしまったなあという印象ではあります。とはいえ初見はあのシーンで普通に泣きましたけどね! あすこの兄妹が幸せそうにしてるだけで泣けますんで未だに!! 雑誌で初出しされた灰デリカのエルリックの立ち絵だけでしばらく泣き続けてましたしね!!! って話が逸れましたが、ぽかーんというかそこで我に返らされた感はありはしたものの、演者さんの演技はこの上なく素晴らしくてそこはめちゃんこ魅入られたなあと。ほんと良かったなあ。そうだ言い忘れてた、黒子が裏方としての役を担うと同時に黒蝶そのものを表現する手法は目から鱗だった。最初は棒に付けた白い蝶をひらひら動かしながら舞台を跳ね回るっていうまあそういう表現になるよねえ、って思わせておいてからの躍動感溢れる黒蝶の群れという、驚きからのすとんと腑に落ちる納得感は素晴らしい。舞台を切り替えながらもひらひらと舞い続ける黒蝶は観ていて飽きなかったしすごく綺麗だった。でもってラストの現世へ戻っていくところ、黒子ならぬ白子となった白い蝶に導かれた山ちゃんが見えない手に引っ張られていくような動きをしててたのはほんと目を見張りました。

はぁ……実にいい舞台だったなあ。何より舞台を観た結果原作の良さをこれでもかと再認できたっていうのは本当に有難いことだなと。本当に丁寧に作り込んでもらった舞台だったなあと心底思いました。演者さんと舞台スタッフの方々ありがとう本当にありがとうございました11月の円盤発売めちゃんこ待ってます。


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