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日々是ダメ人間/雑記

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2008-03-01 ソーマブリンガープレイ中 この日を編集

_ [アルトネリコ] ルカたんドラマCD

聞きました。以下はネタバレらしいものはあまり言ってない気がするけどわりと素直に叫んでみたので隠します。

なんというブロックワード。<「レイカ」

話は、まず「やりたいこと」が先にいくつかあって、それらを繋いで肉付けして一本の話にしましたという印象。だがその繋ぎと肉付けがあまりにも大雑把で突貫工事的すぎじゃないのかなあ。もうちょっと練って、本編でちょろっとルカたんから語られた過去エピソードなり設定なりを描写しつつ、違和感ない展開で固めて欲しかった、というのはワガママなんだろうか。ダイバーズセラピやCSの設定については、土屋Dが監修についてるんだから間違いはないんだろうけど、でもゲーム本編をやった人間からすると「あれそれって可能なの?」「それってありえるの?」とかいう流れが散見されて聞いてて終始落ち着かなかったぜ(ツッコミたくてならんかった的な意味で) うんだから早く設定資料集を出せとあれほど(以下略)

ゲームをクリア済みの人間からすると、ドラマCDイコールクリア後のお楽しみ的なアフターファンディスクをついつい望んでしまうところですが、今回のドラマCDは箸にも棒にもかからない当たり障りのない(本編ネタバレ的な意味で)内容だったのはまあうん、しょんぼりなんてしてない、してないんだからねっ!(やかましい) 公式のキャラ紹介の横っちょにミニドラマが聞けます、って視聴ボタンがあってそれで聞けたとしても差し障りがなさそうだよね(もちろん全編通すと長すぎるけど) AT2本編を知らなくても、前作プレイ済みの(AT世界設定を既知な)人なら理解はできそうだし。よって、前作はやったけど今作は……って迷ってる人にヒロインの一人ってこんな娘ですよーって紹介するのには使えそうな予感。まあ本編でのアレとかソレっぷりはほんの僅かしか描写されてないけどな!(笑)

ぶっちゃけここで「遊佐クロアがいてくれたら良かったのに!」と叫ぶつもり満々でドラマCDを聞き始めたんですが、いっそ不在で正解だったかもしれないと思ったのは俺だけでいい。いやうん、ルカたんの過去語り形式で1トラックと最終トラックにだけ、口を開けばまず「ルカ」から始まる相槌を適度に打つだけの空気主人公が居たり、過去語り編が終わったらボーナストラック的にルカルートその後の聞いてるだけで無駄に恥ずかしい(主にムッツリ分が)ロアルカ対話が入ってたりしたら良かったのにー!! とか叫びたかった……な……。

_ [アニメ] 今週の00(#21)

  • せっちゃんの すごい わかりやすい夢
  • ここに来て三木眞メガネフラグとか予想外
  • コーラサワーのあまりの勝ち組っぷりに嫉妬

総評:いつぞやの当然のような夜這いも頷けてしまう不思議(せっちゃんマリナスキーすぎ的な意味で)

ちょっ、あーた何約束してんですか大佐ー!(笑) いつだってKYだがそれがいい、そんなコーラサワーを矯正し調教育成してていくことに胸をときめかせている大佐が見えた。で、そうがっつくなとか鼻息荒いコーラサワーを窘めちゃったりしつつ以下略な大佐コラサワ本まだー?

しかしせっちゃんの中でマリナ様があまりにも神格化しててビビった。あの夢見といい幻視といい、恋愛感情そのものではないんだろうけども、今後マリナ様に何かあったらせっちゃんわりと崩壊フラグじゃね? とか思ったのは私だけでいい。

_ [アルトネリコ] 今月のBLADE(のAT2漫画)

AT2からカオスを抜くとこんなにも王道まっしぐらになるのかとビビりました。もうね、次に出すAT2関連商品はこれだと確信した。

「コミックブレイドドラマCDシリーズ Ar tonelico2」

マッグガーデンさん、おねがいっ☆

あ、ライターはガストの中の人とは変えてもらわないと意味がないとおもいます(真顔)


2008-03-02 漫画版でカオスの功罪を、ドラマCDでサンホラの偉大さを知る この日を編集

_ [ネタ文] unconscious attack(ロアルカ)

ED後ロアルカ。内容はありません。以上。


(……えー、と)  状況がまるで掴めなくて、数秒ほど思考が停止した。いやその逆で、思考が停止していたから状況が掴めていないのか。  ――ううん、そんなのはどっちだっていい。  頭の回転の鈍さを叱咤しつつ、まず記憶を遡る。何故こんな状況になっているのかを探るために。

「……たらね、ちょっとはにかむ感じの笑顔でね、ありがとう、ってー!!」 「ほんとに?!」 「うわー、いいなー!」 「でしょー。前はクールビューティーで通ってたクロアさんが、ありがとうって穏やかに言ってくれるだけでも凄いことなのに、そこにあの笑顔なんだもん。あれでときめかない女の子はいないよー」 「羨ましいー……私もそんな風に言われてみたーい」 「今や御子室付きの護衛だもん、私達と通常任務とかありえないし。ほんといいなー!」
 クローシェ様が部屋に置き忘れた資料を取りに行って、急いで廊下を走っていたとき。  騎士隊付きのレーヴァテイルたちの雑談が偶々耳に入ってきて。  いつもなら聞き流すところだけど、聞き捨てならない単語が混ざっていたせいで、思わず足を止めて柱の影に隠れたりして聞き耳を立てて。  ここのところ忙しくてクロアとろくに話もできてない私に対するあてつけかー! って手の中の書類を握りつぶしそうになったりして。  今や隊内だけでなく、あちこちのレーヴァテイルの間で、クロアが密かな人気を博しているって噂は本当だったんだって思ったりして。  そういえばI.P.D.の子たちの中に、クロアが来るとちょっと頬を染めたりぽーっとしたりしてる子がいたっけ、とか脳内メモにチェックを入れたりして。
 確か、夕方ぐらいには決めてた気がする。  疲れてるクロアの睡眠を邪魔してでも、クロアに会うって。  別に、モテモテなことを問い詰めようとかそんなつもりはなくって。  ただ……ただそう、クロアの恋人は私で、クロアは私に好きって言ってくれて、クロアの笑顔なんかその気になればいつだって見られるんだから私は! っていう主張と、それなのにもう一週間近くその笑顔すらまともに拝めてないのってどうなのよー! っていう不満。というか、不安。  その不安はあっという間に私の心を占拠した。明日の会議の資料を何度読み返してもうまく頭に入ってくれないくらいに。  このままじゃダメだって思った。  だって公務に差し支える。みんなに迷惑をかけてしまう。最近ようやく、会議の席でも自分だけ浮いてるって感じなくなってきたのに――最初の頃と比べれば、だけど。  だから、この不調の原因を早急に、何としてでも取り除かないといけない。  うん、だから――このままじゃクローシェ様にだって迷惑がかかっちゃうんだもん、貴重な睡眠時間を邪魔されたってクロアは許してくれるよね?  と、完璧な理論武装を固めた上で、今日やるべきことを全部片付け終えた夜半過ぎ、クロアの部屋のドアを特定のリズムでノックした。  仮にもう寝ていたとしても、起きるまで叩き続けるつもりだった。だって、このままじゃ私使い物にならない。役立たずになっちゃう。そしたらクロアに呆れられちゃうかも。ううん、こんなことで叩き起こすこと自体に呆れられるかも。あれっ、それって結局どっちにしても呆れられるってことじゃ。  追い詰められた頭がおかしな結論を出そうとしたところで、あっさりと扉は開いた。  どうしたルカ、って緊張した面持ちを見た途端、やりすぎた、って即座に後悔した。もちろんそんなの遅すぎる。  真っ直ぐに見下ろしてくる瞳の前に、罪悪感が物凄い勢いで襲ってきた。耐えきれずに俯いてしまった私は、ぼそぼそと目的を告げるしかなかった。 「その、クロアとお話したいなって、思って……ちょっとだけでも、いいから」  ぎゅっと握った自分の手を見ていたから、私のしょうのない我が侭を聞いたクロアがどんな顔をしたのかはわからない。  返事をするまで少しだけ間があったのは、呆れて声も出なかったってことかもしれなかった。  そうだよね、こんな夜中に、突然私がやってきたりしたら何事かって思うよね。蓋を開けてみたらただ話がしたかっただけなんて、クロアからしたらいい迷惑だよ。疲れてるのに、これから休もうってときに、恋人の我が侭に振り回されるなんて。  でもクロアは優しいから、そんな私の我が侭も受け入れるに違いなかった。疲れてる体を押してでも。  ――ああ、何で私自分のことしか考えられてないんだろう!  ちょっと考えればすぐわかることだったのに。私が使えなくなってるのは私が勝手に嫉妬みたいなことしてるせいで、クロアは何も悪くなくて、御子としての自覚が全然足りてない私のせいに他ならない。 「じゃあ、とりあえず中へ」  罪悪感を上回る不甲斐なさに押し潰されそうな私へ、予想通りクロアは優しい言葉をかけてくれた。  ここで、やっぱりいい、なんて言えるわけもなく、頷いた私は何日かぶりにその部屋へと足を踏み入れた。  ごめんなさいクロア、なんて心の中で謝りながら。

(――何で?)  思い出せた記憶はそこまでだった。そこから先が今の状況だったから。  ぱたんと閉まった扉の前で、何だかわりと全力で抱き竦められてる現状だったから。 (ていうか、そもそも私からこうしようって勢いで来たんじゃなかったっけ)  そうだ、慌ただしく夕食を食べているあたりには、クロアに会って話をするだけなんて生ぬるい、何の説明もなくぎゅーって抱きついたりしてやる、そんなことできるの恋人の私だけなんだから! ……とかなんとか、やたらに燃えてた気がする……。 (ええ、と……)  状況を把握してもまだ頭がうまく回らない。  私の体はすっぽりとクロアの腕の中に収められていて、身動ぎするのも難しい。できることといえば、力を抜いて体重を預けることぐらい。  いやでも、安易に流されるのはなんかよくない気がする。というか、負けって気がする。だいたいこうしたかったのは私であって、それを何でだか知らないけどクロアからされてて、とにかくそれは何となく違う気がする。  けど、他にどうすることもできないのも事実。 (……)  ほ、ほんのちょっとだけ。  頭だけをクロアの胸へ置くようにしてみた。頭だけ。それ以外の全身はまだ強張らせたままで。 (……う)  どうしよう。  ものすごく絆されてしまいたくなってきた。  だってクロア温かいし。クロアの匂いとかするし。ほっとするし。  胸の中にあったトゲトゲだったりモヤモヤしてたりするものが、しゅーって空気が抜けるみたいに薄まっていくのがわかっちゃったし。 (クロア……)  心の中で名前を呟いて、もうそれでアウト。  そのまま目を閉じて、全身を委ねるべくあちこちから力を抜いて、 「……え?」  勢いよくクロアが私の両肩を押した。当然、密着していた体は離れてしまう。 「ごめん」  おまけに謝ってきたりした。  そりゃ、夕飯を食べ終えて再び書類と格闘を始めたあたりには、もうこんな使えない子になっちゃうのはクロアのせい、もう謝るぐらいしたっていいぐらい! とか息巻いてた覚えもあるんだけど、そもそも謝罪されてる部分が違うというか。  ぎゅってしてもらったことで問題は解決気味。というより、謝罪付きというこっちの要求をパーフェクトに満たした状態だった。  でも、なんていうか、……納得がいかないっていうか、素直に受け入れ難いというか……。  そんなことを考えていたせいで難しい顔になっていた私に、クロアはさらに謝罪の言葉を連ねてきた。あれもしかして、私が怒ってるとか、そんな風に思われてる? (ち、違うのに……あー、もうっ)  半ば理不尽に私の要望だけが叶えられていること、しかもそこに私の狙った思惑が伴っていないこと――消えかかっていたはずの、昼間からさっきまでずっと燻っていた何かが、ぽっと再燃する。 「クロア、眼鏡貸して」 「え?」 「早くっ」 「あ、ああ」  クロアは外した眼鏡を折りたたんで差し出してくる。それを受け取って、片手の中にそっと握り込む。  それから、片方の手を口元にあててクロアちょっと、と囁くと、当たり前のようにクロアが頭を下げてきた。 (うんうん、狙い通り――)  ぎりぎりまで引きつけてから、握っていた眼鏡のつるを片方だけ開いて、服の隙間に突っ込む。そうして眼鏡をひっかけることで両手を自由に。  そのまま、クロアの頭――首根っこに腕を回して、目測を誤らないように寸前まで目を開けたまま、クロアの唇に自分のそれを押し付けた。 (や、やった……!)  クロア驚いてるよね、動かないし、うまく不意をつけたし、うんちょっとスカっとした!  ていうか、元々やろうと思ってたのはぎゅってするぐらいで、こんなちゅーとかはその、副産物的な感じであったりなかったりしてもいいかなって思ってた程度で、まさか自分からやろうとかそんなことは全く微塵も考えてなかったわけだけど、でもクロアから先にぎゅってされちゃったらもう後はこうするしかないっていうか!  そうだよ、昼間からずっと私ぐらぐら不安だったのに、クロアはそんなこともなく普通にお仕事してて、もちろん私も自分のやるべきことをこなそうと頑張ってて、でもうまくいかなくて――まあそれは自分が悪いんだけど、でも、私はこれだけ不安だったんだよってことを少しはクロアも思い知ったらいいかなって!  いやうん、この行為からそれが伝わるかと言われたら絶対伝わってない気はしてるけど、でも、今日は私がクロアに思い知らせたくて、クロアを驚かせてやりたいみたいな感じで来たんだから、いいことにする! (……って、ちょっ)  ぐい、と腰が引き寄せられる。  ほぼ同時に頭もがっしと固められたと思ったら、強引に閉じていた唇が割られた。 「っんぅ、んん、――っ!」  絡め取られて、内壁をなぞられて、吸い上げられたりして――何日ぶりかの行為に、体がじわじわと反応する。覚えさせられていたはずの、でもここのところ忘れかけていた様々な感覚が、徐々に思い出させられていく。  おかげで頭の中はあっという間に真っ白になって、何も考えられなくなった。ううん、考えてはいたけれど、考えた側から霧散して、なんの形もなさない。  息が苦しいなって思っても、もう指一本動かせなかった。与えられた刺激に、反射的な反応を返すだけで。  ようやく口を解放してもらえた時には、いつの間にか滲んでた涙でクロアの顔がよく見えなかった。  それでも、だんだんはっきりしてきた思考に従って、私はクロアを睨み付けてみた。 「……クロア、ずるい」  出てきた言葉は負け惜しみだった。  何がずるいんだ、なんて聞き返されたけど、そんなこと説明できそうにない。仮に説明してもクロアわかってくれなさそうだし。  だから、 「クロアのばか」  シンプルな文句を述べて、クロアが何か言い返してくる前に、今度こそ自分から先にクロアへ抱きついた。 (クロアがもう帰れとか休めとか言っても、離れてやらないんだから――)  それは、そうすることで、クロアの休息時間を奪ってやる、というささやかな仕返しのつもりだったのだけれど。
 どうしていつも、それが倍か倍々ぐらいになって自分に還ってくるっていうオチになるんだろう?  私がそれを理解するには、わりと長い年月が必要だったりするらしかった。


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 ドラマCDを聞いてついカッとなって以下略。いや中身はドラマCDと何ら関係ないけど! ていうか中身そのものがないけど!(いつものこと)  基本的に私の原動力は不満から来るものだって知ってた! わかってたそんなこと……!(血涙)
 ところでルカたんは反撃してるつもりでバイキルトとかスクルトとかをかけてる派だよね。確実に。


2008-03-04 無限のカオスは嫌すぎると水樹奈々の歌を聞いて思う(……) この日を編集

_ [ネタ文] unconscious attack つづき(ロアルカ)

色々あって気が付いたら続いていた。以下は微妙に下世話だったりえげつなかったりする描写を含んでいるかもしれません。


 そろそろ寝ようかと思っていると、部屋の戸が叩かれた。決められた回数を、決められたリズムで刻む。  ドア一枚を隔てた先に居るのが誰なのかを理解して、疲労で重さを感じる思考が一気にクリアになる。急いで扉を開けると、驚いた――というか、どこかショックを受けたような表情のルカが、こちらを見上げていた。 「どうした、ルカ」  端的に問う。  こんな時間に彼女一人で訪ねてくるのだ。何かよほどのことがあったのか。  仮に何がしかの事件が起きていなかったのだとしても、彼女自身に何か問題が起きたのかもしれない。個人的にはそちらの方が気がかりだ。  ルカはどこかしょんぼりと俯いて、話がしたいと言ってきた。語尾に小さく付け加えられた、ちょっとだけでもいいからという言葉に、どうやら一時を争うような事態ではなさそうだ、と理解した。  いつもの明るさを伴っていない彼女は、肩を落としているせいもあるのだろうが、一回りぐらい小さく見える。  何よりも、ここ数日彼女と話もできていなかったし、顔すら遠目で見る程度だったのだ。  今すぐにでも腕の中に閉じ込めてしまいたいと思うことは、恋人として間違った衝動ではないように思えた。  とはいえ、今ここでそうするわけにはいかない。深夜であるとはいえ、誰かがこの一角にやってこない可能性はゼロではないのだから。  中に入るよう促す。頷いたルカを招き入れ、その体が室内に収まった瞬間、ノブを掴んで扉を閉じる。これでもう、彼女の姿は誰にも見られることはない。自分以外には。  その事実を認識した瞬間、勝手に体が動いていた。

*****

 ルカはこちらに抱きついたまま離れようとしない。  そっとその背に腕を回してみると、ぴくりと反応があった。でもそれだけで、ルカは一向に動く気配がない。  ゆるく抱き締めながら腕の中の温もりを感じていると、ほんの少しだけ冷静になれた。  時刻は深夜。一応把握しているルカのスケジュールは、明日も明後日も過密である。 「……ルカ、そろそろ休んだ方がいい。明日も朝から会議だろう?」 「やだ」  間髪入れず答えが返る。  これは単に意固地になっているのではないか、と経験則が告げてくる。理由はわからないが、ルカ的に今更引けない何かがあるのだろう。おそらくは。 (……)  ため息に聞こえないよう、静かに息を吐き出してから、細い腰に置いていた手を滑らせる。  曲げていた肘を伸ばしていくと、手の位置は自然と下方へ降りていって、ちょうどルカの丸みを帯びたラインに辿り着いた。 「っ!」  びく、とルカの体が震えた。構わずに両手の中にその丸さを収めるようにして、撫でる。  ルカの腕に力が入り、しがみつくように、こちらの胸へ顔を押し付けてくる。それもやがて徐々に力が抜けて、息を殺すような微かな呼気音と、僅かな体の震えへと変わっていった。  おもむろに手の位置をさらに下げてみる。  そこは既にスカートの内側で、素肌ともスカートとも違う生地へ指先を這わせていく。途中、生地と肌との間へ潜らせて触れた瞬間、 「っや、やだっ……!」  悲鳴をあげたルカが身をよじり、突っ張った腕でこちらを力一杯押し返した。その気になれば簡単に阻止することもできたのだが、あえて何もしないでおく。  だん、と反動でドアに背を打ち付けたルカが呆然と呟いた。 「あ……」  いわゆる加害者なのはこちらであって、ルカは被害者だ。なのに、ルカの方が罪悪感に満ちた表情をしている。  そんな顔をすることはないのに。むしろ罵倒されたり頬を叩かれたって文句は言えない。仮に恋人同士だとしても、あれがあまりにも不躾な行為であったことは自覚している。わかっていて、その上でやったのだから。  こうでもしないと部屋に戻ってくれそうにないと思ったのだ。こちらの心象が急下降することより、ルカの体調の方が大事だ。よく見れば、ルカの目元にはうっすらとくまができている。化粧で誤魔化しているであろうそれは、つまり多忙の中で無理をしているという証明に他ならない。よって、一分でも早く部屋に帰して休ませなければ。  ……まあもちろん、こちらも健康な成人男子であり、しかもここ数日話もまともにできていなかった色々ご無沙汰気味の恋人相手に、先程のシチュエーションで何もするなという方が無茶とも言える。こちらとしても、そんな忍耐勝負をするぐらいなら体を休めておきたかった。 「あの、違うのクロア。ちょっと……その、びっくりしちゃっただけで」 「ルカ」  愛しいその名をしっかりと発音してやると、あたふたと忙しなく動くルカの視線が、ゆっくりとこちらを向いた。 「まだここに居るっていうなら、さすがに俺も何もしないでいるって保証はないし」  ルカの顔にさっと赤味がさした。  軽く俯きがちに目を逸らす様は、やはりすぐにでも腕の中に閉じ込めてしまいたくなるほど、凶悪な愛らしさを誇っている。  そうして、だから早く部屋に戻って休め――そう続けるはずだった言葉は、永遠に失われることとなる。 「い、……いいよ」  瞬間的に言葉を失ったこちらへ、ルカはきっと顔を上げた。 「で、でもっ、す……するなら、ちゃんと……」  真っ赤になりながら、もごもごと尻すぼみになっていく言葉。  それを聞き終わらないうちに、やはり勝手に体が動いていた。

*****

「あの、クロア」 「ん?」  こちらの顔を見やすいようにか、腕枕をしている相手がもぞりと動いた。  同じようにこちらも姿勢を横へと向けて、その行為を助ける。  顔にかかっていた髪の毛をそっとかきあげてやると、ルカはうっとりと目を閉じた。そして、開いた瞳は何故か切なそうな色を伴っていて、僅かに潤みさえしている。  ルカの唇が小さく動いたが、言葉にはならなかった。何か言いたそうなルカを促すように、もう一度髪をかきあげ、指先で梳いてやる。  繰り返しそれを続けていき、こちらの手が離れた瞬間、ルカはぽすん、とこちらの肩口に顔を埋めてきた。  見えている後頭部に触れてそっと撫でていると、ぼそぼそ、と声が聞こえた。手を止め、耳をそばだててみる。 「……ずっと、クロアのことひとりじめできたらいいのに」  一瞬、息をするのを忘れてしまった。  それは――ルカ、それは。 「俺もルカのこと、ずっとひとりじめしていたいよ」  声音に冷静さを装わせて、心からの本音を口にする。 「ほんとに?」  勢いよくあがった顔は、半信半疑、といった風だった。それはむしろこちらのセリフ、というか表情なのだが――とりあえず、強引に笑みを形作っておいた。  まあ嬉しいのは事実で、もっと言うと大声で笑ってしまいたいぐらいだったりもする。が、それをやると頭がおかしいと思われても仕方ないし、何より今は、大声で騒いでいい時間では断じてない。 「ああ。……できることなら、そうしたいな。本当に」  しみじみと呟くと、ルカは小さく顔をほころばせて、うん、と頷いてくれた。 「……そうできたら、いいのに」  擦り寄るようにして、再び右肩のあたりへ顔を埋めてくるルカ。  ともすれば暴発させてしまいそうな感情をどうにか宥めて、それでもおさまらないものをおやすみのキスで相殺しようと手を伸ばして――穏やかな寝息に気が付いた。 「……」  宙に浮かせたままの手をぐっと握り込んで、ゆっくりと息を吐き出す。それはため息ではなかったはずだ。たぶん。  毛布をしっかりと引き寄せ、起こさないようにそっとルカを抱えなおしてから、目を閉じる。  明日は少しばかり早起きをしなければならない。人がまだ起き出さないうちにルカを部屋へ帰しておかないと、後がどうなるかわかったものではなかった。  よって、寝れて二時間がいいところだろう。  それは今日一日の疲労を回復するには少なすぎる睡眠時間だったが、互いの思うところが同じであったという事実の前には、ひどく些細な問題のように思えた。もう数日ぐらい不眠不休でもやっていけそうな気さえする。誇張ではなく、実際にやれそうなのが我ながら恐ろしい。  だがそれほどに、心が満たされてしまったのだ。どうしようもないくらい自分はルカが好きで、ルカも自分を好きでいてくれる、そんな夢のような現実を知ってしまったから。  閉じていても寝付けそうにない目を開け、腕の中で眠るルカに唇で触れる。  あまり身動きが取れないため、唇で感じたのは頬でも額でもなくつややかな髪の毛であったが、おやすみのキスには違いないだろう。 (おやすみ、ルカ)  心中で囁いてようやく、下ろした瞼をそのままにしておく気になれた。


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 ダイジェスト気味なのは気のせいです。気のせいなんだったら。


2008-03-08 ルカたんはいつだって負け戦だけど無根拠にいつかは勝てると信じてる派だと思う この日を編集

_ [アニメ] 今週の00(#22)

  • 三木眞の すごい フラグブレイカー
  • 愚かにも程がある(三木眞メガネ的な意味で)
  • 映画版無能大佐ばりの眼帯吹いた

総評:また刹那言うた!!

トリニティ三兄弟のあまりの使い捨てっぷりにポカーンとしつつ、ちょっこんな早く退場されたらトリニティ兄弟3P本が出ないじゃないの! と憤ってみたのは私だけでいい(最低だ) せめて裸王兄さん×くぎゅ本ぐらいは見たかったなあ……。

_ [アルトネリコ] 今週のトウコウスフィア

真剣カオスしゃべり場ことトウコウスフィアにおいて、当然の流れでツッコミポジションに配置され、基本的にまともかつ常識的な回答を返さなければならない宿命を負った我らがクロアですが、真面目に答えれば答えるほどネタになるってどんな罠。まさに無法地帯。

オリカたんの言ってるのはつまりルパンダイブ的なアレなんだろうけど、そもそもクロアは別に毎度脱がなくてもいいだろとか逆に手早く脱がすスキルは自然と身につけてそうだとか元々露出量がハンパなくてむしろ脱がす必要があまりないという話、とかいや何でもない。

うんまあその何だ、ちょっとクローシェ様にメッ(滅)されて来る。

_ [アルトネリコ] 漫画版2巻が待ち遠しいという話

そういえば1巻発売当時、オンライン書店bk1から配信されてきた本日入荷コミックス一覧メルマガでこんな表記をされてたのを思い出した。

2007/11/09配信版より

一体どこのアメフト漫画のアンソロかと。

ちなみに今はこんな感じにわかりやすくなってますが、その代わりに9784861274763が微妙なことになっている現実があったりなかったり。もはや何が何やら。

まあとりあえず、だいぶ前から予約したとしても発売日の翌日発送がデフォなamazonたんに絶望した! ここは現時点で24時間以内発送表示を出しているbk1たんを信じてみたいところ。しかしメール便で発送されたらamazonたんよりも遅くなるかもしれない罠が待ちかまえている……! どうすればいいんだ。


2008-03-09 ありがとうbk1……!! この日を編集

_ [ネタ文] gift idea(ロアルカ)

ED後ロアルカ。もはや楽しいのは私だけという世界になってきているけど気にしないことにします(しよう)


「今年の誕生日プレゼント、何がいい?」  表情をわりと真剣なものにして、何やら改まって名前を呼んでくるので何事かと居住まいを正してみたら、例によって予想の斜め上の質問が投げつけられた。  去年も一昨年も、ルカ的にはサプライズを狙ったらしいアレやらソレやらを贈られたことは、しっかりと記憶に残っている。一部忘れたい何かが含有されているのはご愛敬ということにしておこう。 「何……と言われてもな」  お前は物欲が乏しい、そう何度か言われたことがある。実際、私物として持っているものは人と比べたら多くはない気がする。だがそれだって必要最低限のものは揃っているし、不便はしていない。  だから、何か欲しい物がないかと言われると、正直困ってしまうことが多い。  武器や防具はその都度修理に出したり、新作が出来たら買い上げたりしているし、そもプレゼントとして所望するものではない気がする。  では武具以外に何か入り用な物はないかと考えると、……やはり思いつかない。 「何でもいいよ? ほら、去年とか一昨年とかはその、ちょっとクロアに迷惑かけちゃったかなーって部分もあった気がするし……だから、今年はクロアが本当に欲しいものにしようかなって」  悪気など一切なかったにしろ、過去に二度自ら引き起こした黒歴史のことを、一応悪かったとは思っていたらしい。  自分の生誕を祝ってくれたり、贈り物をしようと思ってくれるその気持ちだけで普通に胸がいっぱいなのだが――言ったところでルカは聞いてはくれないだろう。よって自分にできることは、どうにかして被害を拡大させないことしかない。  それを考えると、今年の提案はとてつもなく良心的で、魅力的すぎた。できれば来年以降もこれでお願いしてもらいたい。  ――だがしかし、肝心の「欲しい物」とやらが思いつかない。 「……本当に、何でもいいのか?」  考えながら、先程のルカの言葉を思い出して確認してみた。 「うん! あ、でもできれば、私にできる範囲でお願いしたいかな……」 「そんな無茶は言わない」  呆れ気味に笑うと、えへへ、とルカも笑ってくれる。そして、さあ言って!とばかりに期待の眼差しを向けてくる。 (欲しいもの、か……)  あえて言うなら、ないわけではない。  先程言った通り、無茶を言うつもりもない。  ないのだが。 (……物は試し、か)  考えるために天上付近へ浮かせていた視線を、ルカの顔に戻す。表情を軽く引き締めるルカをじっと見据えながら、はっきりと告げてみた。 「ルカがいい」 「……へ? え、えっあの、わ、私……?!」  面白いぐらいに動揺したルカがおろおろと自身を指差すので、うん、と頷いてやる。  するとますます混乱してしまったらしいルカが、えええ、とかでもあの、とか意味のない言葉を呟きながら、どんどんと顔を赤くしていく。  その様があまりにも可愛らしいのでこのまま抱き潰してしまおうかという欲望が鎌首をもたげたがあえてスルーして、 「その日、ずっとルカと一緒にいたいって意味でな」  もう少し詳しく要求を述べてやると、あわあわしていたルカの動きがゆっくりと止まっていき、 「そ……そう、あはは、そうだよねっ! うん、えへへ、それぐらいなら、うん、何とか……」  言葉だけはまだ落ち着かないまま、どこか安心したように笑った。  が、その笑みが真顔に変わる。 「本当に、そんなのでいいの?」 「ああ。それがいい」  メタファリカが紡がれて数年、初期段階から様々な問題を抱え続ける移住計画も、第三フェーズへと移行しようとしている。  そんな移住計画の中枢を担う御子と大鐘堂は、今もってなお日々を忙殺され続けているのだ。ルカの護衛の任に就くことが一番多いとはいえ、一日行動を共にするにしてもあくまで仕事の範囲でしかない。二人で話せる時間など数分あればいいところだ。下手をしたら仕事の話と挨拶だけで終わることもある。  今何よりも欲しているのは、ルカと二人で過ごす時間。  それは長ければ長いほどいい。ただ、「誕生日」にかこつけるなら許されても一日が限度だろうし、本当に実現するなら半日だって構わなかった。  互いの睡眠時間を削りながら話すよりはよっぽど、心が安らぐと思うから。 「わかった。とりあえず、クローシェ様にお願いしてみるね。……ただ、誕生日当日、は無理かもしれないけど……」  ルカは張り切ったのも束の間、途端に申し訳なさそうに肩を落とす。  その沈んだ頭に手を乗せて、ぽん、と優しく叩いてやった。 「わかってる。いつだっていい」 「……うん。よーし、頑張るぞー」  大陸中の誰よりも多忙を極めている、そう言っても過言ではないクローシェ様に、そんなことを進言するのはさぞかし勇気が要るだろう。  いつだって妹を気遣うことを忘れない優しい姉は、胸のどこかで罪悪感すら感じているかもしれなかった。  そんな彼女を見て、調子に乗りすぎたと思わないでもなかったが、何しろ年に一度のことだし――クローシェ様からのわかりやすい妨害もここ最近後を絶たないことだし――これぐらいは許してもらおうと目を瞑ることにした。 「私もそうしようかな……」  ぽつり、とルカが呟いた。  何がと聞き返すと、ルカはどうやら独り言のつもりだったらしい。えへへ、といつもの照れ笑いを浮かべて、こちらを見上げてきた。 「次の私の誕生日プレゼントも、そうしようかなって」  大陸をあげての盛大な祭りが開催されるであろうその日、彼女に贈られるのは様々な祝辞と、膨大な量の――それも政治色の濃い――贈り物。  当然ながら式典だのパーティだのが朝から晩まで続くため、仮にルカの言うことを実現しようとすると、自分と同じく当日に贈るのはかなり無理なプレゼントになる。 「もちろん当日は無理だろうけど、今から計画的にやれば何とか一日ぐらいは空けられると思うし……そしたら」  ルカの細い指が、二本だけ立てられる。 「少なくとも年に二日は、クロアとずっと一緒にいられるよね?」  それは、随分と地道で気の長い長期計画。  その実現に伴う困難はきっと、メタファリカ移住計画にも劣らない、そんな予感がする。  けれど、そのひどく魅力的な提案に対して、反対する理由はどこにも見当たらなかった。 「――そうだな」  立てたままの二本指を強引に崩して、手指を絡ませる。  そのまま強く握り込んで、こつり、と額同士をぶつけてから、そっと唇を重ねた。


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 EDから数年後の話とかそれはもはやロアルカという名のオリジナルじゃねーかとひたすら自分でツッコミつつも書けと言われたので書いた。  自分しか楽しくなかったり身内にしかわからない話しか書けないのはいいかげんどうなんだろうなとガックリしつつ、まあうんおめでとう私(虚)


2008-03-15 設定資料集発送待ち この日を編集

_ [アニメ] 今週の00(#23)

  • せっちゃんがくぎゅを連れ帰ってくるかと思ったらそんなことなかった件
  • ハレソー的なわりと一方的な鬼畜戦闘を期待したらそんなことなかっ(以下略)
  • 大佐のピンチという空気を読めないコーラサワーにうっかり同情した

総評:わりと唐突だった三木眞メガネフラグがこんな伏線だったとか超先生鬼畜すぎ

瀕死だけど生存ルートだと思ってたら全員のショック顔が次々に映し出されるもんだからちょっマジなのこれ?! とか驚愕したのは私だけではないと信じたい。もうEDの砂浜に突き刺さってる鋏(+ハロ)にすら何かを感じざるをえなかったよこんちくしょう……。そもそもあのマイスター4人の中で一番欠けたらダメそうな所をあっさり欠損させるあたりマジで鬼すぎだろ常考。おかげで予告を見るに、せっかく仲良くなりかけてたメガネとせっちゃんが対立ムードになってるよ!

まあ気持ちはわからないでもないけどな……なんていうかフラグ立てられるだけ立てられた挙句放置プレイとかメガネがあまりにも不憫すぎる(こら)

_ [アルトネリコ] 聞いてねえ

設定資料集の発売日について公式での発言が微妙なことになってるのはともかく、いつの間にかルカたんふぃぎゃーの発売まで4月に変更になってるのはどゆことー?! ちょっ、立体資料として全力で参考に(下からのアングル的な意味で)しようとしていた私の意気込みはどうすれば?!(メッされろ)

とかそんな感じでついカッとなって大変にどうでもいい戯れ言を打ち込んでしまった。反省はしていない。だがあまりにもアレゲな内容なので隠しておきます。まあ要約すると「カオスの中の人はいっそ独立してエロゲブランドか同人サークルでも立ち上げたらいんじゃね?」という話(最低だ

とりあえず第一弾は無難にAT2逆移植でいいと思うんだ、ただし全年齢で。そして間髪入れず第二弾ソフトとしてアフターファンディスク的なアペンドディスク商法ですよ、「Ar tonelico2 append disc カオスつめちゃいましたっ」みたいな感じで。内容はまあ、各ヒロインED後のいちゃらぶ後日談(エロもあるよ!)+本編になかったサブヒロインルートをつけたらいいじゃない。ただココナたんとさーしゃはソフ倫あたりでアウトだろうから義妹的なほのぼのルートで勘弁な。まあ数年経過設定にしてもいいけど、そうすると3との橋渡し役を命ぜられたココナたんに色々矛盾が生じてしまうかもしれんのでパラレルルートとして前置きする必要があるかも。レイシャさん分はアレだ、空葉原事変での流されるルートを補完したらどうだろう。もしくはバッツさんとのなれそめ的な過去話でもいいと思うんだがどうか。

とまあここまでヒロインが揃ったなら当然ハーレムルートとか必須だよね! ヒロイン三人+アマリエシンシアスピカ空猫ノノちゃん、熟女分としてレイシャさんとラーおばさん、そこにレイニちゃんとアイテムくれる緑髪のI.P.D.の子も追加で、合計12人とか無駄に尽くしてあげられちゃうムッツリが大変そうですが、奴のポテンシャルならそれぐらい何とかなると思うんだぜ!(クロアを何だと思って) ちなみに前述の理由でココナたんとさーしゃは不参戦だ! ちみっこスキーな人達に優しくなくてごめん! でもココナたんぐらいは参戦してもいんじゃね? とかわりと素で思ってるのは内緒な!

しかしAT2各ヒロインのファンってきれいに棲み分けされてる気がするので、むしろここはそれぞれのファンディスクを出したらどうだと思えてきた。「レイカちゃんの新妻だいあり〜」とか「ルカ先生(セラピスト的な意味で)の誘惑授業」とか「みゅうちゅ〜母さんはご奉仕中〜」あたりでどうですか。ってあれルカたんのポジションそんな位置?(ぉ だったらむしろ「ノノお姉さんの誘惑セラピ」とかの方が良さそうな気がしてきた。フルコンプするとおまけ扱いでルカたんのセラピルートが開くとかでどうだろう。まあ所詮はおまけなのでセラピする対象は空猫とクロアのみでな! 選択肢によってはエロもあるよ! 的な流れでひとつ。あ、ちなみに「みゅうちゅ」はシュレリア(+ライナー)×ミュールのミュール調教(もうラスボス的なことしたらダメですよっ的な意味で)話な!

とかそろそろ「続きを読む」をクリックした人がドン引きしている予感がするのでここらで終えておこうとおもいます。そういえばタルガーナルートも作るべきだよね、略してタルルートってそれなんてまじかる☆な自称大魔法使い? とか最後までしょっぱい話で正直すまんかった。


2008-03-16 そのときめきはしかと受け取ったあああ(ばんばん)(萌)(私信) この日を編集

_ [アルトネリコ] 設定資料集届いた

とはいえまだ全部読み終わってないんですが。っていうかこれ普通に一日がかりだろ読破するの……。

でかっ! 厚っ! 重っ! 開封してまずそんな感想。鬼のようなボリュームでぼくらの疑問に答えてくれる! かと思ったらクロアについてはたった1ページこっきりですか! いやカオスの妄想を目一杯詰め込みましたって聞いたあたりから期待なんかしてなかったけど! 初期稿の絶対領域はあまりにも凶悪すぎだったけど!!

……や、OK兄弟、あたいは落ち着いてる。ていうかこれはつまりアレだろ? クロア(とルカ)の過去については大いに捏造しろっていう神の啓示ってやつだよな?! HAHAHAその懐の広さと心意気、しかと受け取ったぜベイベー!

えーと他にも色々言いたいことはあるんですがとりあえず、カードゲームは初回版特典という形にして、本体のみの通常版設定資料集を出してくれても良かったのにとか思ったのは私だけでいい。

_ [ネタ文] One's opening(ロアルカ)

というわけで早速捏造のお時間ですよ!(……) 5〜6歳あたりの幼少ロアルカっぽいもの。


 彼が最初に思ったことは、あれ?というどこか間の抜けた疑問だった。  心臓が早鐘のように鳴っている。全身は動かせばぎしぎしと音がしそうなぐらい強張っていた。何故か天井へ突き出すように伸ばしていた腕を戻そうと思うのだが、固まっていてうまくいかない。  さっきから聞こえている音が自分の呼吸音だと気付き、あちこちが妙にひやりとするなと思ったら、暑いわけでもないのに身体中にじっとりと汗をかいていたりする。  時間が経過するにつれ、自分の体が明らかに異常な状態らしいことは理解した。  だが、彼の目の前に広がる光景――彼に寝室としてあてがわれた納戸は、眠る前のものと何一つ変わっていない。静まりかえった室内は、自分以外の時間が止まってしまっているようにも感じられ、実はこれは夢なのではないかと思い始めた。 (……ゆめ、だ)  彼は唐突に全てを理解して、ようやく固まっていた腕をぱたりと下ろした。  自分がさっきまで見ていたらしい光景は、現実のものではなかったのだ。 (なんだ、っけ)  らしい、というのは、彼は既にその光景を思い出せなかったからだ。  自分のこの異常は、自分の見ていた夢によるものらしい。ならばどんな夢だったのか。  それを思い出そうとすればするほど、彼の朧気な記憶は自壊していった。そうして残ったのは、ただ「夢を見ていた」という端的な事実のみ。 (……さむい)  寝巻きに染み込んだ汗が彼から体温を奪っていく。べたべたして気持ちが悪いと思うのだが、彼は替えの着替えなど所持していない。  布団の中をごろりと転がり、冷たく張り付く寝巻きからどうにか逃れようとするのだが、もちろん肌寒さがなくなるわけがない。  やがて冷たさに慣れた頃には、彼の目はすっかりさえてしまっていた。 (ねむれない)  目を閉じても彼の意識は遠のかない。  どころか、眠ればまた先程の――どうしても思い出せないあの感覚を、再び味わうことになるのではないか。  その恐れにか、彼にはいつまで経っても眠りが訪れなかった。 (ねないと……いけないのに)  子供は夜は寝るものだ、と教えられ早寝早起きをしている彼にとって、夜に起きているということは罪悪でしかなかった。  ただそれは、遅くまで起きていると長く灯りを使わなければならないという、単なる節約術の一貫だったのだが、彼がそれを知るのはもう少し成長してからだ。 (どうしよう)  以前幼馴染みから教わった、動物の数を数えるという方法を試してはいるのだが、彼女の言うような効果は現れる気配もない。  むくりと半身を起こした彼は、とりあえずトイレに立つことにした。体が冷えたせいでもよおしたこともあったが、彼の中で、子供が夜に出歩いてもいい場所はそのぐらいだった。


 そんな彼が玄関の戸を音を立てないよう慎重に慎重を重ねて押し開いたのは、主に三つの理由からだった。  トイレに起きても家人は気が付かないのだから、トイレよりも二階から遠い位置にある玄関を開けてみても大丈夫ではないのか、という子供なりに必死に計算した考え。トイレに行ったら益々眠気がなくなってしまった事実。こんな夜遅くに見る星空はどうなっているのだろうという、ほんの少しの好奇心。 (……わあ)  少しひんやりした空気に一度体を震わせて、彼は広がる空を見上げた。  期待していたほど夜空は大きく様変わりしてはいなかったが、それでも彼は満足感を覚えて口元に笑みを浮かべた。  首が痛くなるまでそうしてから、辺りを見回し、そして出てきた扉を振り返る。お世辞にも立派な作りとは言えない、単なる木板にすぎないそれを注視する。  そのまま十秒ほど待って何も起きないことを確認してから、彼はそろりと一歩を踏み出した。  じゃり、という足音にぎくりと動きを止め、次の一歩をそうっと踏み下ろす。結局どうやっても音が鳴ってしまうことに気付いた頃には、彼は道の端まで来ていた。  見下ろす先には、リムの隙間から夜の闇よりも濃い真っ黒な雲海が広がっていた。落ちたら当然命はない。それは、ここに住む者にとってそれは常識以外の何物でもなく、そのため迂闊に近寄る者もいない。  だから、命の危険があるにも関わらず、ここには柵の一つも設置されていない。設置するほどの予算がないことも大きな理由ではあるのだが。  生まれた時からここに住んでいる彼も、その常識を身につけている一人だ。だから、こんな危険な真似をするのはほとんど初めてだった。仮に、少なからず人目がある昼間――子供が起きている時間帯――にこんなことをすれば、誰かがすっ飛んできてこっぴどく叱られるに違いない。少なくとも、物乞い同然で路上で暮らしている少年少女達がやるよりは、確実にお咎めを受ける。 (……)  どんなに目を凝らしても黒さしか見えてこない光景を、彼が退屈だと思うまでにそう時間はかからなかった。彼の本来の目的は地面の下ではなく、空の上にあるものだった。  ひとまず家の前まで戻って、もう一度首が痛くなるまで星を見たら部屋に戻ろう。  そう決めた彼はくるりと振り返り、 (……っ?!)  心臓が飛び出るぐらいに驚いた。思わず後ろに後ずさりかけて、ざり、という音で我に返る。同時に後ろにあるもの――存在していない地面――を思い出して、背中に冷たい汗が流れていく。  何度も目を瞬かせた彼は、だがそれ以外に身動きが取れずいにいた。  彼の視界に映るのは、数分前に彼が出てきた家の扉。  今はその前に、どうやら音を立てないよう戸を閉めているらしい、小さな人影がある。  それが誰であるか、彼は一目で看破した。というか、あの家から出てくる人間はあと二人しかいないし、そのうちの一人は大人だ。あんな小さな体ではない。  だがその名前を呼ぶことは憚られた。声を出したら彼女に気付かれて、ひいてはその母親にも、悪いことをしていたのがバレてしまう。  そうして硬直する彼をよそに、扉を閉め終えたらしい彼女がどこかうきうきと振り返って、 「っ?!」  驚きに体を震わせてから、先程彼がしたのと同じように何度か瞬きをし、 「……クロア?!」  努めて小声で、彼の名を叫んだ。


 彼女はまず、危ないから早くこっちへと常套句を告げ、近寄ってきた彼に危ないじゃないと舌っ足らずに叱咤し、彼が謝罪してようやく、彼がここにいる理由を問うてきた。 「それは……」  説明しようとして、彼は口ごもった。  何かの夢を見て眠れなくなってトイレに起きてなんとなく星が見たくなった。  頭の中で理由を組み立てて、これは悪いこと――子供が夜遅くに出歩くこと――をしてもいい理由だろうかと考えた結果、そうではないと思ったからである。  彼の暴挙は、彼女と彼女の母親に見つからないことが前提にあった。それが崩された時点で、もう悪事以外の何物でもない。
 ――悪いことをした子は、捨てられてしまう。
 それは、路上で寝転がっている少年少女を指して、聞き分けのない子供を脅し気味に叱るときの常套句。  事情あって彼女の母親に引き取られ、居候として生活している彼は、実際に言われたことはない。けれど、ここで暮らしていればそんな会話を耳にする機会はそれなりにある。  決して頭の回転が悪くない彼は、その言葉の本当の意味を何となく理解していた。そして理解していたからこそ、悪いことはしてはならない、そう思っていた。  悪いことをすると、彼女の母親が自分を叱るために怒る。母親が怒っていて、良い気分のする娘がいるはずがない。  一緒に暮らそうと笑顔を向けてくれた少女が悲しそうな顔をすること。  彼はそれが何よりも悲しくて、嫌だった。ましてその理由が自分にあるなど、彼には耐え難いことだった。  彼女が笑っていれば、自分も笑える。笑うことは楽しい。彼女といると、とても楽しい。だから、彼女の笑顔が見たい。  今はまだ幼さゆえ、悲しい顔をさせる行為を慎む、というだけに収まってはいるが――結果として彼は、彼女が笑ってくれるなら何でもする、という信条を持つことになる。 「……ごめん、なさい」  彼は頭を下げた。  どう説明しても、仮に嘘をついたとしても、結局は悪事を働いた事実を覆せない。何せ彼女自身に現場を見られてしまったのだから。  ならば少しでも許しを請おうと、まずは謝った。 「言いたくないの?」 「ちがう!」  彼女の不機嫌そうな顔を見て、彼はぶるぶると首を振った。 「……ねむれなくて」  何となく、夢を見たせいで、という部分は端折ってしまった。  夢ぐらいで眠れないなんて情けない、そう思われるのが嫌だったのと、じゃあどんな夢だったのかと聞かれた時に答えられないからだった。  はっきりと説明できなければ、人は信じてはくれない。適当にでまかせを言って嘘をついているのだろうと疑われる。子供の言うことなど特に。  もちろん彼女も子供であるが、彼女は彼女の母親に通じている。彼女が母親へ告げるとき、悪い印象を持たせるとしか思えなかった。 「ごめんなさい」  顔を上げられない彼は、今度は腰を折って頭を下げた。 「クロア」  ひどく優しい声が、彼を呼んだ。そこに怒気は微塵も感じられない。  そろそろと彼が顔を上げると、何故か彼女は微笑んでいた。それに見とれる暇もなく、目の前に手のひらが差し出される。 「行こう」  彼女が誘っているのは、どうも家に戻るということではないらしい。そんな雰囲気を感じ取って、彼は聞いた。 「いくって、どこに」 「あそこ」  幼い指が示したのは、剥き出しの線路と降車場だけで構成された、ミント区駅だ。


 時間的に、軌道車が入ってくることのない降車場はひどく静かだった。時折、路上生活者が寝所として一時的に間借りしていることもあるが、今日は誰もいないようだ。  そんな場所に二人はやってきた。彼の手を握った少女が、戸惑う彼をぐいぐいと引っ張る形で。 「きれいだねっ」 「……うん」  降車場に腰を下ろし、空を見上げる少女が楽しそうに言う。  言葉の内容には同意できたものの、彼の反応は鈍かった。彼女の意図がさっぱりわからなかったからだ。  夜遅くに出歩いていた自分を、彼女は怒っていないのだろうか。最初はその疑問だけだったのだが、ふと、そういえば彼女こそ何故ここにいるのか、という当然の疑問に行き着いたのだ。  だが、それは聞いてもいいものなのか。自分だって聞かれて答えづらかったことを、彼女にしてもいいのだろうか。  彼の出した答えは否だった。  だからただ、彼女に手を引かれるまま、同意を求められるまま、彼はここに居た。  首を上向かせたままだった少女が、ゆっくりと首の位置を戻していき、そのまま下を向いた。彼も正面を向く所まではそれに倣い、後は見づらくなった彼女の横顔に視線を向ける。 「ねえ、クロア」  顔を上げずに口を開いた彼女は、まるで独り言のように呟いた。 「私も、ねむれなかったの」 「ルカも?」  深く頷き、そして彼女はまた顔を空へと向けた。 「ねむれないときはね、こうしてお星さまを見に来ることにしてるんだ」  つられて、彼も星を見る。一人で見上げたときと、何ら変わりのない星々。それが、どこか違った風に見えるのは気のせいだろうか。  実は、彼女が星を見る理由の一つに、「人はいつかお星様になる」という話を聞いたから、というものがあるのだが――もちろんこのときの彼には知る由もない。 「お布団にいてもねられそうにないから、きぶんてんかんをするの」  きぶんてんかん。意味がよくわからなかったが、彼はとりあえずその聞いたばかりの単語を心に刻んだ。  そうして、えへへ、と笑っていた彼女が、急に少しだけ表情を硬くした。 「これ、お母さんには、ないしょね」  ぴんと立てた人差し指が、彼女の唇をとんとんと叩く。強調されているのだと理解して、彼はこくこくと首を縦に振った。  すると、声を潜めていた少女はふわりと笑い、 「だから、クロアのことも、ないしょだよ」  彼の唇にそっと、人差し指を押し当てた。  小さな驚きと、安堵と――何か色々なものがないまぜになって、彼はうん、と答えようとして、口がゆるく押さえられていることに気付いた。  かといってさっきのように首肯すれば、その指を振り払うことになってしまう。 「……ん」  しばらく迷った末、彼は僅かに首を沈めて、閉じたままの口からもごもごとうめいた。


 来たときと同じように彼女に手を引かれ、先を行く背中を見ながら、彼は思った。 (ルカは、すごい)  自分の求めるものを、自分が言ってもいないのに、当たり前のようにくれる。それはいつでも、というわけではないけれど――いつだってそれは、彼の心を優しく包み込んで、安心させてくれるのだ。  ルカと自分は年齢が一つしか違わない。何よりルカは女の子だ。それなのに。 (ぼくは、ルカにまもってもらってる)  だから彼は、彼女を心底凄いと思い、そしてそれは、一つの決意へと繋がっていく。 (ぼくも、ルカをまもりたい)  男の子が女の子に護られている、という構図が格好良いものではない、ということもあった。  けれど何より、彼は彼女の笑顔を望んでいたのだ。 (まもってもらえると、むねがあつくなって、……うれしい)  だからもし、自分が彼女を護れるようになれば――彼女が自分に与えてくれた、たくさんの温かなものを、彼女にも渡せるのではないか。  それを考えるだけで、彼の胸は少しだけ早いリズムを刻み始めた。  自然と、再び手を繋ぐ直前の会話が思い出される。
 降車場に立った彼女は線路の先を見つめ――彼に背を向ける形で――こう言った。 「ねえクロア。この先に何があるか知ってる?」 「えっと、みくりの森」 「もっと先」 「ラクシャク。あ、それともエナ、かな」  彼女は小さく首を振って、前者が正解だと告げた。 「その上に、何がある?」 「……パスタリア?」  森と水の都。彼にとってそこは、話にしか聞いたことのない、夢物語のような街だった。 「そう、パスタリア」  彼女は復唱して、そのまま黙ってしまった。  しばらく待っても反応のない彼女に、彼は必死で考えた言葉を投げかけた。 「ルカは、パスタリアにいきたいの?」  僅かな間を置いて、 「うん」  彼女は静かに頷いた。 「……」  どうして? とは、彼は最後まで聞けずじまいだった。  何故かはわからなかったが――聞いてはいけないような、そんな雰囲気を感じて、口を開けなかったのだ。  そのときの彼女の背中が妙に小さく、どこか遠くにあるように見えたのは、果たして気のせいであったのか、それとも。
 記憶にあるその背中と、目の前にある背中を重ね合わせて、彼は心中で呟いた。 (ぼくは――ルカを、まもる)
 それは、彼の夢の小さな始まり。  いつかこの大陸全てを巻き込む大事件へ繋がる、ささやかで、けれど何よりも尊い、想いの一つだった。


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 どんだけ夢を見たら気が済むのか私は、という話。  へ……へへ、許可さえ下りりゃあ捏造なんてやったもん勝ちさね……(ギラリ)(最低だ)


2008-03-19 こんなにも野郎をめくりたいと思ったのは生まれて初めてだ この日を編集

_ [ネタ文] るかせんせいのゆうわくじゅぎょう(ロアルカ)

っか、勘違いしないでよね、突然予想外にビジュアル化されたからついカッとなって以下略なだけなんだから! だから断じて主犯なんかじゃないんだからねっ!

以下はあまり色々を深く考えない方向でよろしく。全ては勢いだった。あ、そもそもの元ネタは15日の記事です。


「下ろしてってば、クロアー!」  わかったから黙ってくれ、と宥めることに疲れて、無言で廊下の端にある空き教室へと向かった。  普段ならカギのかかっているその扉を、ルカを抱いたまま器用に開く。  以前は資料室として使われていたこの部屋から、いくつか備品を持ってきてくれと頼まれたのは午前中のことだ。作業を終えたはいいが、忙しさにかまけてカギを返しそびれていた。偶にはうっかりもしておくものらしい。  埃っぽい室内には使わなくなった教師用の机が並べられていた。そのうちの一つに彼女をそっと座らせる。 「……ここ、どこ?」 「前は資料室として使われてたみたいだけど、今は違うみたいだな。というか、仮にも「先生」を名乗るならそれぐらい知っておいて欲しいな」 「う……さ、最近転入してきたんだから、知らなくてもいいのっ」 「転入、じゃ生徒だろ」 「もー、細かいことはいいのっ!」  叫んでから頬を膨らませる彼女は自分と一つしか学年が違わないはずで、確か今朝は普通に制服を着ていたはずなのだが――何故か今はスーツ姿になっていた。襟ぐりが随分と開いていて、胸元がスースーするんじゃないかという気がする。  おまけに、長くてすらりとした足にはダークブラウンの艶めかしいストッキングに、ガーターベルトが装着されている。  そんな格好で、教卓の上に座って、あまつさえ大きく足を組んでいたりしたのだ。あのまま放置するのはあまりにも危険すぎる。あらゆる意味で。  というわけで、有無を言わさず拉致してきて今に至る。 「だいたい何なんだ、その格好は」 「これ? んー……上級生もいいけど、教師もいいかなーって思って」 「……いや、よく意味がわからないんだが」  わかんないならいいよ、とあっさり言うと、ルカの両手がにゅっと伸びてきた。何かと思っていると眼鏡を取り上げられてしまう。 「ちょっと貸してね」  同意を告げる前にさっさとそれを顔にかけて、 「……むー」  サイズ的に何度調整しても目の位置からずり落ちてしまうようで、ルカは不満そうに唸っている。  やっぱりいらないと放り投げたりしてくれるな、内心ハラハラしていると、結局位置の調整は諦めたらしい。  今にもずり落ちそうな眼鏡に片手を添えて支えつつ、身長差やら立ち位置的に自然と上目遣いになりながら、ルカは――当人としては多分、妖艶とかそんなつもりでいるらしい――笑みを浮かべてきた。  下から覗き込んでくるような態勢のおかげで、襟が広く開いているスーツの胸元が嫌でも視界に入ってくる。  見えるのは谷間と表現するにはだいぶささやかな緩やかな勾配であるが、その服の中という暗がりは神秘的な魅力に満ち溢れていた。 「えへへ、どう?」  再び足組みポーズを取りながらの、先述した上目遣いを向けられる。何がどうなんだと聞き返してやりたかったが、じっと耐えた。  とにかく人目から遠ざけるのが第一でここへ連れ込んだので、入り口にあった電灯のスイッチを入れる暇がなかった。もちろん、時間帯はそろそろ夕方になろうとする頃だし、窓や入り口の戸の擦りガラス越しにある程度の光が差し込んでいるから、教室内で行動するのにさしたる支障はない。  ただそれでも、教室は基本的に明かりがつけられているから、それがないだけでどこか異質な雰囲気が醸し出される。  視界に映るもの全ての陰影が濃くなっていて、普段ならよく見えるはずのところも視認しずらい。そう、影の濃くなった服の奥とか、こげ茶色をしていたはずが黒にしか見えなくなったストッキングとか、ガーターベルトが繋がるその先とか。  小さく、本当に小さくため息をつく。  ――ああうん、わかってる。彼女がどういう意図で「どう」と聞いてきたことくらいは。  そして、意図したはずの行為が全く見当違いな効果を生み出してしまっていることに、全く、微塵も、何一つとして気付いてなどいないことぐらいは。 (ルカ先生の誘惑授業、だったっけ?)  聞いただけで頭が痛くなるようなフレーズだ。なんていうか古臭い。ベタベタでありながら、かといって古き良き時代の何かを継承しているわけでもなく、ただただバタ臭い。  それでもわりとイケると思っているであろうことは容易に想像がつく。 (全く)  おちおち目を離していられない。こんな危なっかしい先生がいたら発禁ものだ。俺的に。 「そうだな」  一歩だけ歩み寄り、ルカ先生が座っている机にひたりと手をついた。  そこを支点に上半身を机の方へと傾け、気持ち俯きがちに、下から目だけで――前髪越しに――見上げるようにする。 「あ、あの、……クロア?」  先生はようやく何かが変だと気付いてくれたらしい。だが本質の理解までには至っていないようだ。 (全く世話のかかる先生だ)  まあ、そういうところも可愛いと思っている時点で、文句を言える立場ではないのだろうが。 (周囲に迷惑をかけるのはよくないよな。俺だけにならともかく) 「え、く、クロアあの」  じりじりと先生との距離を詰めていく。  何が迷惑かって? そんなのは決まってる。  あんな格好でありながら危機管理意識ゼロの先生がいたらそこそこ目のやり場に困るし、夜道の一人歩きが危険になる男子生徒が出るかもしれないじゃないか。ちなみに、犯人は単独犯ではなく複数犯の可能性も否定できない。  生徒に正しいことを教える教師が、そんなではいけないと、一生徒である俺は思う。  学園の風紀を正すため、ひいては生徒たちのため、何より生徒会長である彼女の妹のためにも、ここはしっかりと先生に学んでもらわねばならない。 「ち……ちょっ、す、ストップー!」  ルカ先生は顔を守るように両手を広げた。少しくらい薄暗くても、顔が赤くなっているのはわかるものだ。 「どうって聞いてきたのはそっちじゃないか」 「そ、そんなに近づかなくても聞こえるってばっ」  ひきつった笑みを浮かべてずりずりと後退し距離を取ろうとする先生へ、一気に間を詰める。 「く、クロアっ」 「言葉じゃなくて行動で示した方が早いと思って」 「っこ、言葉でいい! いいからー!」 「遠慮しなくていい」 「遠慮なん――」  無意味な押し問答を、唇を塞ぐことで終了させる。  後ろに退こうとする体を腕を掴んで引き寄せ、自分も机の引き出し面に膝をぶつけた。  しばらく酸素を奪ってから唇を離す。はあ、と息を吸おうとするところに、強引に頬を寄せて唇を押しあて、開かせた襟ぐりに潜りこむように顔を突っ込む。 「ちょっ、やだっ、やめ……クロア!!」  無視してぞろりと舌を這わせると、ひぅ!と完全な悲鳴があがった。  そのまま唇を押し付けて、スーツの襟ぐりに手をかけ―― 「――……クロ、ア?」  きつく首をすくめて身構えていたルカが、そろそろと目を開け、それ以上何もされていないことに間の抜けた疑問の声をもらした。  何事もなかったかのようにあっさりとそこから顔を上げ、掴んだままの襟をぐっと内側に寄せてやる。  まだ何が起こったのか事態についていけてないらしいルカの肩に両手を置き、ぽんと叩いた。 「そういう格好であんな真似をしたら、こうされたって文句は言えないからな」 「じ……じゃあ、いまの、は」 「悪いとは思ったけど、言ったくらいじゃ聞かないだろう?」 「そ、そんなこと!」 「あるからあえてやったんだ。……怒るなら怒ってくれていい。でも、今後そういう真似は控えてくれ。頼むから」 「っ……」  ルカは唇を噛んで俯いてしまった。 「とりあえず着替えよう。制服はどこにある? 持ってきてやるから」 「……女子更衣室」  さすがにそこまでは入りこむわけにいかない。 「わかった。クローシェ様か誰かに頼むことにするよ」 「……」 「それまで、ここで待っててくれ」  少しだけ乱れた襟元をぎゅっと掴んだまま、ルカは一言も発さなかった。  教室を出ると、一応カギをかけた。基本的にカギは内側から簡単に開けられるので、逃げる気になればいつだってできる。  去り際に回収してきた眼鏡をかけると――室内と廊下との光量の違いもあるのだろうが――随分と視界がクリアになった。  逃した魚は大きい。そんな慣用句が脳裏を掠める。 (……ちょっとお灸を据えすぎたかな)  しばらく口を聞いてもらえなさそうなことにわりと気を滅入らせながら、クローシェ様か誰か知り合いの女子生徒を捜すべく走り出した。


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※攻略めも  この時点でルカたんのXX値(お好きな値をお入れ下さい)が一定値以上ある場合、制服を持って空き教室に戻るとイベント発生。  コケにされたまま引き下がれないと明後日の方向に暴走したルカたんが、さらなる誘惑授業を展開するよ!><

 仲村さん本当にありがとうございました!  正直な話、ルカたん抱えてるクロアが制服だった時点で何かを書かねばならない使命感にかられたんだぜ。よって真の主犯は仲村さん、けってーい!


2008-03-22 まあ眼鏡の他に理由はないよなJK<私服 この日を編集

_ [アニメ] 今週の00(#24)

  • 一番KYなのはリヒティかもしれないとか思った矢先の出来事
  • #1では完膚無きまでに雑魚だったコーラサワーがメガネに一矢報いるとは誰が予想しようか
  • つかアムロどこいったの?

総評:次回最終回は17:30〜、開始時間変更の罠

何ですかこの全滅フラグ。もう二期はアレですか、CBで唯一生き残ったフェルトたんが第二のスメラギさん的に新メンバーを引き連れて大活躍の流れですかこんちくしょう。

のっけからハレルヤきゅんの活躍きたー!と思ったらあっけなく戦力削がれてしょんぼりです。くそうハレソー(ガチバトル的な意味で)が見れるかと思って蝶期待したのに! 序盤で大活躍したせいか、後半になってからのアレハレの扱いってわりと適当じゃね?

ていうかヘタレ庶民とかくぎゅとかマリナ様とか、もはや地上居残り組については普通に投げっぱなしのままですかこれ。続きは映画で! でないだけマシだと思うべきなんですか水島監督。

……うう。思った以上にショックだ色々が!


2008-03-29 どうせならちゃんと箱入りの別冊付録にするべきだと思うのは私だけで以下略<かるた この日を編集

_ [アニメ] 今週の00(#25)(最終回)

総評:ツッコミどころ3つに絞るとか無理

最終回なので詳細は隠してみようとおもいます。

  • 最後にアレハレ大活躍きたー! と思ったらむしろ誰ー?!
  • せっちゃんの「狙い撃つ」に全米が泣いた
  • 中佐×少尉きたー!! と思ったらむしろアレハレ側が気になってしょうがねえー! ちょっその無駄に萌えそうなところもっと詳しく!
  • それは無理だろ……中の人的に考えて……<主役 とか素で思ったりして正直すまんかった
  • アムロに全部乗っ取られたー!
  • 最後だからか迷言大盤振る舞いの阿部君(合掌)(そして「愛?!」と復唱するせっちゃんの声の裏返りっぷりが忘れられない)
  • 最終的に全部兄貴に持って行かれて終了(カップリング的な意味で)かと思ったらここでマリナたんフラグとか誰が予想しようか

主要面子がほぼ一掃されてしまったなあ。マイスターの生存者はメガネだけなのか実はせっちゃんもなのか気になる。メガネは兄貴の所に逝けると言いながらあの不遜な笑み、4年の間にどんな心境の変化やら葛藤やらがあったんだわくてか!(実はアレ3人目説も捨てがたいけど) まあ何よりアレハレはどうなったってーかどゆことですかあれはー!! 最後にそんな爆弾抱えて終了とか勘弁しやがれー!! アレルヤきゅんが折角生きるって思えるようになってみたら実は既に絶望フラグは成立済みでしたとかどんだけー……。何故この運命を選んd(ぉ

狂気キャラに走るかと思ったヘタレ庶民が真っ当な道を進んでくれたのは嬉しかったけど、肝心のルイスたんがCB入りってことはつまり、ヘタレ庶民の小さな夢はもう叶わないってことかー! わーん!! くぎゅはいつの間にか中華に引き取られてたし、現在のマイスターの一員と見ていいんだろうなあ。そしてせっちゃんを失い(?)、シーリンからも捨てられてしまったマリナ様の明日はどっちだ。

いやも素晴らしく全てをすれ違わせてるなあ……通じ合ったのは中佐と少尉だけとかどんだけー。ってあれ、藤原さんが生きてた時点でせっちゃん生存フラグと見ていいのかしら。アムロもクローンなのか同種存在なのかわからんのを従えて観察者状態だし。うーんうーん。

でもまあそのアレだ、二期もツッコミがいがありそうで楽しみですね!←結論

ともあれスタッフの皆様お疲れ様でした! なんだかんだで半年間楽しませてもらいましたですよ。


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