2007-10-03 先日ついうっかりもえたんのかーくん×すみで何か書こうとしたのは秘密
_ [雑記] ヒロイック・エイジが大変に良かったという話
えーと何だかんだでばたばしてました。そんな中、今期一番楽しみにしてたヒロイック・エイジが大変良かったので叫びにきてみました。みんなヒロイック・エイジ面白いから見るといい!(遅)
普段あまり人に何かを勧めたりしない方なんですが(自分の好みがマイナーマイナーであることは自覚してますともええ)、この作品はカプとか無関係に普通に物語として面白いので手放しで勧めてみる。まあ確かに序盤〜中盤にさしかかるまでは(王道展開といえば聞こえはいいが)ある種予定調和じみた流れで退屈に感じるかもしれない、でもそこをぐっと我慢して見続けてもらいたい! 中盤からじわじわ面白さが増すから! 何だかんだで目を離したくなくなるから!(笑) SFモノなので聞き慣れない用語が飛び交いますがそれはそういう(風に呼ばれている)ものだと華麗にスルーするといいよ! 気になったら公式に飛べば用語解説があるよ!(ただ視聴前に全部読むと一部ネタバレがあったりなかったりするのでご利用は計画的にだ!) でもって基本はエイジと姫様の物語ですよ! 見ようによっては別な何かだって(想像の余地を残す作りになってるので)楽しめますよ!(……) キャラがしっかり立った群像劇ですよ! スペースオペラですよ! あのファフナー(をあそこまで立て直した)の冲方ですよ!!
ぜえはあ。よし、これぐらい叫んでおけば知り合いの誰か一人くらいは見てくれるかもしれないな! 見るといい! そして最終回視聴後のアレとかソレとかを私と一緒に叫んでくれるといい!(2クール作品だけどな!)(共に叫んでもらえんのいつだ)
_ [ネタ文] guiding stars(エイディア)
そんなわけで勢い余ってヒロイック・エイジ最終回後のエイディア(っぽいもの)を放置。色々と夢一杯(意訳:捏造三昧)なのはいつものとおりで(……)
プロメ・オーが用意してくれたその部屋は、外が一望できるよう設えてあった。室内は球体の内側のようになっており、入口のある壁と床以外の全てに――おそらく人類の持つものとは異なる技術によって――外の様子が映し出されている。 外宇宙の煌めく星々を視界に収め、ディアネイラはそっと息を吐いた。自然、湧き起こる感慨で胸がいっぱいになる。それは満たされすぎて苦しいぐらいで、彼女は名残惜しさにかられながら、少しずつ吐息に変えていった。 人類の英雄たるエイジとベルクロスが戻ったのち、鉄の種族の指導者となったディアネイラは、宇宙に散らばる多くの種族をまとめあげ、先に旅立っていった銀の種族に続くべく多忙な日々を送っていた。 そんな中、エイジの帰還報告および外宇宙についての情報収集等を兼ねて、先遣隊として外宇宙への第一陣を切ることになったのは自然の流れといえた。 まだかつての宇宙で、外宇宙へと旅立てる種族はそう多くはない。ディアネイラは彼らを置いて旅立つことはできなかったし、元よりそのつもりがなかった。結果、過密なスケジュールの合間を縫うようにして、ごく短期間の外宇宙処女航海となったのである。 室内にはくつろぐためのソファーがあったが、ディアネイラは部屋の中心あたりで立ったまま、外を映し出す壁面を見上げていた。 両手を上方に伸ばし、軽く目を閉じる。 (今はまだ遠い……けれど、感じます。あなたがたの存在を) 外宇宙において、未だ黄金の種族とコンタクトは取れていなかった。だがこの宇宙にいることはほぼ間違いない。プロメを初めとする銀の種族、そしてディアネイラはそう確信していた。 (いつか必ず、会いに行きます) 例えそれが、己の寿命が尽きた後だったとしても――自分の意志を継いだ者たちがきっと。 そう心の中で誓って、ディアネイラはそっと目を開けた。伸ばしていた両腕も下ろす。 できることなら、自分が会いに行ければいい。エイジが「おとうさん」と呼んでいた彼らに、ディアネイラは伝えたいことがあった。 (彼を守り、育て、わたくしたちに巡り合わせてくれたことを。……心より、感謝します) 他にも伝えるべきこと、聞きたいこと、話したいことはある。けれどまず、それを伝えたい。 実際に外宇宙に出て、彼らの存在が確かであると実感してから、ディアネイラはそれを益々強く思うようになった。 そういえばエイジはどうしているだろう。到着してからずっと別行動をとっている人物のことを思い、ディアネイラは知らず口元を緩めた。 エイジの帰還報告は主に他の4人のノドスに対してのものである。プロメ・オーの計らいにより、4人のノドスも共にこの場へ参じていた。エイジは彼らとの再会を、そしてまだ話したことのない銀の種族のノドスに会うのを楽しみにしていた。 沢山話ができただろうか。笑って、楽しんでいるだろうか。 あの笑顔が伝搬するものは、ひどく胸をいっぱいにする。誰の心にも無遠慮に浸透し、人を元気づけたり、安心させたり、勇気をもらったりする。 それに助けられたのはディアネイラだけではない。あの戦いで彼に関わった多くの者たちを、彼は自然と癒していたのだ。 (エイジ。――あなたに出会えたことが、わたくしの……) もう再びまみえることもないのだろうと――信じたくはないけれど――思っていたあの日、言いかけた言葉が蘇った。 今はもう告げる必要のない言葉。 仮に告げるとしても、そのときは別の言葉で伝えるべき感情。 何故、今になって記憶が蘇ってきたのかはわからなかった。けれど、意味はあるのだろう。意味のないことなど、この宇宙には存在しないのだから。 そしてディアネイラはあの日と同じく、続きをそっと心の奥に閉じこめた。大切に、いつかまた――別の形で――取り出せるように。 「ディアネイラ」 澄んだ声に呼ばれ、彼女は振り向いた。 今しがた思い描いていた人物が、うわあ、と小さな歓声をあげて室内を見渡していた。 ディアネイラは大切に、彼の名を呼び返す。 「エイジ。……どうしてここが?」 「アネーシャが、ディアネイラがここにいるから呼んできてほしいって」 上向かせていた首を戻し、彼女と視線を合わせると、エイジは周りを見るのを止めてディアネイラのすぐ前まで歩み寄った。そして、唐突に問う。 「どうかした?」 「え?」 何を聞かれているのかわからないディアネイラの、その額に、エイジは自分の手をぺたんとあてる。 「あの、エイジ?」 「前にアネーシャがやってた」 どうやら、熱があるかどうかを確認されているようだ。もちろん熱などない。アネーシャやプロメ・オーの気遣いもあって、体調に問題はなかった。 何故そんなことを思ったのか――何より、彼の手を外すべきか、またそのために自分から触れるのはどうか――そのことに一瞬迷って、結局ディアネイラはふわりと微笑むだけにとどめた。 「わたくしは平気です。なんともありません」 「ほんとうに?」 ディアネイラを覗き込むようにするエイジの目は、穏やかなのにどこか鋭い。 それはまるで、嘘をつけばそれが映し出されて己に跳ね返ってくる鏡のようで、彼女はゆるく表情を崩した。 彼の視線から逃げるように、一度両の目を閉じてから、ディアネイラはエイジの手に触れ、そっと離させた。 改めて視線を合わせ、ディアネイラは口を開く。 嘘を吐くことはできない――素直に、ただあるがままの心を告げるために。 「体は平気です。でも、……少しだけ、寂しかったのかもしれません」 「さびしい? どうして?」 当然の疑問に、ディアネイラは苦笑した。 「どうしてでしょう」 正直、ディアネイラは自分でもよくわかっていなかった。 ――否、理解はしていた。 けれど、決してその感情に振り回されてはならないと、気丈に己を律していた。――今はまだ、仕舞ったばかりのそれを、取り出すべきではないと感じて。 普段なら曖昧な回答をしないディアネイラの不思議な態度に、エイジはしばしきょとんとしていた。 それから、うーん、と首を傾げ――やがて何か思いついたのか、笑顔でディアネイラに向き直った。 「エイジは、あ……えっと、……ぼく、は、ここにいるよ」 「えっ」 心を見透かされたのかと、ディアネイラは思った。 次の瞬間、それは勘違いであると知れたが。 「イオラオスもアネーシャも、みんないるよ。ディアネイラのことが好きだから」 だから寂しいことなんかない。彼はそう言いたいのだろう。 それはもっともだと、ディアネイラも同意できた。 だから、心配してくれたエイジにその旨を告げるべきなのに――何故か、ディアネイラの口からは違う言葉が滑り出た。 「それは……あなたも、ですか?」
口にしてから、ディアネイラは己の口を手で押さえそうになった。律していたはずの心は、もはや取り繕うこともままならない。 エイジはほんの一瞬だけ、きょとんとした表情を見せ――
「うん、そうだよ」
返事はすぐに返ってきた。 人々を――彼女を勇気づけ、希望を与え続ける――あの笑顔と共に。
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ただエイジに「ディアネイラのことが好き」と言わせたかっただけだった! 反省はしていn(以下略) うんいやエイジにそんな明確な恋愛感情とかがそう簡単に生まれるわきゃねーとは思ってるけどうんほらさあ、「like」って和訳すると何だっけみたいなさあ……(新井様のXネタなんか知ってる人どんだけいるのかと)
本当はノドス4人とエイジの会話とかも書きたかったのですが時間切れで割愛。 ただカルユティあたりはちょっとやってみたいので、後で気力があったら追記して更新に使うかもしれない(けど予定は未定)
2007-10-08 バレバレの嘘をつく・どもる・逃げるの三拍子揃った今世紀最大のツンデレ(の鑑)を見た
_ [雑記] 満腹三昧
連休中は西方に飛んでありえない美味さを誇るケーキバイキングとか行ってきてました。お世話になった皆々様に蝶感謝。ありがとーありがとー!! 激しく楽しかったです萌え。
ところでギアスDVD全巻収納BOXの実物を見せてもらったのですが、ルルの面を見る度に訪れる途方もない違和感に終始素で吹きまくっていたのは私だけでいい。本当に何度見ても飽きることなく吹いてました。そんな私を遠い目で見やっていたり華麗にスルーしたりしていた皆様本当あのええとすいません。でもだってあの下半身とゆーか足の長さとかが!! 長さとかが!!(ばんばん) あとCLAMPが描くとゆかなは本当に魔女顔になるねえとかしみじみ思ってみたり。騎士姫は大変に純粋に萌えた……(そして面を回して姫魔女にハァハァしてさらに回して吹いていた)(かわいそうな人ですいません) あっいや自分ルル好きですよ?(存在を微塵も感じさせない説得力)
それから裏でぱちぱちして下さった方ありがとうございます……!(平伏)
_ [ネタ文] heck of a man(ルルC)
下の方にあるルルゆかなの続き……のつもりだったのに気が付いたらほとんど繋がりがなくなっていたという話(一応下にある話の後日談ではあるのですが)
時間軸は#16直前。ドラマCDとかをちゃんと聞いてないので、既に公式で語られ済みのエピだったら見なかったことにしてくださ……(……)
「中華連邦へ? 私がか?」 「そうだ。急で悪いが、だからこそおまえにしか頼めない」 手元のキーを忙しなく叩き、様々な情報が流れていくディスプレイを見つめながらそう答えると、返答までに僅かな間が空いた。 「……そうだな。今からおまえと密な連絡を取れて、なおかつ数日ここを離れてもいいような者など、私ぐらいしかいないものな」 「おまえなら多少の機転も利くだろうしな。そのへんの心配も不要だ」 また間が空いた。さっきより数秒長く。 けれど俺はそんなことには構わなかった。ただ単に、大量の情報を整理していて集中力の上がっていた頭が、周囲の状況――例えば、奴の返答する反応時間等――それすらも情報の一つとして、思考の中に送り込んできただけのこと。 別段、意識して奴の返答を待っていたわけではない。 気にしていたのは回答の是非くらいだった。もし拒絶するようなら説得しなければならないな、厄介だがどうにか納得させるほかない、と。 一応、抜擢の理由については納得したようだが――しかし、それで素直に首を振るかどうかはわからない。とかく気まぐれで一方的な女なのだ、こいつは。 視覚から入ってくる情報をまとめる傍ら、説得の言葉を構築し始めた頃、ようやく奴は答えを出した。 「わかった。いいだろう、行ってやる」 「……そうか。助かる」 不要になった言葉の羅列を霧散させながら、相手の素直さに少しひっかかりを覚える。 「だが私はパスポートなど持っていないぞ?」 「用意してある。たださすがに急だったからな、明日空港へ向かう途中で受け取る手筈だ。ついでに、変装用の服も一式準備させた」 「つまり、私は明日、空港に行くだけでいいということか?」 「そうだ。空港には俺も行く。荷物の受け取りもあるからな」 行き先は中華連邦。 そこはこの女にとって、無関係な土地ではないはずだった。 俺はそれをわかっていながら、しかし他に使者としてお膳立てできる人材が見つからず、依頼し、了承を得た。 (……ひどい男、と言われても反論はできないな) だがそれでも、目的のためには必要なことなのだ。俺と、この共犯者――両者の目的を叶えるためには。 (つまり、お互いひどい人間だということか。そう考えると、俺達は意外に釣り合いが取れているのかもな) タタン、とキーを操作し、PC上のアプリケーションを終了させる。必要な情報、連絡、これでだいたいは揃ったはずだ。 「ルルーシュ」 終了処理に入ったディスプレイから顔を上げ、声の方へと首を回す。 いつものようにベッドに座ったC.C.が、こちらへ右手を差し伸べていた。数日前の、ビルの屋上と同じように。 室内は幾分暗い。C.C.は起きていたが、部屋の明かりはほとんど落としていた。煌々と明かりを付け、毎晩徹夜していますと主張するわけにいかないからだ。(ちなみに昨日はもっと夜遅くまで点けていた。) 「……何だ」 「来い」 端的な命令だった。理由もない。 だから、こちらが従う理由もないはずだった。 「……」 それなのに何故か俺は立ち上がり、素直にベッドへと歩み寄っていた。C.C.の差し出す手の前で足を止める。 おそらく、近寄らなければ理由が聞き出せないだろうと、そう思った。 そして、聞き出したら最後、嫌でも従わざるを得ないのだろうと、そう予感していた。 ――だというのに拒否しなかったのは、何故なのか。自分にもよくわからなかった。 ただ――そう。 わからなかったから、ただ近づいただけで、その白い手を取ることはしなかった。 目が慣れつつある暗がりの中で、目を合わせていたC.C.がふっと笑う。 「明日から、おまえはこのベッドを一人で使うことができるわけだな」 「そうだな。というか、元々そのためのものなんだがな」 「寂しい発言だな。それだから童貞なん……いや、もうそうではなかったんだったな?」 「……黙れ。用件はなんだ!」 くそ、真面目な話かと思った俺が間抜けだった。 こんなしょうのないやりとりをするぐらいなら、まず明日の最終確認の通達を入れて、それから――とにかく、やることはいくらでもあるというのに! 「おまえの久方ぶりの独り寝が寂しくないよう、ネタをやろうと思ってな」 「……ネタ?」 「自分を慰めるためのネタさ」 「なっ」 口元の笑みをにやにやしたものに変えたC.C.は、差し出したままの手のひらの、指先だけをくいくいと何度か曲げてみせる。 それが「もっと近寄れ」というジェスチャーだと理解してようやく、停止しかけていた思考が再回転を始めた。 「余計なお世話だ!」 急速な再起動だったせいか、どこか空回りしている。違う、反論すべきはそうじゃない……! いっそ細くて白い手のひらを払ってしまおうかと思ったとき、すとん、とその手が落ちた。 C.C.はこれ見よがしにため息までついてみせてから、じろり、と半眼でこちらを睨んでくる。 「……明日、私は使者として向かわされるんだぞ。それも一人で。おまけに出発前夜に事後承諾みたいな形で」 つまり――不満だと、そう言いたいのか。 ただ、その不満の本当の理由は、羅列された中にはないように思えた。奴が言いたいのは、そうではなく―― (俺がひどい男だと、言いたいわけか) なるほど。合点がいった。 「少しはこちらの言うことも聞け」 再びC.C.の手が突き出される。 大仰にため息をついてみせてから、俺はその手を取った。
別に、罪滅ぼしとか、そんなつもりはない。 ただ……この女にばかり負担をかけさせるのは共犯者としてフェアじゃないと、そう思っただけだ。
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えろに続きそうですが続きません(気力が足りませんでした)(つーかこの段階じゃさしてルルは目新しいこともしなさそうだし書いてもおもんなさそうというか)(あんた) 本当はせめてちゅーぐらいはやったろーと思ってたのですがうまくまとまらなかっ……(がくり) 気力が出てきたらそこだけでもリベンジしたいであります(「えろに続け」と言われたらさらにもっと頑張れるかもしれない、とか誘い受けしてみる)(ばくしょう)
2007-10-14 とりあえずハロ持ちの三木眞がデュオポジションなのはよくわかった
_ [ネタ文] heck of a man つづき(ルルC)
誘い受けしてみたら乗ってくれた方がいらした(わわー本当ありがとうございました!)ので大いに調子に乗ってみた!
というわけで前回のルルゆかなの続き。時間軸#16直前。
「……、それで」 触れたままの手のひらから、じわりと熱が伝わってくる。 一見冷たいように思える白い――そう、例えるなら雪のような――その手は、確かに生きている人間のそれだった。冷酷非道な魔女――ひどい女、などではなく。 「どうすればいいんだ? これから」 俺はあくまで、言うことを聞け、と言われたからそうしたまでで、自分から行動を起こすつもりはまるでなかった。 よって、半歩近寄って差し出された手を取ってから数十秒間、俺は奴からの次の指示を待っていた。結果、三十秒待っても応答がなかったため、こうして先を促した次第である。 「……そうだな」 と、相手の手から力が抜けた。こちらもそれに従うと、白くて温かな手のひらは当人の膝上へゆっくりと落ちていった。 いつしか奴の表情からは不機嫌さが抜けている。だが同時に、他の感情も鳴りを潜めてしまったらしい。C.C.はこれといった表情を見せないまま、こちらを見上げて言った。 「なら、キスでもしてもらおうか」 ぐっと飲み込んだ反論と、了承の意を示す代わりに、俺は端的な質問で応えてやる。 「どこに?」 「それぐらい自分で考えろ」 つまり、どこでも構わない。但し選択した箇所により、俺の良識とかそういったものが測られることにもなる……といったところか。 奴の度肝を抜いてやりたい気持ちがないといえば嘘になる。だからといって奇抜な――変態じみた行動に出るつもりは毛頭ない。 「目を閉じろ、C.C.」 言うと、C.C.は無言で素直に従った。 両目を閉じ、ただ静かに待っているのを確認してから、俺はもう半歩、奴との距離を詰めた。 ベッドサイドに座るC.C.の膝上からもう一度白い手を取る。くい、と軽く引っ張ると、奴の体がゆるく傾いだ。 上半身を屈め、空いている片方の手で顎を支えようとして――だがあえて、奴の左肩に手を置いた。 そうして位置が固定された奴の顔に、自分のそれをそっと近づけていく。 こちらの気配を察知したのか、C.C.からごく僅かな反応があった。 (――今だ) 瞬間、俺は素早く左手を口元へと引き寄せた。指先だけをまとめて握り込んでいるその白い手の甲へ、唇を無造作に押し当てる。 きっかり一秒の後、聞こえるようにわざと音をたてて唇を離すと――そこには、ぽかんとした表情で俺を見つめるC.C.がいた。 「さて、次は何をすればいいんだ?」 呆気にとられていたらしいC.C.は、俺の声でようやく我に返ったようだった。 「……は、キスの一つも満足にできないとはな。そう簡単にチェリー脱却とはいかないようだ」 「そんなもの、おまえが勝手に期待して、アテが外れただけだろう。俺はおまえに言われたとおりにしただけだ。下らん嫌味を言われるいわれはないな」 ぎり、と音が聞こえそうなほど、強い怒気を孕んだ視線を向けられる。俺はそれを普段の涼しい顔で受け流して、次は?と質問を繰り返した。 数秒の間を置いて、答えが返ってくる。 「キス。もう一度だ」 「どこに、と聞いた方がいいか?」 「唇にだ」 からかうようなこちらの言葉を遮るように断言してきたC.C.は、どこか自棄になっているように見えなくもない。 これはなかなかいい気分だ。わざわざ、わかった、などと了解の旨を告げてしまうほどに。 正直な話、奴の言うことに素直に従うのは癪に障る。だが今は――先程のような意地の悪い真似は――これで十分だろう。一応の憂さ晴らしは成功したのだから。 だからこのあたりで、「共犯者としてフェアで」あるべく、奴の理不尽な要望に応えるべきだ。 俺はC.C.の肩、そして今度こそ顎へと手を添えて、その顔を上向かせる。かち合った視線で、微妙に睨まれた。 「……目を閉じろ」 「閉じていないとできないのか?」 「普通は閉じるものだろう」 「それは童貞の知識というものだな、ルルーシュ」 「――っ、黙っていろ」 減らず口を押さえつけるように、C.C.の唇を塞いだ。 ただし、触れるだけのそれは数秒で終わりにした。他意はない。ただ何となく、長く続ける気にならなかった。……そう、もし続けていたら――よくわからないが、深みに嵌ってしまいそうな、そんな嫌な予感がしたのだ。 唇だけを離した俺は、互いの息がかかるような距離のまま、次は、と聞く。 やがてC.C.が小さく吐いた息は、ため息のように聞こえた。……というか、そのものだったらしい。 「……まったく、手間のかかる男だ」 「だから、おまえが言うことを聞けと言っ――」 反論を言い終えることはできなかった。眼前に、両の瞳を閉じたC.C.の顔がある。 「ん、っふ……んぅ」 反射的に退こうとした体――特に首は、いつの間にか奴の腕が回っていて、がっちりと固められていた。逃げられない。 どうにか反撃を試みるも、既にやり込められた後だった。主導権は完全にあちらにあり、艶めかしい動きにされるがままだ。 息苦しさのせいか、思考が次第にぼやけていく―― 「……っは」 ようやく塞がれていた口が解放された。 未だ首の位置を固められたままで、俺はまず酸素を取り込むことに努めた。くそ、思考がまとまらない……! 「これがキスというものだ」 にやにやと、どこか満足そうな笑みを浮かべたC.C.が、勝ち誇ったように言ってくる。 「わざわざ見本を示してやったんだ、次からはちゃんとできるよな?」 「……っ」 というかまずこの腕を離したらどうなんだ。 うまい反論が思いつけず絶句する俺は、かろうじてそれだけをツッコんだ。心の中でだが。 「さて」 するり、とC.C.の腕が解けた。 強制的に固定されていた首筋を揉みほぐしながら、俺は奴に非難の目を向ける。 もちろん奴はそんな視線などおかまいなしだ。 「では寝るか。明日も早いことだしな」 さっさと布団に潜り込んだ奴は、唐突で勝手すぎる流れについていけない俺を、首だけで振り返る。 「さっきのは宿題にしておいてやる。私が戻るまでに上手くなっておけよ?」 じゃあおやすみ。 そう呟いて数秒後には、奴の寝息が耳に届いていた。
結局、反論の機会は明日の朝まで失われることとなり、時間の無さも相成って有耶無耶にさせられてしまったことは、言うまでもないだろう。
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まあうんそのとりあえず私はあほだと思った(今更)
つーか何よりもワンパターンの帝王で本当すいません。時間軸がほぼ同じなわけだからそら似たような流れにしかならざるを得ないとはいえ、もうちょっと何とかしよう私。 翌日からルルはさくらんぼの柄を口に含んで地道に頑張ってみたりしてればいいとおもいます(えー) もちろんろくに上達しないうちにそれどころじゃない(#16)というオチでひとつ。 健気に頑張ってるんだけどここ一番てとこで台無し的に崩される、わりと運のないルル萌え(酷)
さらに頑張ったバージョンも考えた(なんというゲンキン体質)のですが、さすがにここには置けないのとすぐにはできなさそうなのでひとまずこれで……。 途中で挫折することなく頑張り終わったらそっと裏に追加されてるかもしれない。たぶん忘れた頃とかに(……) まあそのあまり期待しないでやってくだされば有難く!(笑)
_ [バトン] グレンラガンバトン
ロマン・かがやくノハラーリから愛の挑戦状を受けた(何かが違う)ので受けて立とうとおもいます。
のはらさんに届け、この愛!(笑)
- ■1.あなたにとって、グレンラガンの主人公は誰ですか?
- シモン。
- ■2.あなたにとって、グレンラガンのヒロインは誰ですか?
- ニア。ヨーコたんは漢前すぎてむしろヒーローポジションというか。
- ■3.一番好きなキャラは誰ですか?
- ニア。がんばる娘っ子だいすっき。
- ■4.恋人にするなら誰ですか?
- ここは手堅くダヤッカで(えー)
- ■5.友人にするなら誰ですか?3人選んでください。
- ヨーコたんとニアとココ爺(ぉ
- ■6.一緒に仕事をするなら誰ですか?3人選んでください。
- リーロンとヴィラルとココ爺(えー)
ちゃんと仕事してくれそうな人を選んでみた。
ロシウは融通きかなさそうなのであえて外すチキンですいません(……) - ■7.一番好きな話はどれですか?
- #11「シモン、手をどけて」
シモンの復活劇と、何より「おいで!」が最強すぎた。 - ■8.一番涙した話、またはシーンはどこですか?
- #27エピローグのカミナとニアの墓のシーン。あれは色々やられすぎた。
#26の再びの兄貴も反則だったけどなー……。 - ■9.一番鳥肌が立った話、またはシーンはどこですか?
- #15のシモンVSロージェノムでの最後の逆転劇。
- ■10.一番笑い転げた話、またはシーンはどこですか?
- 温泉回。
ガイナ女キャラの総動員っぷりとか、一人冷静でいようとするロシウとか。 - ■11.我等がアニキ、カミナの一番のシーンを教えて下さい。
- 全部(ぉ どれが一番とか選ぶの無理じゃね?(笑)
- ■12.シモンの一番の名シーンを教えてください。
- たくさんある中からあえて、#22の黒ニア説得シーンを挙げてみる。
シモンはどこまで天然漢前なのかと。 - ■13.グレンラガン、といえば名乗り(口上)も欠かせないと思います、一番好きな所を教えてください。
- #11の穴掘りシモンだ!かな。つーかどんだけ#11好きなの私。
- ■14.グレンラガンの中で「ここは直して!」と感じた所をあえて教えてください。
- #4の、ここまで思いっきりカミヨーだったはずの流れがシモヨーになっていた箇所をひとつ。
まあ次の回で何事もなかったかのようにカミヨーの流れに戻ってたから、別にいいっちゃいいんですが。 - ■15.グレンラガンの続編を望みますか?
- あるなら見るけど、熱望するほどでは。
地球に戻ってから結婚式までの僅かな間(ご都合でいいから2〜3日ぐらいあってもいいと思うんだ)のシモニア新婚生活OVAとかあるなら全力で見たい。
まあそういうのは同人で誰かがやってくれるのを待つのが正しいあり方という気がしないでもないですが。 - ■16.では最後にグレンラガンに対する思いをぶつけてやってください!
- とんでもなく熱すぎたドリルアニメでした。
久々にロボットアニメを見てハラハラさせられたり泣かされたり萌え萌えさせられたよ……色々楽しかった2クールを本当にありがとうございました! - ■バトンを回す人
- 何やら愛の証明らしいのでここで
ゴールっ……。
しかし前期アニメはなかなかに豊作だったなあ。個人的には黒歴史もあったけども(遠い目)
2007-10-28 私服メガネにうっかり転びかけた(……)
_ [ゲーム][アルトネリコ] アルトネリコ2プレイ中
いやうんあのサントラCDと歌姫CDだけでいいやとか言ってたけどだって殴りたいキャラがいないようチェック入ったとか聞いたらそら買うしか! だって前作は、例のアレ以外は断然良作ゲーだったんだ……システム(主に戦闘)とか、音楽とか音楽使った演出とかは本気で最強だったんだ……だからもっと全力で好きになりたかったんだよあのゲームを!!(笑)
とまあ言い訳はさておき、現在PHASE2に入ってますが今のところまだ殴りたい衝動は湧き起こってませんですよ。何より主人公が前作と比べて格段に好印象な野郎というのが大変に素晴らしい。あと中の人たちがいい仕事してくれてて、より物語に深く入り込めるのも良いですねえ。中の人たちは偉大だ。あとわりと序盤から諏訪部が多く喋ってたのも個人的には大変満足(……) でも戦闘が前作と比べて大変に忙しい(笑) ガード(防御)が目押しで全く気が抜けないし。先日PS2版シャナで目押しに四苦八苦してた身にはだいぶ厳しいであります……。あ、それと移動時のもっさり感は今作も健在でした。
まあそんな感じで予想外に良作になって帰ってきた気がしないでもないアルトネリコ2ですが、この分なら前作のようにネタレビューとか書かずに済みそうで非常に嬉しい。しかしこれ先がものっそ長いっぽいんですけどクリアできるのいつだ……というかクローシェ様ルートもクリアしたいんですけどそれもっといつ……。
_ みわちゃん [はじめまして。 貴方の書くルルCCとても好きです。 もっと続きを書いてください。]
_ 実月 [わわーありがとうございます……!(あわあわ) 有難いやら申し訳ないやらでがったがったしてますがとりあえず調子に乗って..]