2008-05-11 頼むからもうクローシェ様の調合会話みたいなこと言わせないで欲しいわぁ>ガストちゃん
_ [アルトネリコ] らじおねりこ第2回
ぶっちゃけて書いたら無駄に長くなったので隠しておきます。
前回に比べたらキャラが設定をなぞってる感はあるし、テクニカるのもわかりやすかったしオチもついてたし面白かったと思います前回に比べたら。あとは土屋氏がひたすら楽しそうだったなっていう。土屋氏のお相手がみゆきちではなく前回に引き続き小清水さんだったのも、当人がプレイ済みなこともあってかわりかし盛り上がってたので、これはこれで良かったんじゃないかと思ってみる。てかマジで小清水さんはいい人。あまりにもいい人すぎる(ホロリ)
でもだがしかし、これをWebラジオという媒体で、つまり中の人を呼んで音声で伝えることにどれだけ意味があったんだろうかと考えると、いや別にWebサイトor誌面の文字情報でもよくね? って結論しか出てこないのが切ないなあ。まあ今回のテクニカる部分は音声媒体ならではって作りではあったけど、「わかりやすさ」を第一で考えるなら「文字情報+図面」最強だよねっていう。
次があったらクロアを呼ぼうってネタ振りがあったけど、次回以降もキャラのスタンスが楽屋裏キャラのままなら正直呼ぶ必要ないと思うな。トウコウでのクロアのツッコミは華麗にスルーされるためだけにあるんだし、中の人を呼んでまで成立しない会話のキャッチボールさせて何が楽しいんだ。ええもう、キャラ自身が「設定資料集に〜」とか言い出すのは正直萎える派ですが何か? 但し、番組内で本編準拠の「短編ラジオドラマ」のコーナーが入っていて、その内容について楽屋裏発言するのはOK派でもありますが何か?
まあこれ前回の時も言った気がするけど、そもそも本編から逸脱気味なキャラのために中の人を呼んで演技させる意味はどこにって話ですよ。それってアレだよね、ひぐらしで言う「お疲れ様会」だけを単発ディスクで出して、そのためだけに中の人を呼んだようなもんだよね(ああいやごめん、誤解を招くかもしれないので言っておくと、形式が似ているということを言いたかっただけであって、内容の質的レベルについては考慮に入れてない発言です) まあガストちゃん的にはファンサービスのつもりなのかもしれないけど、正直「内輪ウケ」という印象しか感じなかったんだぜ。え? 本編キャラの声や演技聞きたいならゲーム起動するかドラマCD買え? ごもっともですね、ドラマCDの脚本がもう少し違ってたらこんな思いもしなくて済んだのかなうふふあはは!
子ルカたんのサラシの謎が判明したのは有難いと言えば有難い。ただエロシチュ導入ネタとしては使えそうだけど他に使いどころが見当たらないのが困りものなんだぜ。あ、アテクシの脳髄が膿んでるせいだってツッコミはさっき自分で100回ぐらいやっておいたんでええその正直すまんかった。
もし本当に次があって遊佐クロアを呼ぶんであれば、今度こそ中の人同士による素のトークが聞きたいなあ。中の人だって立派なキャラを作った一因なんだから、演じてみてどう思ったとか、演じてる側から見てこのキャラはどう思ったとか、遊佐的にはルカとクローシェどっちがいいかとリアルに問い詰められるとか、そういうありがちだけどハズしのない話題を散りばめた内容で頼みたいよ。小清水さんはちゃんとプレイもしてくれてるようだし、「(未プレイゆえに)よくわからず答えようがない」っていうトークの失速は回避してくれると思うんだよ。他にも歌姫×中の人対談とか歌姫集合会議とかとか、ちょっと考えればなんぼでも楽しいWebラジオにできそうなのにな。え、中の人召喚用の予算問題? そんなの、ファンブック制作用の予算回したらいんじゃね?(真顔)
ガストちゃんにはもうちょっと予算の使い方から考え直して頑張って欲しいです。言われるうちが花、とかこっちから言ったらダメだよなと思いつつ言わずにいられないのは何でだぜ!(血涙)
_ [ネタ文] ねこねこ以下略(ロアルカ)
某所の猫が大変素晴らしい猫だったのでついカッとなって以下略。内容が無いよう内容なのと、わりと大幅かつ適当に捏造したので、深く考えない方が吉です。
読み終えた本を閉じて、膝上を見やる。 膝枕ですやすやと眠る少女。その頭には髪の中――というか頭から生えた動物の耳。それが時折ぴくぴくと動くのは、しばらく見ていても飽きがこない。 本を横に置いて、そっと手を伸ばす。 指先だけで頭を撫でて、艶やかな黒色の毛並みを生やした耳を軽く触った。 もぞ、と頭が動いたので、そこで手の動きを止める。 名残惜しさに、耳の先を摘むようにしてみると、そこだけがひんやりとしていた。健康な証拠だ。満足して手を離した。
少女はルカである。 よくわからない薬を飲んだら耳と尻尾を生やして「にゃー」ぐらいしか喋れなくなった――まあ簡単に言うと猫化してしまっただけの、それ以外は何の変哲もない俺の幼馴染みで恋人だったりするルカである。 猫化したいきさつは正直こちらでも把握しきれていない。ただ、「そのうち元に戻るだろう(から可愛がってあげなさいよ)」というこれでもかと無責任なことを聞かされただけだ。 一応、さすがにこんな状態になった御子を人前に出すわけにはいかないので、病で伏せっていることしてある。 可愛いもの好きの琴線をガツンと刺激されたらしいクローシェ様が治るまで面倒を見ると言い出したが、今や御子抜きでは世界は回らなくなっている。クローシェ様は泣く泣く諦めた挙句、俺へ猫ルカの護衛(と情報漏洩の回避)を厳命した。 何せ、猫化したルカはやたらと人懐っこく、気心知れた相手には当然のように擦り寄るわ飛びつくわの騒ぎなのだ。俺としてもアマリエに擦り寄ったついでに隊長に猫パンチをお見舞いする、なんて光景は見たくはない。胃痛的な意味で。 ――というわけでかれこれ三日ほど、宮殿内の一室で二人で過ごしている。事実上の軟禁状態だ。 噂はどこから広がるかわからないので、世話役の女官も全て遠ざけてある。食事は決まった時間にドアの外に置かれるのを受け取り、後で食器だけ戻しておく。必要なものがあったらその時メモを添えておくという形式だ。「きなこあげパン」はもう七回ぐらい書いた気がする。 ちなみにここはVIP用の客室らしく、風呂やトイレは室内付きだ。 とはいえ、ルカの風呂はクローシェ様やアマリエが御子用の大浴場に入れているので、「定期的に」風呂を使わせてもらっているのは俺だけだ。それと、ルカのトイレについては想像にお任せする。
さて。 朝食の時に持ってきてもらった本は読み終えてしまったし、どうしたものかな。 書類を持ち込むとルカがぐしゃぐしゃにしてしまうので、仕事をするのは諦めている。 猫化したとはいえ、書類がおもしろくないものだということはルカにもわかるらしい。 そして、人ならば理性で抑えられているものが、今のルカにはない。 印象や感覚として「嫌なもの」と認識したが最後、ばし、と手で払ったり、口でくわえてベッドの下に持っていったりしてしまうのだ。 基本的に猫ルカは四つん這いで移動している。二足歩行は支えてやればなんとかできるが、当人はあまり好きではないらしく、すぐに嫌がって暴れるのでお勧めできない。 手指も曲げられるものの、自発的に物を掴んだりはしない。初日に試したところ、指を開かせて握らせることはできた。まあ、上から押さえていないとすぐに離してしまうのでまるで意味がなかったが。 「……んむ」 ルカがもそもそと動いた。 起きたかと思って見下ろすと、枕代わりにしているこちらの組んだ足の中へ、もぞもぞと頭を突っ込もうとしているところだった。 「って、いやこら待てルカっ」 「……ぅにゃ」 慌てて声をかけると、寝惚けたまま頭の置き場を定めたらしい。言葉になってない何かを発して、再びすーすーと寝息を立て始めた。 「まったく、勘弁してくれ……」 ……いや、まあその、この三日間何もしなかったわけじゃ断じてないんだが。 ここは宮殿内でも端の部屋な上、人払いもしてあるし。 軟禁中の外の状況も知っておきたかったので各人のスケジュールももらっているし、タイミングを計るのに容易にも程があるというか。 だいたい、こっちは恋人と朝から晩まで二人っきりなのだ。 これが普段通りのルカならまだいい。 でも相手は猫化して本能最優先のルカなのだ。隙あらば構ってくれと擦り寄ってくるわ飛びついて押し倒されるわ――事に及んでも、嫌がるどころか。 (…………) まあその……アレだ、ビバ本能。 何気なく壁の時計を見やれば、思ったよりも時間が経っていた。 昼食が終わって少ししてルカが昼寝を始め、今のうちにと部屋の片付けやら風呂掃除やらを済ませ、一息つけていたら起き出したルカがやってきたかと思ったら膝枕を陣取って再び寝入ってしまい、そこから読書を始めて読破に至ったわけだから――まあ、当然と言えば当然か。あと半時もすれば夕食が届くだろう。 と、そこで思い出した。 (そういえば、おやつ用で持ってきてもらったんだった) 昼食と共に届けてもらった、テーブルの上の蓋を被った皿。蓋を取ると、そこにはルカの好物が鎮座している。きなこあげパンだ。 手に取るとまだ柔らかい。夜食にすると固くなって不味くなりそうだから、今のうちに食べさせておこう。夕食が近いが、ルカにとってあげパンは別腹らしいので気にしないことにした。 すやすやと眠っているルカに、そろそろとあげパンを近づけていく。 「……」 ぴくり。耳が動いた。 続いて、ふんふん、と鼻も動く。 さらにルカの鼻先へ近づけると、突然ぱちり、と目が開いた。視線はもちろんあげパンを凝視。 僅かに横へずらすと、機械的な動作でそれを追う。 「……」 手は出してこない。ただじっと、獲物だけを見つめ続けている。 ゆっくりとあげパンを遠ざけてみた。 一定の距離が開いたところで、ルカは頭を上げた。 さらに開いたところで半身を起こす。 そこで移動速度を落としてやると、音もなく床に手をついて、空中のあげパンを狙う姿勢に入った。 「ルカ」 名前を呼んでも応じない。 「欲しいか?」 「……」 ぴくぴく、と耳が動いた。まあ、欲しいのは見なくたってわかるけどな。 「ほら、ルカ落ち着けって」 このまま続けるとルカがあげパン(を持った俺の手)に飛びかかったり噛み付いたりするので(二日前に経験済み)、上体を低くしているルカを片腕で引き寄せ、こちらの胸に寄りかからせるようにする。 それでもルカの視線はあげパン一直線だ。 移動する俺の右手(あげパン所持)につられて尻をずるずると滑らせて、結局腹のあたりに頭を置く感じで落ち着いた。 「ルカ。欲しいか?」 「……」 何度聞いたところで、今のルカはあげパンに夢中で――多分あげパン以外は目に入ってないんだろう。 こういうところは、理性レス本能オンリーの難点だ。まあ仕方ない。 「ルカ。あーん」 あげパンを近づけながらそう言うと、真剣な顔で口を引き結んでいたルカが、素直に口を開けた。目に見えて尖った犬歯が覗く。あれに噛まれるとかなり痛い。普通に出血した時にはわりとびっくりした。 やがて、あげパンがルカの攻撃範囲に入ったらしい。 ルカはわずかな予動と共に、がぶりとあげパンにかぶりついた。 猫状態のルカには手で物を支えるという頭がなく、手を離すとあげパンが落ちてしまうので、残り三分の一ぐらいになるまでは支えておいてやる必要がある。 「……美味しいか?」 「……」 ルカは答えない。 というか、口いっぱいに頬張っているので答えるのは無理だろう。 その様は一言で表現しろというなら、「必死だ」とするより他にない。 ――そう、一心不乱に、ルカはあげパンを口に咥えてもごもごと口を動かして、 (……いや、深く考えるのはよそう) そんなルカの様子からなんとなく目を逸らしつつ、そういえば二日ぐらい前にも同じことを思ったんだったと記憶を漁りかけて、
(……………………)
結局、深く考える前に行動に出ていた。
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ムッツリがエロゲ(主人公)脳なのは(私の文章的な)仕様です(最低だ)
ちなみに猫ルカさんには人間時の記憶も知識もしっかり残ってるよ! ただ知能が猫レベルになってるが故に発露しないってだけで! まあ何が言いたいかっていうと元に戻っても全部覚えてるよって話ー!
ともあれ大いなる萌えをありがとうございました!>仲村さん
2008-05-19 世界はどうしてこんなにもムッツリに優しくできているのだろう(えー)
_ [ネタ文] ぬこ☆ぬこ☆迷走曲(ロアルカ)
むしゃくしゃしてやった。というわけで猫ルカさんその2。クロアがやたらめったら壊れまくってるのは仕様です。
「う……」 寝苦しさというか息苦しさというかのし掛かる重さに耐えかねて、淀んだ意識を強引に跳ね上げた。 意識が現実へと還り――夢から覚めてもなお続く重みの原因に目をやる。 「……って」 仰向けに寝ていた自分の胸の上に何かが乗っていた。 大雑把に形容するならば、丸くて黒くて温かい毛の塊、のようなもの。 己の顔と、長めの尻尾を巻き込むようにして体を丸めているそれは、紛れもなく猫だ。それも、中身――というかむしろ正体?――は何故かルカであったりする猫だ。 ルカが何故猫なんだという経緯については各人の想像に委ねさせていただきたい。 まあ簡潔に言うならば、先日は猫人間っぽいものになっていたルカが、今回は何をどう間違ったのか完全な猫になってしまっていてやはりそのうち元に戻るから以下略とかそんな調子だ。察してくれ。 俺はもっと寡黙でありながら常識的なツッコミを入れることを忘れない作品の良心みたいな存在だった気がするんだが、いつからこんなカオスな展開すらも受け入れるようになってしまったんだろうな……やはりアレか、隔週頒布の公式同人誌的なポータルサイトと見せかけた公式サーバに置かれた中の人が管理人の一ファンサイトみたいな何かの影響だろうか。そも同人だろうとファンサイトだろうと公式が発信した時点でそれは正史になりかねない近似値的なものではないんだろうか……とか段々自分でも何を言ってるのかわからなくなってきたな。 とにかく、現状ルカは猫になってしまっていて、例によって二人(いや、正確には一人と一匹か)で軟禁生活真っ最中というわけだ。 今回は完全に猫になっているので事情を知らない者に見られても平気なのだが、前回よりも猫本能に忠実すぎるルカ猫が脱走でもして一般人に拾われたりしたら――という危惧に基づいての軟禁である。 一応、猫用のおもちゃが大量に導入されたおかげでルカ猫は室内暮らしに満足しているらしく、今のところ脱走する気配はない。このまま何事もなく、できれば明日にでも元に戻ってもらいたいところだ。 (……しかし、どうしたものかな) 胸の上に居座っているルカ猫は規則的に脇腹の辺りを上下させていて、ぐっすりと眠り込んでいることは明白だ。 移動させようにも触っただけで起こしてしまいそうだし、こうも気持ちよく眠っているのを邪魔するのは気が引ける。 しかしこのままでは息苦しくてこっちが眠れない。夜のうちにしっかりと睡眠を取っておかないと、昼間やたらと元気いっぱいのルカの相手が務まらないのだ。 おまけに、ルカの相手をせず昼寝でもしようものなら、頭の回りをうろうろされつつにゃーにゃー鳴きまくったり、猫パンチ(時々爪出しっぱなし)を繰り出してきたり、ざらざらした舌で舐めまくられたりとまともに寝かせてもらえなかったりするわけで。 (……ごめん、ルカ) そろそろと手を伸ばして、ルカを抱き上げた。 案の定、ルカの目が眠そうに開く。暗闇で光る両目がこちらを見た。 「起こしてごめんな」 もぞもぞと体をよじり始めるルカを枕元に下ろして、毛布を持ち上げた。 「ルカ、こっち」 自分の隣をぽんぽん、と叩く。寝相は悪くない方なので、隣に寝ているのを寝返りで潰してしまうことはないはずだ。 ルカはしばらく毛布の中を眺めていたが、やがてその毛布の上へと飛び乗った。 「こら、ルカっ」 ルカは横向きのこちらの体へ登ろうとしている。どうやら先程の胸の上が気に入ったらしい。 「頼むから、それはよしてくれ」 再びルカを抱き上げて、今度は毛布の中で手を離した。 そして、出て行こうとするルカの頭を押さえつけるようにして、何度も撫でる。ついでに喉元も撫で回すのも忘れない。 「ほら、こっちの方があったかいし。な?」 ごろごろと喉を鳴らしながら、ルカはしばらく毛布から出ようとしていたが、やがて諦めたのかその場に足を崩した。 ……顔は少し不機嫌そうだ。 「よし、いい子だ」 さらに頭を撫でつけてやると、頭を伏せ始めたので喉を撫でるのを止めた。 指先に触れる毛並みは心地良く、このままずっと撫でていたい気分になる。が、ルカの目がそっと閉じられたので、一分ほど続けてから打ち切った。 「……」 ルカは眠ってしまったようだ。 (……俺も寝直そう) あまり衝撃が伝わらないよう体の位置を調整しつつ――指先だけで、そっとルカの頭に触れる。 ぴくぴく、と耳が動いたがそれっきり、ルカは無反応だった。 (これなら……平気、かな) 体を僅かに起こし、ゆっくりとルカの上に覆い被さる。 左足の上へ顎を乗せて寝に入っているルカの頭に、軽く唇を触れさせ、素早く離れる。 「……おやすみ、ルカ」 ルカが目覚めないことを確認してから小さく呟くと、こちらも改めて体を横たえた。
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――これは夢に違いない。
そう思っていた時期が俺にもありましたというか今まさにその最中だ。いや本当できることならどうか夢であって欲しい。 だが距離にして十cm強の眼前で穏やかにすうすう呼吸しているのはどう見ても人型をした女性で、あまつさえその顔は幼馴染みの少女に酷似していた、っていうかそのものにも程があった。 つまるところルカはめでたく元に戻ってくれたということなんだが――とりあえず主人公だけど空気にも為れる口数の少なさが醸し出すクールさがウリ(だったはず)の俺が、半ば現実逃避気味に混乱中なことはわかってもらえたと思う。 別に、異性の幼馴染みとの同衾に心ときめかせているわけじゃない。 そんなものは幼少の頃から幾度となく繰り返されてきたことだし、まあ今となってはさすがに何もせず健やかに眠りこけるにはそれなりに努力と忍耐を必要としないでもないが、まあとにかくそう取り立てて騒ぐものでもない。 では何に騒ぐ――というか騒ごうにも騒げなくなっているかというと。 「……」 ルカは肌色をしていた。 いや肌の色が白っぽい黒っぽいとかいうレベルでなく、いつも着ている鮮やかな色彩も、寝巻き時の質素な色合いも存在せず、ただただ肌色しかなかった。 (まあ、当然といえば当然の帰結ではあるんだが……) 完全な猫と化したルカを軟禁状態に置いた理由も、そこに起因している。 まあつまり。 猫は服を着ないし、それは猫になっていたルカも同様ということに他ならず。 「……」 シーツと腕の隙間からちらりと赤みがかったというかピンクっぽい何かが見えそうで見えない。 おかげでさっきから、相手が目を覚まさないのをいいことに一点集中型熱視線を送らざるを得なくなっていることは理解してもらいたい。 これは不可抗力だ。毎度毎度枯れてると言われ続けている俺にだって、それなりに不健全な思考も欲望も存在してるんだと、今ならば胸を張って言えそうだ。……声を大にして言うことでは断じてないが。 「……ん」 内心、ぎくりと心臓が跳ねる中――胡桃色の大きな瞳がゆっくりと開かれた。 ルカはどこかぼんやりとした風にこちらを見ていて、己の状態には一切気付いていないんだろう。 目を覚ます前にベッドから出ておくべきだった、という遅すぎる後悔。 どうすればこの場を出来る限り穏やかに乗り切ることができるのか、というこの後の一挙手一投足。 その二つをぐるぐると脳裏に巡らせていると、 「にゃー」 満面の笑みを浮かべたルカが、わりと棒読みっぽく鳴いた。 「……」 「にゃ?」 シーツに伏せていた頭を持ち上げたルカ(人間形態)に、軽く小首などを傾げられてしまった。ああいやそのルカ、もう少し……いや、起き上がらなくていい、惜しい気がするけど今はいい。 微妙に固まったままのこちらを不審がったのか、ルカがさらに体を起こそうとする。ので、慌てて口を開いた。 「る、ルカ、その……」 ルカは動きを止めてくれたが、きょとん、とした瞳が瞬きもせずこちらを凝視している。まだ猫の感覚が抜けてないということだろうか、これは。 「……おはよう」 視線に耐えきれず、とりあえず無難な言葉を返してみる。 するとルカの顔が再び笑みの形に変化して、 「にゃー、クロア大好きっ」 言い終えた瞬間、今度はルカの方が石化した。 「……」 「……」 「…………」 「……………………」 千里の道より長く、石より重い沈黙の後に。 「ばかー!!」 ルカは顔を真っ赤にして爆発した。
「その……本当にごめん、ルカ。とりあえず話をしよう、なっ?」 「やだっ絶対やだ!」 ドア越しに呼び掛けるも拒絶の一点張り。 爆発した勢いで部屋から追い出されてしまい、部屋に籠城中のルカはどこまでも頑なだった。 やがてクローシェ様たちがやってきてどうにか事態は収拾したが、ルカはしばらく俺と顔も合わせてくれなかったことは言うまでもない。
……全く。 完全廃棄されたはずの、先日の騒動の元になった薬(猫深化レベル1用、一回分)――何故か俺の手の中にあるそれを使う日は、そう遠くないのかもしれない。
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むしゃくしゃしてヤマもオチもイミもない前半だけ書いてみたら、ネタ元の中の人が萌える後半の流れを言い出したのでさらに続けて書いてみた! そしたら妙にしょっぱくなってしまっ……(がくり) 正直すまんかった(土下座) 本当はラストに、
>(私が追い出したのにクロアにごめんとか言わせてでも顔あわせられないしああああ)って恥ずかしさと自己嫌悪で頭抱えているルカたん
がいたりしたんですが人称の関係で入らなかったこと、そして微妙なオチにすり替わってしまったことを深くお詫びいたします。
いやあ大変な萌えをありがとうございましたいいぞもっとや(以下略)
_ ロマン [そこでねこねこを持ってくるお前のセンスに惚れる。 そろそろお年がばれるネタですよーゆかなかさーん、笑。]
_ 実月 [えっあれっ、ねこ言うたらねこねこ違うの?! 普通にそれしか出てこなかった私はどうしたら! ていうかそんなツッコミして..]