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日々是ダメ人間/雑記

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2010-01-03 情報が公開される度にいいから大人しくエロゲで出せよと思うのは私だけでいい この日を編集

_ [雑記] あけおめことよろ

秋田箱とミラトレ最終話に踊らされて冬祭りを乗り切ったら年が明けてました。あけましておめでとうございます。昨年はわりかし潜伏してばかりでしたが、こげな辺境の地へ訪れてくださった皆様ありがとうございました。今年もちょくちょく潜伏せざるを得ない感じではありますが、ついカッとなればまたほいほい出没すると思うので、その際は生暖かい目を向けてやっていただければ幸いです。

えーと年始のご挨拶の後にするのもアレですが、冬祭りでお世話になった皆々様本当にありがとうございました……!! おかげさまで3日間楽しかったですっていうか申し訳ないぐらいに各日各方面に世話になりまくったので申し訳なさの方が先に立ったり立たなかったりしつつまた懲りずによろしくしてやって下されば幸いです土下座ー!

それにしてもミラトレがですね。ミラクル☆トレインがですね!!(言い直した) いや最初は完全ネタアニメとして見ていたはずがまさかの化けっぷりですよ1話からずっとあかりたん目当てで見てきた私は勝ち組だと信じて疑わない(えー) 最終話を見てから冬祭りに参戦したおかげで、冬祭り中の脳内の七割ぐらいはあかりたんかわいいで占められていたり、年越し~元旦辺りの私のtwitterが死ぬほどかわいそうな事になっていたりしたが後悔も反省もしていない! あかりたんかわいいいいいいいいいいいいいい。皆ミラトレ見たらいいよ! 確かに序盤は超シュールギャグすぎてネタアニメ以外の何物でもないけれどもとりあえず我慢して7話まで見てくれ!!(長いな)(まずは各キャラの当番回消化だから仕方がない) 7話からがミラトレの本番だと思っている。あかりたんかわいいいいいいいいいいいいいい(すいませんただの口癖です)

まあそんな感じで今年も全力で脳髄が膿んでいます! よろしくお願いいたします!(嫌)

_ [ネタ文] unconscious wit(六あか)

ミラトレアニメその後のあかりたんと六本木さんを全力で捏造気味に妄想。


「あれっ、あかりちゃんだ!」  開いた扉をくぐると、そんな声に迎えられる。  目をやった先には表情を輝かせた汐留くんがいた。座っていたシートから立ち上がり、ぱたぱたと駆け寄ってくる。 「こんばんは、汐留さん。皆さんも、こんばんはー」  名前を呼ばれた彼女は、汐留くんと車内の皆へ笑顔で挨拶した。その後ろで扉が閉まり、ミラクル☆トレインは何事もなかったかのように走行を開始する。  このミラクル☆トレインに乗車できるのは、悩みを持った女性(時折例外あり)のみ。けれど、自分と一緒に乗車してきた彼女はそうではない。  彼女――あかりちゃんはこの電車のガイドをしていた、かつての乗客だ。ただし彼女は悩みを持って乗車したのではなく、ある複雑な事情で乗車することになってしまったのだけれど――その辺りは話すと長くなるので置いておこう。  とにかく、彼女はミラクル☆トレインに乗車し、そして降車していった。ミラクル☆トレインの性質上、降車したお客さんが再び乗車してくることはほとんどないと言っていい。  けれどこうして、彼女は再び乗車している。しかも、これといった悩みも持たないまま。  おまけに、彼女の乗車は自分と一緒に乗り込むことで成立するらしかった。一人では何度やってもミラクル☆トレインには乗れなかった――遭えなかったと彼女は言う。  どうして乗車することができるのか、どうして自分と一緒でないと無理なのか。詳しい理由はわからない。  ただ全ての謎は、「まあ、特例ということで」という車掌さんの一言で片付けられてしまったのだけれど。 「あかりちゃん、今日はどうしたの?」  空いているシートにあかりちゃんを案内した汐留くんは、彼女の向かいのシートに座った。彼の両隣には両国くんと月島さんがくつろいでいる。 「さっき偶然六本木さんと会ったもので。皆さん元気にしてるかなーって思いまして、お邪魔しちゃいました」 「あ、そっか。お客さんを送っていったところだったもんね、六本木さん」 「へえ、そうだったんですか。今回は……えっと、今回も大変だったんですか?」 「まあな。といっても、今回は俺の出番はほとんどなかったが」  扉の手すりに寄りかかっていた新宿さんが軽く肩を竦めている。 「言われてみれば俺もだな。今日のお客さんは六本木の土壇場だったからなあ」 「そうですね。私達ではなかなか気付けないところでしたし」 「だねー。僕もIT系はわからないわけじゃないけど、システムがどうとかバイナリがどうとか、六本木さんみたいに専門的なことまではわかんないし」 「こら汐留」  声に振り向くと、後続車両に続く扉から都庁さんが入ってきたところだった。 「お客様の個人情報を守るのも我々の勤めだ。不用意にお客様のことを口にするんじゃない」 「あっ、そっか……あかりちゃんはもうガイドじゃないんだった……。ごめんあかりちゃん、今の聞かなかったことにしてもらえるかな」 「もちろん、いいですよ。私は何も聞きませんでしたー!」  おどけて言う彼女に、車内には和やかな雰囲気が広がった。しょんぼり気味の汐留くんの表情も、安心したような笑みに変わる。  と、すぐ横から視線を感じた。  何?と目で聞くと、あかりちゃんはふわりと微笑んで、 「お疲れ様でした、六本木さん」 「ありがとう、あかりちゃん」  そうして二人で微笑み合う。  姿は大きくなっても、あかりちゃんはあかりちゃんだった。明るくて元気で、他者を思いやれる優しさを持つ、頑張り屋さんでとても強い女の子。 「むー……お客さん以外のことかあ……さっきの六本木さんが凄かったから話したかったんだけど」 「確かに凄かったな。つーか、あれぐらいなら問題ないんじゃないか? なあリーダー」 「まあ、そうだな。六本木の事にのみ絞るのであれば許可しなくもないが」 「本当!?」  汐留くんは興奮気味にあかりちゃんを呼ぶ。と、目の端で手すりに寄りかかっていた新宿さんが体を起こしたのが見えた。 「聞いてよあかりちゃん、さっきの六本木さん、ほんっと凄かったんだ!」 「へえ、どんな風にです?」 「それがね、こうお客さんを引き寄せて――」 「汐留」  ぐえっ、という小さな悲鳴と共に汐留くんの頭が押し下げられる。  彼の頭に乗った容赦のない手は、いつの間にかやってきていた新宿さんのものだ。  何するのさここからがいいところなのに、とじたじた暴れる汐留くんを易々と押さえ込んだ新宿さんの声は、普段より僅かに低く聞こえた。 「そこまでにしとけ。個人情報っていうなら、人の姿を取ってる俺達にもあって然るべきだろ」 「まあ、確かに」  月島さんは何事もなかったかのように同意すると、居住まいを正してあかりちゃんを見つめた。 「そういうわけですので、あかりさん。申し訳ありませんが、こちらも聞かなかったことにしていただけませんか」 「はい、いいですよ」  気にした風もなく了解したあかりちゃんは、一瞬だけその笑みを曇らせた。――ように、見えた。 (……?)  それは本当に一瞬のことで、見間違いだったのかもしれなかった。けれど、とても気になる。  今もあかりちゃんは笑顔で――突然、シートから立ち上がった。 「それじゃ私、そろそろ失礼しますね」 「え! もう帰っちゃうの!?」  新宿さんの魔手からようやく解放されたらしい汐留くんが、ガッカリした声をあげている。 「はい、皆さんのお元気そうな顔も見れましたし。それに実は、これから寄るところがあって……って、時間は止まってるんでしたよね、ここ」  そう呟いたあかりちゃんは一度目を伏せたものの、またすぐに笑顔を見せた。 「でも、……やっぱり早めに済ませておきたいんで、今日のところは帰ります」 「そうか、わかった。では車掌に停車するよう頼んで来よう。……六本木に戻ればいいか?」 「あっ、いえその、寄るところって言ってもただのお買い物なので。とりあえず一番近い駅でいいです」  車掌室へ向かおうとする都庁さんに、あかりちゃんはどこか取り繕うように言った。


「それでは皆さん、失礼します」  開いた扉の前でぺこりとお辞儀をしたあかりちゃんは、やはり笑顔のまま降車していった。  先ほど見た――見間違いかもしれない――彼女の表情がずっと気になっていた。このまま送り出してしまっていいのだろうか。  声をかけるタイミングを逸し、ただ挙げることしかできなかった手を伸ばすべきか迷って、 「ぅわっ!?」  突然、後ろから衝撃が来た。つんのめりそうになり、ホーム上でたたらを踏む。  何事かと後ろを振り返ると、閉まった扉の向こうで新宿さんが意味ありげな視線を送ってきていた。  つまり、自分の背中を押したのは彼なのだろうが――その真意を確認する間もなく、ミラクル☆トレインは走り去った。 「……」  慌てて周囲を見回す。  雑踏の中に消えかける栗色の髪を見つけ、その後を追う。 「――あかりちゃん!」  改札を抜けた先で追いついて名前を呼ぶと、彼女は驚いたように振り返った。 「六本木さん?」  立ち止まった彼女は、人の流れの邪魔になると気付いたのか慌てて壁際に寄った。自分もそれに倣う。 「どうしたんです? あっ、私何か忘れ物とかしちゃいました?」 「いや、そうじゃなくて」 「はあ」  ぱたぱたとポケットやらバッグの中やらを探り始めていたあかりちゃんは、困惑した風にこちらを見上げてくる。 (……ええと)  あかりちゃんの様子が気になっていたのは確かだけれど、でも何か確証があってのことじゃない。  それに、何となくだけれど――何かあったのかと聞いたところで、何もないと返されるだけな気がしていた。 「……買い物」 「え?」 「荷物とか多くなるなら、手伝おうかって思って」 「あ、えっと……その、お気持ちはとても有難いんですけど」  あかりちゃんはとても言いにくそうに、しかも頬を赤らめながら、ぼそぼそと続けた。 「し……下着とかを、見ようかなと、思ってまして」 「あっ、そ、そうなんだ。……ごめん」 「い、いいえ! こちらこそあの、気を遣ってもらっちゃって、すみません」  とても気まずい空気が流れる。  気が付けば改札から出てくる人もまばらになり、壁際で立ち止まっている必要もなくなっている。 「あかりちゃん。良かったら、お店まで送らせてもらってもいいかな。もう少し、話もしたいし」 「あ……はい。じゃあ、お願いしちゃいますね。私も、六本木さんとお話したいですし」  そう言ったあかりちゃんの笑顔は、とても自然なものに思えた。  だから、さっきのは見間違いであるといい――そう思いながら二人で出口へと向かった。  階段を登り、地上へ出る。  吐く息はすっかり白く、街の中は幻想的なイルミネーションで彩られている。  ガイドでなくなった彼女と再会してもうすぐ一年が経とうとしているのだから、当然ではあるけれど。 「少し冷えるね」 「ですね。って、六本木さんはそんな格好してたら当たり前ですよ。寒くないんですか?」 「まあ、少しは」 「そういえば、皆さん制服を色々とアレンジされてますけど、六本木さんだけ上着がないですよね。上着はどうしちゃったんですか?」 「ちゃんと仕舞ってあるよ」 「冬の間ぐらい着てもいいんじゃないですか?」 「うーん。駅の中にいる分には寒くないし、それに階段を上り下りしてると暑いぐらいだし。あと、やっぱりこの方が動きやすいから」 「そうですかあ。まあ、その方が六本木さんらしいと言えば六本木さんらしいかも」  あはは、と笑ったあかりちゃんは、合わせた両手に息を吹きかけている。 「あかりちゃん」 「何ですか? ……えっ」  彼女の手を取ると、思っていた以上に冷たかった。細い指先ごと包み込むように、ぎゅっと握る。 「あの、六本木さん」 「しばらくこうしていよう。あ、さすがに両手は歩きにくいかな」  仕方なく彼女の右手を離して、改めて左手だけを握る。 「僕もこうしてると温かいし」  そう告げると、あかりちゃんは安心したように微笑んだ。 「そうですね。じゃあ、お願いします……あ」  歩き出してすぐ、あかりちゃんは片手でバッグの中を探り始めた。  目当ての物を見つけたようで、はいっ、と取り出したものを掲げてみせる。 「六本木さん、片方どうぞ。えーっと……あ、こっちが左です」  差し出されたそれを受け取る。  一瞬躊躇したものの、このままではどうにもできないので、ひとまず繋いだ手を離した。 「……あ」  右手に手袋を嵌め終えたあかりちゃんは、こちらの左手を見てようやく気付いたようだった。  一応嵌めようとしてみた手袋は、指を詰め込んだところでいっぱいいっぱいになっている。 「そ、そうですよね! 女物じゃ小さすぎて入らないですよね……すみません」 「大丈夫。その気持ちだけで十分温かくなったよ。それに」  再び彼女の左手を捉えて、強く――痛くならない程度に――握る。 「僕にはあかりちゃんの手があるから」 「あ……あはは。はい」  そうして、再び歩き出す。  見ると、横を歩くあかりちゃんは、憑き物が落ちた――というと少し大袈裟だけれど、どこかすっきりしたような顔になっていた。 「あかりちゃん」 「はい。何ですか?」 「あのさ。今日、何か悩んでることでもあったりした?」 「あ……ええ、まあ。悩みっていうほどのことじゃないんですけど。でも、六本木さんのおかげで解決しました」 「そうなんだ。なら、良かった」 「はい。六本木さん、ありがとうございました」 「どういたしまして。って、何かした覚えがないんだけれど……」 「ふふ、たくさんしてくれてますよ?」
 店が建ち並ぶ辺りまであかりちゃんを送って数日の後。  クリスマスプレゼントだと渡される箱の中に手袋が入っていることを、当然ながら僕はまだ知らない。


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 あかりたんかわいいをこじらせました(病気)
 六本木さんもあかりたんも互いに気にはなってるだろうけどそれがラブラブ的に表面化すんのって結構難しいんじゃね、とかそんな感じで。  いやできることならラブラブも見たいんですけど、でも野郎側の時間が止まってる(=成長しない)上に擬人化とかいう超制限カプゆえに、うっかりラブラブとかすると逆に妄想した自分に大ダメージみたいな(切なさ、炸裂……的な意味で)  というわけで、ひとまず他の駅達と比べて頭一つ分ぐらい飛び出て仲良くしてる二人を全力で妄想しておいた。あかりたんかわいいよあかりたん。
 本当はあかりたんがやってきたら何故か六本木さんが夜の方になってて以下略したりしなかったりする何かを書こうと思ってたけど、六本木さんのCDを聞いたら爆笑するしかなかったのでまあうん察してください。  最後に、捏造設定構築と疑問点解消に付き合ってくれた仲村さんに全力で感謝しつつ勝手に捧げてさせてもらう! 本当にありがとー!!(土下座)


2010-01-04 空想活劇エンドレスリピート中 この日を編集

_ [ゲーム] クラキミコンプリート

正式タイトルは「暗闇の果てで君を待つ」(リンク先音出ます注意)。かつて男性ユーザー向けに発売された「慟哭 そして…」(SS)や「Revive ~蘇生~」(DC)の乙女ゲー版と言ってピンと来る方は多くなさそうですが*1、まあ端的に言うと乙女ゲー脱出系AVGです。ゲームの性質ゆえに物語について語ろうとすると即刻ネタバレに通じてしまうので、そのへんは手短に。

主人公は高校二年女子、脱出するのは六人の男性と共に閉じ込められた廃校。主人公は六名のうち誰か一人をパートナーに選び、脱出のために探索を行っていきます。慟哭やリバイブのように「序盤は全員で、中盤から特定のキャラと探索」するのではなく、序盤から主人公は誰か一人と共に行動を始めますが、その「あえて序盤から全体行動を取らない」理由付けがしっかりしているのは好感触。これは、男性主人公(×閉じ込められたヒロインズ)作品における、なるべく全員が一緒に行動しようとする流れと差異が見えて面白いなあと思いました*2。同時に、「主人公が女子(=非力)であること」を逆手に取った流れもあったりするのがますます奥深い。

探索は画面内の怪しい箇所をタッチして調べる方式*3。機能としてはクイックセーブ/ロードはあるものの、バックログやスキップは実装されていません*4。また、「探索」と「人物に話しかける」のは別コマンドとして設定されており、それぞれのモードに入るのに逐一メニューを開いて選択しなければならないのが少々面倒。この切り替えはLRボタンあたりで対応して欲しかったところですが、LRには別の機能*5が割り振られているので、携帯機ゆえのボタン数ハンデですかね……据え置き機に移植されたら実装してくれるって信じてる!

音声はフルボイスですがあくまでDSなので音質は推して知るべし。あと野郎キャラは基本的に主人公の名前を呼ばずに「君」「お前」といった二人称を使うため、会話の途中で不自然な間が入ったりすることはありません*6。他に特徴的なシステムとしては、キャラと会話した後の立ち絵にタッチすることで会話が可能。この会話は単なる乙女向けサービスではなく、攻略の手助けとなったりスチルが発生したりするため、プレイの際は好感度を上げてからばんばんタッチすることをお勧め。さらにおまけのCG閲覧ではご丁寧にほとんどのスチルにコメント付きで、乙女ゲーとしては申し分ないスペックです。

物語や真相はどのルートでも大筋としては同じですが、キャラ毎に終盤の展開や明かされる真実などが変化します。EDはキャラ別だとトゥルー、ノーマル、バッドの3種類がある模様*7。後は選択肢をミスった際の各種バッドエンドがあります*8

また内容的に死体描写が避けられない本作ですが、絵面的なグロさはそうでもありません。ただし事件後室内の文章描写や演出はさらっと心を抉るものも多く、そのあたりは容赦ないなあと感じました。とはいえ、恐怖演出(いきなり大きな音がするとか)はほとんど無いので、よほど怖い系が苦手な方でなければ平気ではないかと*9

謎解きそのものは、序盤はコマンド総当たり方式的な簡単さがあったものの、後半になると制限が付与され頭を使わねばならず、なかなか骨のある仕上がり。また、通常、2周目以降の共通ルートは作業になりがちですが、パートナー固定制を中盤からではなく序盤から取り入れることで(一応の)セリフ差分を持たせ、「一度見たことのある内容の繰り返し(作業)」になるのを防止しているのも素晴らしい。

……とまあ物語としてはしっかりと、システムとしてはそれなりに作り込まれてはいるのですが、唯一惜しいと感じたのはフラグ管理が甘いこと。プレイしていてまだ起きていないイベントや出会っていない人物について言及してしまうイベントや通常会話が散見されます。ただこれらは製作者側の意図通りの順でプレイしていけば遭遇はしない(と思われる)ので、マイナス要因という程ではないかなと。

それと主人公はどのルートでも基本的に、常に冷静でサバサバした性格の漢前な娘さんです。あの特異な環境下でほぼ初対面の相手の性格分析を息をするようにしれっと実行しては脳内でキッツい辛口ツッコミかましつつ相応の応対をする主人公たんまじパネェ*10

以下、ネタバレ有りのキャラ雑感とか。

並びはクリア順。

桜葉 克己(岩田光央)

 このゲームに手を出した理由の一つが中の人にガンちゃんが居たからだったりしたよね!
 脱出系AVGには主人公の幼馴染みが付き物かつ真相に直結していることが多いわけですが、ご多分に漏れず全力で超真相ルートでした。
 逼迫した環境下における幼馴染みならではの情動、そして脱出及び解決までの流れは申し分なし。
 「幼馴染み」という設定上、惚れた腫れたフラグを立てる必要もなく、また野郎の中で一番の常識人であることもあって、終始安定感のある(及び真相への道筋もブレない)ルートであったように思います。
 だがそれゆえにエピローグの唐突感は異常。いや展開そのものは悪くないんだけどもうちょっとこう余韻というか間というかそういうのが欲しかったかなあとか。
 まあ全ての原因は乙女ゲームにも関わらず無駄に冷静かつ達観しすぎている枯れ気味の主人公にあるんですが。もうちょっと素直に受け止めてやれよ!(笑)

葵 水央(高橋 広樹)

 生徒会長キャラでこの方向性、正直その発想はなかった。
 外見からキャラ紹介までどう見ても冷静沈着クールビューティーなのに蓋を開けたら超天然ドジっ子とかどんだけですか。
 序盤のバール全力投擲には実は裏があるかと思ったらそんなことはなかったぜ! 清々しいまでに騙された!!(笑)
 そんな感じで実に新しい切り口のキャラでした。もう笑えばいいのかその斬新さにときめいたらいいのか最後までわからずじまいだったぜ……。
 しかしあれだけ天然でありながら(エピローグにて)やることはしっかりやる、そんなみおたん、嫌いじゃないぜ。

秋山 朋(阪口 周平)

 第一印象の朴念仁的なイメージは間違ってはなかったし、口数さして多くないわりに偏向かつ過激な言動も多いキャラだったなあ。静かに物事をかき回すというか。
 でもそれが逆にリアリティがあった気がする。実際にいそうなタイプだなあと。
 主人公と行動するうちに頑なな態度(というか思考)が軟化していって、最終的に人として一皮剥けた(成長した)風な流れだったのは大変良かった。
 それにしてもエピローグはあれまだ付き合ってなかったのか……とか思ったのは私だけでいい。公衆の面前自重。

穂波 陽介(斎賀 みつき)

 かわいそうな子担当。
 最初パートナーに選んだ直後の選択肢で主人公の頭は大丈夫かとか思わないでもなかったですが(こら)、その後の主人公のドSっぷりに開発されていくに絆されていく流れはかわいそうな子スキーとして大変ゴチになりました。主人公いいぞもっとやれ。
 本来の真相とは別の真相がベースになっているせいか、穂波だけ全く別の(シナリオの)ゲームをやっている気分になりました。個人的には、プレイ順的にうまいことマンネリ防止になってて良かったなー。綿貫のおっさんの事情もわかったし。
 それにしても穂波のエロス的な本気まじパネェ、スチルと中の人の相乗効果的に考えて。
 本編中でさんざん主人公に調教されて踏み込まれたり受け入れられたりしていたせいか、エピローグにおける主人公メロリンラブ宣言も違和感なくて大層ニヤニヤした。まあ、エピローグでの主人公が異様なまでに素直なせいもあるだろうけど(こら)

高坂 貴彦(成田 剣)

 ファーストインプレッションが緊縛放置プレイとか、最近の乙女ゲーは実にクオリティが(明後日の方向に)高いですね。
 最初に幼馴染みをプレイして真相を知ってしまっていたので、さてどんなアプローチで来るんだろうと思ってたら直球のボニー&クライドで来るとは恐れ入った。
 正直主人公が先生に傾倒する流れは唐突感が否めないけれど、主人公にも元々そういう素養があったんだろうと思うことで理解はできなくもない。
 個人的には、犯人側を攻略対象に含めることで犯人側視点からの真相を垣間見れる、というのは斬新かつ面白い見せ方だと思いました。
 まあ慟哭とかでも真相側にいる攻略対象キャラはいたけれど、実行犯そのものではなかったしなあ。
 エピローグはまあうん大人の貫禄ですよねー。対するバッドエンドも良かったなあ。音消してやってると真相がわからないあたりが特に。フルボイスゆえの仕込みだなあと思ってちょっと感動した。

風野 太郎(藤原 祐規)

 アウトサイダーのダークホースかなーと思っていたらわりかし素直でわかりやすい人だった件。
 見た目以上に子供で背伸びしまくっていて、穂波とはまた別のベクトルで自分ではどうにもできないものを抱えている、文字通りの意味での「かわいそうな子」でした。
 穂波と同じく主人公に絆されはするけれども、風野の場合は己の存在そのものを揺るがすレベルの話であり、それゆえの動揺や逡巡っぷり(易々と主人公に堕ちたりしない)がスタッフ上手いなーと思いました。
 終盤~エピローグのテンパりっぷりは、中の人の熱演もあってわかったから落ち着けーと叫ばずにはいられない(笑)
 しかし会長ルートでの見事な手のひら返しっぷりには吹いた。いやおま極端だなほんと!(会長バッドエンドの内容的に考えて)

以上、プレイ前は幼馴染みに転ぶつもりでいたら見事なまでにかわいそうな子トラップにひっかかって穂波一直線ですが何か?(……)

総評。総勢六名の攻略対象キャラクターは、シナリオ的に「真相解明組」と「そうでない組」に分けることができ、前者はメインが謎解きゆえに乙女ゲーの本分たる恋愛部分がやや唐突気味。対する後者はキャラクターそのものを掘り下げるのがメインゆえ恋愛描写は違和感なく楽しめるその反面、結局あの監禁は何だったんだという腑に落ちなさは否めない。とはいえ、全員を攻略することで全容が見える構成、そして個性的なキャラクターの配分など、ゲームバランスとしての全体的な安定感は素晴らしい。

ユーザーインターフェースや機能といったシステム面において、他の同ジャンル作品と比べて見劣りはするものの、DSならではのタッチ機能を使った(謎解きの新たな)手段やスチルが設定されている点は、ジャンル初(?)の乙女ゲーとしてもよく考えられているなあと思います。

かつての慟哭、最近だと999あたりを楽しんだ方で、野郎を落とす流れに抵抗がないようでしたら普通にお勧めしたい一品です。

*1 来た方は僕と握手。梨代かわいいよ梨代

*2 単純に尺の関係で、さっさとペアで行動させざるを得なかった面もあるとは思いますが。段階を踏む必要のある乙女ゲーならではの苦肉の策なのやも

*3 カーソルを十字キーで動かして目的の場所でAボタン、といったコントローラー操作は一切受け付けません。……すいません古い人間なんでそういう操作しか頭になかっ……

*4 既読文章は連打で飛ばすのみ、飛ばしすぎたら諦めろ☆ミ

*5 「システム画面/メニュー画面を開く」ボタンなんですけど

*6 いわゆるスタスカタイプ。だが主人公の顔はしっかり描画されているので安心していい

*7 全キャラのトゥルーとバッドは見たけどノーマルは全員分見てない

*8 バッドエンド時にはヒントもあるよ!(知得留先生的な意味で)

*9 ひぐらし等よりは全然怖くない

*10 あの肝の据わりっぷりといい分析力といい、とても普通のJKとは思えない

_ [ゲーム] 薄桜鬼 随想録コンプリート

遅ればせながらようやくプレイしました。

薄桜鬼本編~ED後の行間読み的な短編とおまけを取り揃えた、ファンディスクというよりはアペンドディスクといった様相の今作、ボリュームはファンディスクレベルに収まってはいるもののそのクオリティがハンパねえ。各短編はオールキャラ的なものが2種と各キャラ(そして各ルート)毎に用意されており、それらはぶっちゃけ後出しジャンケンの行間読みでありながら、しかし取って付けた感は全くなく、むしろ本編にそのまま差し挟まれていたとしても何の違和感もない秀逸な出来。オールキャラ的なものは時間軸で言うと序盤と中盤での出来事を描いていますが、選択肢による分岐でメインキャラだけでなくサブキャラや敵側キャラの掘り下げまで完備する徹底ぶり、まさしく鬼のようだ。

そして本編の行間読みとか何て同人屋泣かせな……と思いきや公式自ら全力でネタに走ったというか全力でネタを提供しちゃう、そんなオトメイトの懐の広さに爆笑した。オトメイト、恐ろしいメーカー……!(白目)

というわけで以下はネタバレ的なことを適当に。携帯とかからだと見えてそうな気がするのでご注意をば。

プレイ中のメモから抜粋。随想録は最初から順にプレイしました。

  • のっけから沖田で起きた!!(言ってみたかっただけだった)
  • ぶっは襖を開けたらなんというドッキリイベント……!(笑) 何というかこれはアレだ、エロゲで言う「朝トイレに行ったら妹が入ってた」的なサービスイベントですよねわかります(例えが最低すぎる
  • だからなにゆえ山南さんルートがないのかと。だからなにゆえ山南さんルートがないのかと!!(大事なことなので二度以下略)
    • 山南さんを助けたい一心で山南さんに付きまとってみたら研究と称してエロゲばりのアレとかソレな以下略されちゃうルートでも全然いいっていうかむしろそれで(最低だ
  • ぱっつあんの想起が「日常」となっていたのを見て落胆したのは私だけじゃないと信じたい
  • 化けたちづったんを見たぱっつあんの反応に爆笑。へーちゃんよりかわいそうなことになってるよぱっつあーん!!(笑)
  • >「準備ができたらすぐ向かうから、いい子にして待っててね」という内容が簡潔に記されていた。
    ……ということは鉤括弧の内容がそのまま記されていたわけじゃないってことで……ちづったんの意訳スキルの高さに戦慄を隠せない。
  • そういやお披露目の時に斎藤さんのコメントなかったなーと思ってたら全力でかわいそうな人になってた件
  • 忍者……だと……
    • ここで山崎さんに我愛羅コスをさせたり(顔つき的な意味で)死覇装着せて「死神代行……だと……」とセリフを差し替える(何……だと……の元ネタ的な意味で)ネタをきっと誰かがやるに違いないとか思ってたのは私だけですかすいません
  • それにしてもこの山崎、ノリノリである。
  • ちょっそのぱっつあんの夢の内容もっと詳しく!
  • やべえええへーちゃんが全面的にかわゆすぎるなんぞこれええええ(がらばんごん)
  • 酔ったぱっつあんがますますかわいそうなことに
  • 遊佐ああああ!!!!!(がらっしゃ) こっここここんにゃろうわかってたけどなんか物凄く悔しい心地になるのは何でだぜ!!!(笑)
    • そのオチは調子に乗った罰だとおもいます指差して笑ってやった!(笑)
  • ちょっこら斎藤さんその表情になってから霜焼けかとか聞いてこられますとですね、てめわかって聞いとんのかー!!(笑)とか思わずにはいられないわけですよね違うって知ってるけどわかってるけど!!(笑)
  • へーちゃあああああんんん!!!!!!(ばくしょう)<俺の心情的に駄目
  • 三木眞の酔いどれ演技が最高すぎて死ねる
  • 斎藤さんが前のめりすぎる件
  • へーちゃん想起ラストのちづったんが可愛すぎて生きてるのがつらい
  • おまけとか……おまけとか……!!!(がらっしゃん) へーちゃんはやるときはやる子すぎるから困るいいぞもっとや(以下略)
  • それにしてもちづったんは随想録で確実にロリってないかこれ……いやこれは単に遊佐との体格差のせいなのか……(ゴシゴシ)
  • つーか遊佐は動揺しすぎなのはわかるけどもおっまその発言はなかろ……普通に一晩中土下座していいレベルだよJK
  • って待て公式ーーー!!!!!!(ばくしょう)<SSL
  • もう遊佐は何やってもえろいから仕方ないとかいう遅すぎる悟りを開いておいた。ていうか本編と同じくCEROはCにしておくべきじゃないんだろうか。べっ別に、足じゃないのかちっ、だなんて思ったりなんかしてないんだからね!
  • って手紙開いたら千鶴ゆうた!!! ちょっGJすぎる……!!!(ばんばん) 別に……本編もデフォ名入れたら千鶴って言ってくれても……いいんだぜ……?

沖田についての何かがごっそり抜け落ちてるのは、なんか色々ゲージ振り切りすぎてメモるどころじゃなかったとかそういうことでひとつ。いやまじで勘弁してくださいなんだあれ。たぁーすけてぇー。

総評。これはいい公式同j……もといファンディスクでした。公式自らが行う本編の隙間を埋める行為は、ファンにとっては情報が増えて嬉しい反面、埋められすぎて妄想の余地がなくなってしまう諸刃の剣。だがカッチリ隙間を埋めたついでに全力で釣り餌というか撒き餌をばらまいていったオトメイトのサービス精神には恐れ入った。欲を言えばデフォ名を設定した場合のみ中の人が「千鶴」を発音してくれたら最強だったんですが、まあそのへんは乙女ゲーの(暗黙の了解的な)作法だから仕方がないことですかね。

フルコンプまでそれほど時間もかからず、基本的には短編集なのでちまちま進めていけるので忙しい方にも大変優しい仕様になっています。これをボリューム不足と見るかは人それぞれでしょうが、個人的には内容のクオリティの高さでトントンかなと。彼らの日常風景で和んで笑い、個別ルートで萌えて悶え転げられる、ファンが満足できる良質なファンディスクだと思います。

_ [雑記] うっかり長い

↑は昨年中にばたばたしながらもちまちま進めていたゲームでした。慟哭スキーとしてはクラキミについて何か叫ばないわけにはいかんと思ってまとめてみたら無駄に長すぎたけど気にしない。その分随想録は短めに。本当ここ1~2年の乙女ゲームは勢いがあって面白いなあ。

次はひとまずスタスカ冬に特攻してきます。テイルズオブスザク(違)はその後かなあ……その前にAT3が来そうですが。一応PS3の準備はできてます。PS3を買って初めてやったことがときメモ4の差し替えOPダウンロードだったなんてそんなそんな。

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_ イズミ [実月様 初めまして、こんばんわ。 最近TOSのゼロしいにうっかりハマってしまい、 ゼロしいサイト様を旅していたとこ..]


2010-01-17 まあとりあえずクロアが脱げばそれで全部丸く収まると思うわけだよ(キリッ この日を編集

_ [ゲーム] Starry☆Sky~in Summer~ コンプリート

冬の前に途中で止まってた夏に特攻してきた者です。

「in Summer」の副題の通り、舞台は夏。シリーズ通しての主人公・夜久月子(デフォルト名、変更可)は星に関してのスペシャリストを育成する星月高校の2年生であり、学園唯一の女子学生。物語はそんな彼女の6月~8月の三ヶ月間を、弓道部の活動を通して描いていきます。おそらくはスタスカ春で三人の幼馴染みとのフラグを悉くへし折ったその後と思われる主人公は、春では常に幼なじみーズに囲まれて基本受け身であったのに対し、夏では「弓道部の一員」として自立したスタンスとなっています。春をプレイした時には、幼なじみの話だからいいけどこれが同級生や先輩後輩相手の話になったらどうするんだこのべったりっぷり……とやや不安に思ったものですが、蓋を開けてみれば何事もなかったかのように幼なじみの庇護下から脱していて拍子抜けした反面、主人公も(春から比べて)成長しているんだなあ、とシリーズ物の醍醐味みたいなものを感じました。(同時に、幼馴染みーズの不憫さを思うと切なさ、炸裂……ですが) 以下は先に発売された春と比較しつつ。

物語は先輩の部長と同級生の副部長と主人公、の間に落ちモノ系な後輩が入部、新規加入した彼の存在により物語が大きく動き出す……といった春と同じようなスタイルを取っています。基本的に春も夏も最初から主人公に気がある面子がそろっているものの、恋愛の前提が「野郎三人が強く結びつく」ことであった春と違い、夏ではそういった縛りは特にありません。野郎三人が結びつくことは(同じ部活の仲間として)部活動において重要視されるのみで、恋愛の前提にはなっていません。物語の配分として、春は野郎の交流:主人公との恋愛が8:2程度だったのに対し、夏は野郎交流:恋愛:部活動で3:3:4という印象です。春は野郎三人が親友になる過程に大半が割かれていましたが、夏は部活動がメインゆえに部活ありきで物事が進むため、結局は恋愛描写に尺が割かれなかった感が強くあります。

ただそれでも、春における「ジュディマリ構成を壊したくない」という無意識の牽制が存在しないことに加え、夏のキャラは三者三様にちゃっかり者のため、隙あらば主人公とフラグを立てようと必死です(キャラが、というよりはシナリオが)。春の三名は小さい頃から好きだった、という大前提があるのでいいのですが、夏の三名は部活で知り合って活動していくうちに仲間以上の存在になった、という流れで、その「仲間以上の存在になった」過程はわりと割愛気味です。結果として、夏の三名も最初から好感度MAXに近い状態でのスタートになっているものの、「何故好きなのか」という理由付けと説得力はやや薄な仕様。個人的にはその辺りも本編に含めて欲しかったところですが、三ヶ月間というとても短い尺を考えるに無茶がすぎますかね。

春との差分ばかりを挙げてしまってますが、システム面でも、春と比べると句読点や改行、ページ送りの位置などが改善されて春に比べて大変読みやすくなったなあと思いました(春の初プレイ時、これケータイ小説かっていう改行やらページ送りに少し遠い目になったのもいい思い出)

また春からの進化としては、立ち絵と中の人がついたサブキャラの実装、およびサブキャラエンドの追加。ある条件を満たすと共通バッドエンドがサブキャラエンドになります。これがまたこんにゃろーな出来でしてねちくしょう、いいから3バカを個別に攻略できたりするFDの発表はまだですかばんばん。

以下はネタバレのキャラ別雑感。

金久保誉(☆)

 腹黒策士部長先輩。プレイ中はそう呼称してたんですが(こら)、最終的に策士先輩で落ち着きました。なんという孔明の罠。胃薬とお友達なくせに息をするように策を巡らせ外堀を埋めていく様はどう見ても策士です。本当に(以下略)
 ていうかこの人マジでタチ悪いよ、秋のメガネとかラスボスとかも確かに腹は黒いだろーし策もさんざん張りまくるけど、奴らはまだ「悪どいことをしている」という自覚を持った上で実行してると思うんだよね、これが大人のやり方だ的な。
 でも明らかにこの人そのあたりの罪悪感とか微塵も感じないまま策士ってるよ! それって何かおかしいかな?みたいにきょとーんとされそうだよ! 策は張るものであってハマるものじゃないよね的な底なしの何かを感じるよ! マジこええ!!(笑)
 そして中の人的にも珍しいタイプだなあと。むしろ☆といえば「ふっふしだらな!」とか言いそうだよね。
 ☆のニュートラルな声色がますます本心を見せない風でキャスティングした人天才だろ……とか思ったのは私だけでいい。いやスタスカのキャスティングは基本的に神懸かりすぎだろうとは思っているけども。

宮地龍之介(神谷)

 夏のツンデレ。春のツンデレは杉田。
 とはいえ思い返してみるとそれほどツンデレじゃなかったなあという印象。ていうか奴がツンだったのは主人公にじゃなくてどう見てもルーキー相手だった件。
 主人公に対してはツンじゃなくて照れと拗ねがメインだった気がする。
 クリーム好きなのにクリームは好きじゃないと言い張るのはツンデレでも何でもなくただの弱みを見せたくないだけの人だよなあ。これが主人公に影響されてクリーム好きになった(ので恥ずかしくて否定する)、とかならツンデレに近いとは思うんだけども。
 ていうか何故否定するのかが最後までわからなかったのは私だけでいい。
 どっちかいうとクーデレ寄りだと思う、仏頂面しながら実は一番手が早いとかどんだけですか的な意味で。
 ていうかあの「ついうっかり」っぷりには全力で吹いた。おまwww
 スタスカのツンデレはどーしてこうついカッとなるタイプしかいないんだ(笑)

木ノ瀬梓(福山)

 キャストコメント聞いたら中の人そのものすぎて吹いた。どんだけ福山なんだこのルーキーは(笑)
 彼はスタスカ夏の物語の中心そのものなので、どのルートでも悩んで救われますが、(プレイした順番のせいもあって)主人公に諭される流れより策士先輩やツンデレに諭される流れの方が説得力があったように感じてしまった。
 まあそれは、主人公が自らのスーパーっぷりにあまりにも無頓着すぎるせいでプレイヤーにすらそれを感じさせないのが悪いと思うんですけれど。
 ルーキーが部長も副部長もすごい、というのはそうなんだろうなあと思わせてくれるんですけど、主人公のことをすごい、というのは何故か説得力が薄い。
 それは、主人公が素で彼の言葉を世辞とか社交辞令だと思ってる節があるからじゃないかなーと。ほめられてもさらっと流しちゃうので、プレイしているこちらにもあまりその「すごい」という印象が残らないというか。
 なので、本当はすごいらしい(実際すごいんだけど)主人公が伝えた言葉よりも、本当にすごいとわかる部長副部長の言葉の方が説得力があるなあと感じてしまったのですが私だけな気がしてきた。
 だが彼のトゥルーエンドが別にあるんじゃないかと思ったのは私だけじゃないと信じたい。あれてっきり結婚関連がデフォだとばかり思っていたのに!(笑)

3バカ

 ツンデレルートで激しく犬飼萌えを起こしたわけですが、いや何で犬飼ルートないんですか良い奴すぎるだろJK……。
 白鳥の報われなさ加減は彼の味ではあるのだろうけどもだがしか幸せにしてやりたいじょない。
 そして可愛い系の後輩キャラってオーソドックスで普通にあっていいと思うんだ。
 というわけで3バカ個別攻略可能なFDの発表まだー?

総評。一作目の春から堅実に進化を続ける本作は、先輩同級生後輩の恋愛SLGの基本を踏まえたものの、中身は王道にとらわれず、かといって外しすぎない青春ど真ん中グラフィティを実現。野郎の友情っていいなあと思わせた春に続き、青春っていいなあと思わせる夏、恋愛以外のものもしっかりと描く姿勢はブレることなく存在しており、その安定感は異常。策士にツンデレに自信家、三者三様に取り揃えられたバラエティっぷりはさすがの一言。青春に帰りたい人にもおすすめの一品です。


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