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日々是ダメ人間/雑記

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2006-09-03 学者レフィアたんのインテリっぷりに萌え この日を編集

_ [アニメ] TVAアンジェ #8「大いなる奇跡」

前回予告ナレは緑だったのに蓋を開けたら炎当番回リターンズだったという予想通りの展開でやって参りました8回目。当の緑は序盤で炎にからかわれ終盤で無邪気に遊んで終了でした。残すところ5回なんですが緑当番回はあるんでしょうか。というか無駄に立てまくった地フラグと、不器用を絵に描いたようなツンテレ(=照れ。Notデレ)王者ことゼフェルのフラグは回収しきれるんでしょうか。何よりリモージュ女王のヘッポコモードはもう拝めないんでしょうか(……)

どうやら炎は2話(最初の当番回)の時点でエンジュたんを見直したわけではなく、今の今までひたすら見くびりまくっていたご様子。確かに、ここに来るまでのエンジュたんの活躍の場に炎はろくすっぽ同席してなかったので仕方のないことかもしれません。それに今回のエンジュたんはだいぶ神がかってたっつーかいつの間にそんな能力(と使いこなす技量)を手に入れてたんですかとかツッコんだらダメなんだろうなあと思わせる何かがありましたし(こら)

ともあれエンジュたんの頑張りっぷり+「伝説のエトワール」の二つ名はダテじゃない的な素養を目の当たりにした炎は、逐一驚愕しまくったり、無茶するエンジュたんを助けるべく蝶ド派手な攻撃かましたり、死んだ恋人と勘違いし抱きつかれているエンジュたんを見て(何だ、この気持ちは。まさか、このオスカーが嫉妬……?)などとうっかりモノローグってみたりする少々かわいそうな人*1になっていたりしました。おまけにヘトヘトなのにさらに無茶をしようとするエンジュたんに「この俺が止めてもか」とすんげー殺し文句的なキメ台詞を吐いたにも関わらず、エンジュたんにあっさりと「従えません」の意で頷かれたりしていました。つーかそりゃ無理だあんたここに至るまでフラグ全然立ててないし、とか即座にツッコミを入れていた私ですいません。

そうして晴れてエンジュたんに堕ちた炎は無茶をしすぎて気絶したエンジュたんにちゅー未遂とかやらかす始末。未遂直後に「今は触れまい」とか無駄にカッコつけた言い訳で誤魔化してましたがどう見ても純情エロ親父です。本当に(以下略) つーかこれ炎がやるとわりとシャレになりません色々。

それから作画は普通に神が降臨していました。そうかなーと思ったらやっぱり原画に石野さんがいらしたよ……そりゃすさまじくもなるわ(笑) ちなみに神の降臨区域は炎の出番部分(特にエンジュたんと二人きりの間)に集中していました。何ていうかTVAアンジェは色々わかりきったスタッフさんが頑張ってらっしゃるんだなあとおもいました。てーか「水もしたたるいい男」を体現したようなカットを入れてくるとは思わなんだ……(笑)

さて次回予告ナレは夢担当、しかし映像にはオッドアイの灰髪の人が出張ってます……ってこれもしかしなくてもあの人ですか! レギュラー守護聖たる緑と夢の当番回をさしおいてこの人なんですか!(ちなみに光は前回「初めてエンジュたんに笑顔を見せる」というフラグを立ててました) いやあTVAアンジェスタッフは(販売戦略的に)わかりやすすぎだなあ!(笑)(こら) つかあの雨に濡れてしょげてるっぽいのはゼフェルですかねまたもゼフェルフラグが立ってくれるんですかねヒャッホウ! つーかこれ最終的に誰のフラグが成就するのか本当読めないよ(笑)

*1 事情を把握している第三者からニヤニヤ生暖かく眺められてしまう人種のこと

_ [雑記] リハビリ中

水樹奈々の「残光のガイア」(5thアルバム#1)がアクエリとゆーかアポシルソングにしか聞こえない日々を過ごしています。民族系のとてもノリのいい曲で「神話になるような恋をしないか?」とか「太陽の下で 生まれ変わっても寄り添わないか?」とか色々たまらんです。ただ何度聞いてもサビの部分の「君と僕のパルス」が「君と僕のバルス」に聞こえてそらアトランディアも滅びるわ!とか一人で納得していてすいません。やっぱ水樹奈々はいいなあ。いいなあ。

そういえば9月になってました。色々落ち着いて来た(と思いたい)のでぼちぼちメロンとかそうでないのとか書こうと思ったのですが、しばらく文章を書いてなかったら書き方自体を忘れてしまってましたギャフン。仕方ないのでリハビリ頑張ろうと思います。くそうー!


2006-09-11 何でVer.up以降あんなに雨が多いんだろう この日を編集

_ [アニメ] TVAアンジェ #9「氷の扉」

さーて今回は、作中で一切名前は明かされなかったにも関わらずEDキャスト表記には思いっきり「アリオス」と記されていた成田当番回……と思いきや実は壮大なゼフェル当番回りたーんずでした。っちょ、何それ聞いてねー!! しかも予告を見る限りこのままゼフェルルートへ直進する模様。ただし行き着く先はどう見てもゼフェル的バッドエンドです。本当に(以下略) ……いいんだそれでもいいんだゼフェルがこんな前面に押し出されてる公式アンジェ私初めて見た……!(ホロリ)

にしても相変わらずゼフェルクオリティの素晴らしいこと素晴らしいこと。コレット女王の宇宙を順調に回復させていっているエンジュたん、リモージュ女王やら年長組守護聖からお褒めのお言葉を賜ります。かなり謙虚に応対していたエンジュたんなのですが、それを見たゼフェルはものっそ面白くないご様子。何せ謁見終了後、木陰で「何だってんだ。ちやほやされてよ、単純に喜んでんじゃねーよ」などととてもわかりやすい文句を言い、さらに「っは、はい、ありがとうございます」などとエンジュたんの口真似をした挙句「っかー、みっともねえ」とか一人ツッコミをする始末。うわあ何て恥ずかしい青い春。それをしっかりと夢に目撃されからかわれ焚き付けられ、とうとうゼフェルはエンジュたんをデートに誘うべくエンジュたんの宿舎まで足を運んでしまいました。ノックする前に回れ右して帰ろうとしたり、部屋の戸をノックする前に脳内で言い訳三昧する頬染めゼフェルで飯が3杯ぐらいイケると思ったかわいそうな人ですいません。まあ結局、エンジュたんはコレット女王の宇宙に出向いてたのでデートには誘えなかったというオチでしたが。しかし夕方になるまで部屋の前で座り込みを続けたゼフェルはどこまでばかの子なんでしょうか(褒め言葉) イマドキ中々いないよなこんな蝶絶不器用なガキ大将タイプ!(褒め言葉)

ところでエンジュたんの自分に対する自信喪失の最大のきっかけは、大きな木の下で仲良く語らっちゃう程の仲だった男にフラれたせいだったのですが、どうもその男が成田だったようで。ちなみにフッた理由は既に女持ちだったからみたいです(あれがエリスさんなのかなあ) その成田が何故かコレット女王の宇宙に現れ、それを見かけたエンジュたんは古傷が疼くあまり涙腺抑止弁が無駄に緩んだ子になってしまいました。そこへタイミング良く現れたゼフェルがですよ、座り込んで泣きそうなエンジュたんの前に回り込んでですね、エンジュたんの頭を自分の胸に当たる程度(ここ重要)に引き寄せてですね、「なんだよ。泣くなんて、おめーらしくねーだろうが」とか神妙な顔で言ったりしちゃうわけですよ!!(ばんばん) しかもこの時のエンジュたんたら「見ないで……」とか「やめてください、ゼフェル様」とか言ってるの。なによその経験不足の青少年の脳内天使と悪魔を激闘させかねないセリフ、ふざけてるの?(こら) そこでAパートが終了。いい所で切ってくれます。

そうしてCM開けには夜の語らいモードに入った二人ですが、エンジュたんの口から出たのは「ゼフェル様は、誰かを好きになったことがありますか?」と始まるある種遠慮のない傷心愚痴の数々。言うだけ言ってスッキリしたのかエンジュたんはゼフェルの回答を聞かぬまま逃げ帰ってしまいます。直後降り出した雨の中ずっとアレソレ考えていたらしいゼフェル、結論が出たのか濡れ鼠のままキングオブフラゲストの地の元へ。そしてゼフェルは地がありえないぐらいエンジュたんとのフラグを立てまくっているとも知らず、エンジュたんと同じ質問を地に投げてしまうのでした。しかもゼフェルの出した結論を要約すると「エンジュはまだフラれた男のことが好きで忘れられないでいる」というものなんですけど、えっあのあーた何でそんなとこだけ物わかりが良くなってんですかこのあほのこめ!(笑)

しかし翌朝のゼフェルは変わりましたよ奥さん。何せ光の下に自分をエンジュたんに同行させろと直談判しに行きましたからね! しかもゼフェルが光へ直接頼み事とかしたの初めてのことらしいですよ! 偶々同席していた地もそこでようやくゼフェルの感情に気付いたようで、何故か頼もしいものを見る目でゼフェルを眺めた後、ゼフェルの依頼を支持する行動を取ります。えっ地ったらここでも身を引くんですかあーた! あんだけ立てまくったフラグはすべてまるっと放置プレイですか?!(ぉ

そして二人きりでコレット女王の宇宙へ出向き、再び現れた成田に「早く出て行け」とか言われてさらに傷心のエンジュたん、そして「行かないで、お願い……」とかくずおれてるエンジュたんを呆然と見守るゼフェルで今回は引き。ってここで引き?! 次回予告ナレは地でしたが内容はゼフェルまっしぐらってことでいいんですかねいいんですかね!! いやこのままゼフェルエンドになるだなんてこれっぽっちも期待してないけどな!(泣) 絶対いいお友達エンドだよこんちくしょう……!

そういえば来年頭から2期目が始まるそうですね。どうりで緑と夢(と光)の当番回はないわ、コレット女王の守護聖と原作エトワールの新キャラが不在のままだわ、最初から2クール構成だったんですな。そういや前回エンジュたんに抱きついた村人はエトワールの新キャラだったような。まあとりあえずゼフェルのサクリア渡し口上はまだですかと。っていうかコレット女王の宇宙に器用さのサクリアが送られたところを見たことがないような気がするんですけど(いや見えないとこで送られてはいたんだろうけども)、まさかこれも微妙な(ゼフェルルート的見せ場の)伏線だったりするのかなしないのかな。すればいいと思うな! ……い、いや変な期待はしてない、するもんかあああ(ダッシュ)

_ [雑記] がたばった

うっかり日曜のほとんどを寝て過ごしてしまったので遅れ気味な日記、じゃないな週報(それもどうか)であります。今期最初の新番(かな?)のBBBも見れてないや見なくては。てか今期テレ東のWJの染まりっぷりは凄いですね。何この週刊少年祭り。とりあえず武装錬金が奇妙なテレ東規制をものともせずにパピヨン満載であってくれればいいとおもいます。

つーか上のTVAアンジェツッコミ(ツッコミ言うな)長すぎだ私。


2006-09-18 ちょっと自分必死すぎた この日を編集

_ [アニメ] TVAアンジェ #10「揺れる想い」

今回は誰の当番回というわけでもなく普通に前回からの続きでした。さらに次回へも続きました。なんつーかうんあの、ゼフェルはやっぱりああいうポジションの子だったよって感じですようっかり期待した私が悪かったんですよこんちくしょう!(笑)

結論から言うと成田は悪者じゃなくて普通にいい人であり、単独でコレット女王の宇宙を守ろうとしていたっぽいです。つーかコレット女王の目覚めを妨げる者ってのが「サクリアの精霊」ってなんだそれどゆこと!(笑) そもそも「精霊」ってわりにビジュアルが悪霊ちっくなのはどうしたら。おまけに一連の事件の主犯っぽいにも関わらず成田の剣の一閃であっさり消滅。えっ何そのナイツオブラウンドinセフィロス戦。そして倒したはいいけど足場が崩れてしまい成田とエンジュたんは崖下へと真っ逆さま、で今回は引き。前回に引き続き、引き方の鬼っぷりに磨きがかかってます。

まあそんなことよりゼフェルですよ。どうやらゼフェルはブレイクハート気味なおかげでサクリアのコントロールが上手くできなくなってるらしいです。そのおかげでコレット女王の宇宙だけでなくリモージュ女王の宇宙にすら悪影響が出る始末。あれ、もしかしなくてもゼフェルがここに来るまで延々優遇されてたのってこのイベントのためってことでFAですか? ……でもそりゃそうか、こんな「恋煩いでまともに業務がこなせない守護聖」なんてヘタレトラブルメーカーな役割、他の人気守護聖には割り当てられんよなあ……(こら) まあゼフェル当人は守護聖としての力がなくなり始めている=人気任期が終わりかけてるんじゃ、とか勘違いしてガクブルしてましたが。「誰か、誰か助けてくれ……!」とか呟くゼフェルによしここでリモージュ女王が力添えですよとか期待した私ですいませんうんありえないってわかってたよこんちくしょう!(かわいそうなゼフェリモの人で大変申し訳ない) 仕方なく地に相談しに行ってみたゼフェルですが、偶々地のところに風が来てたので顔も出せず、妙に奇っ怪な身のこなしで逃げ帰ってしまいました。初回からコース外を延々独走し続け、とうとうゴールからは程遠いどこかに到着してしまったゼフェルに救いはないんでしょうか。

……と思ったら成田ナレの次回予告で誠にオイシイ画面があって素で吹きました。うっは、炎がエンジュたんに迫ってるシーンよりも気恥ずかしさを感じるのは何故だろう(笑) てことでどうやら次回で一連の事件にカタがつく(かもしれない)模様。多分ゼフェルは玉砕お友達エンドだろうなあ。可哀想に。あれだけフラグ立てといて結局一歩も踏み出せなかった地と仲良く慰めあって強く生きていただきたい。っていや決して変な意味ではなく(……)

_ [雑記] お疲れ様でした

週末は某オンリーに行って眼福とか幸せとかを手に入れてきました。おやびん世話になりまくりましたありがとうありがとう楽しかった! そして私頑張ってみた!(笑)

_ [ネタ文] ほんとうのはじまり(ガイナタ)

未だリハビリ中ではあるんですがもう勢いで。おやびんと約束したので頑張ってみた次第。てーかるくちあのために必死すぎる私ですいません。

以下、ガイ→ナタっぽいもの。ていうかガイ様一人相撲的な何か。私にはこれが精一杯だったよおやびん……。


 一時の強さが嘘だったかのように、ひどく薄まった光の帯が消えかけた頃、まず口を開いたのは彼女だった。
「これで……ようやく、始まりなのですわね」
 女性陣の誰もが――大佐は普段と平時と変わらぬようにしか「思わせない」厳しい表情で――意図的にだろう、眼鏡の硝子を反射させ瞳を覗かせないようにしていた――呆然としていただろう最中、それはまるで静かな水面に投げ込まれた小石だった。じわじわと波紋を広げて、自分たちをゆっくりと現実へ浸透させていく。  発言主へと緩慢に視線が集まる中、彼女は誰へも顔を向けることなく、ただ真っ直ぐに消えゆく光だけを見つめていた。  やがて、終わりなどではなく、と静かに続いた言葉を、眼鏡の位置を直しながら大佐が引き継ぐ。 「ええ、その通りです。むしろ大変なのはここからでしょうね。これまでとは比にならない難行が私たちを待っていますよ」  世界の危機は防いだ。だがそれは決して、「世界が平和になった」こととイコールにはならない。少なくとも、対立状態にあった二国と中立の擬似国家という三つで成り立っているこの世界では。  彼女はその一国の王女だ。自国を愛し、自国の民を愛し、そして他国の民をも愛する、誠の王の器を持った心優しき少女。  この国も世界も、少女の細い肩が背負うには大きすぎるように思う。けれどそれでも、彼女はその背を差し出し、全てを支えようとするだろう。彼女はそういう人間だった。  そのことを、ここに居る誰もが知っていた。だが誰よりも実感できていたのは、幼い頃から彼女に――一応の――従者として接していた自分だろう。  女性陣が言葉少なに大佐の言葉に賛同し終えるのを待って、最後に自分が口を開いた。 「そうだな。確かに始まりだ。けど、単なる始まりじゃあない」  反射的に自分の方を向いた彼女へ、小さく笑って返した。 「これは始まりの始まり――まるでセンスがなくて悪いが、プレ・スタートとでも言えばいいか? ……本当の「始まり」は、あいつが帰ってきたその時さ」  不思議そうというよりは不安げだった彼女の表情が、ふっと緩まる。その際伏せた瞳が開かれたとき、そこには凛々しい笑みを浮かべたキムラスカの王女が佇んでいた。 「そうですわね。……約束は破るためではなく、守るためにあるのですから」
 そう言って、彼女はまたエルドラントの方を見やった。


 光はもう、跡形もなく消滅していた。


***


 その日からルークは姿を消し、概算で二年半ほど戻ってこなかったことになる。

 あいつが不在の間、仲間であった誰もがめぐるましい日々を送っていた。  未曾有の危機に陥った世界の事後処理。変革した世界の調停。世界平和への地盤作り。  各々の地位や立場や経験上、口を出さねばならないところから関わり合いになりたくないところまで、おそらくは皆が皆手を出していたのだろう。  本当の始まりを、始めるために。
 ――本当の始まりが、二度と始まらないかもしれない可能性を、否定するために。


***


 ここからならホドが見える。  月明かりを背にしたあいつがそう結んだところで、金縛りに遭っていたティアの体は弾かれるように前へと足を踏み出した。時折ふらつきながら、けれど確実に歩を進めていく。  最初は早歩きだったのがとうとう小走りになったあたりで、同じく金縛り状態だった自分たちも、ゆっくりと動き出した。  目の前の光景が嘘などではないと――まばたきをした瞬間に消え去ってしまう蜃気楼ではないかと、ただひたすらに現実を目に焼き付けながら――、ティアがあいつの胸に収まったところでようやく実感して、あとは感情に任せるまま足を動かした。 「……ティア」  あいつは己の胸の中を見下ろし、どこかぎこちない表情で名前を呼んだ。ティアは嗚咽を抑えるだけで手一杯で、まともに応答できないようだった。  駆け寄った自分たちはそんな二人を囲むような位置で足を止め、顔の上がったあいつからそれぞれ視線を受ける。  自分と、ナタリアと、アニス――ジェイドは動いた気配がしなかった――誰もが、口を開きかけて戸惑っていた。  ティアはもう、この言葉を伝えたのかどうか。もし伝えていないのであれば、ティアより先んじて言うべきではないだろう。  だから、三人で言いようのない表情を浮かべるしかない。  どうしてこんなに待たせたのかという文句と、よく帰ってきたという安堵の言葉と、お前がいない間どれだけ自分たちが大変だったかわかるかわからないだろうからじっくり教えてやる何日がかりで!という愛の籠もったストレス発散等々――言いたいこと全てがない交ぜになった、それはそれは微妙な笑顔の一種を。  やがてティアが落ち着いたのか、ゆっくりと顔を上げた。二人が目線を合わせる。 「……おかえりなさい」  震えた声がそう言った。  うんうん、とアニスが大仰に頷いている。ナタリアもきちんとした笑顔を浮かべようと必死のようだった。 「……」  あいつは、一瞬戸惑ったように口を動かし、何故かすぐ閉じた。そのまま唇を噛むようにして、こくりと頷く。 「……おいおい。返事はどうした? ちゃんと口で言ったらどうだ」 「そーだよ。あ、何? まさか私たちがお邪魔ーとかそういう意味?」 「まあ! でしたら、私たちが近づく前に合図でもしてくださらないと」  立て続けに入った茶化すような合いの手に、あいつは反論もできずに俯いた。  そうして覚悟を決めたのかがばりと顔を上げ、もう一度ティアをしっかりと見つめながら、 「った……、ただいま」  語尾を微かに震わせて、強引に浮かべた笑みの、その目元に涙を浮かべながら――ルークは帰還を告げた。

 堰を切ったようにぼたぼたと泣きながら、それでも笑顔を見せようと必死のルークに、ティアもアニスもナタリアもつられてしまったようだった。  涙をこぼすままに任せたり、手の甲で擦りながら声をかけたり、感動の再会が幕を開ける。

 言いたいことは数あれど、まずはレディファーストということで女性陣に番を譲る。  一番の発言権を与えられたティアは言葉があまり続かないようで、その合間を埋めるようにアニスがマシンガントークを乱発した。さらにその合間を縫ってナタリアが鋭く意見を滑り込ませる。  女三人寄ればなんとやら、そのパワーに抗えるはずもなく、ルークはただやられっぱなしでいた。どうやら二年半経っても「ヘタレ」は健在のようである。  そろそろ助け船でも出してやるか、と親心が動きかけたが、まあいいか今日ぐらいは、と放置を決め込むことにした。彼女たちが主張し続けているように、自分だって随分と苦労してきたし、心配させられ――待たされたのだから。  やがて攻防――いや、一方的な攻撃か――はアニスの一点攻めに切り替わった。ティアはルークの側で、その困る様を涙ぐみながら見つめている。  もう一人はさり気なく、その輪から一歩離れた位置で、笑みを浮かべていた。 (……ナタリア?)  その笑みは、さっきまでの笑みとは異なる何か。  差異は一体何であろうかと、ざわつく胸が注意深い観察を促す。 「まあでも、……ホント帰ってきて良かった、ルーク」 「アニス……」 「これで最低限のパトロンは確保できたわけだしねっ!」 「って、だからそれはお前が勝手に言い出したことだろーが!」  ぎゃんぎゃんと噛み合わない会話を眺めるナタリアが、きゅっと手のひらを握り込んだ。 「……本当に、良かったですわ……」  ゆっくりと伏せた両の瞳から、ぽろりと大粒の涙がこぼれ落ちる。

 ――その涙の意味に、唐突に気が付いてしまった。

 いや、考えればすぐにでもわかることだったのだ。
 消えたのは二人。けれど戻ってきたのは一人。  「ただいま」と言ったら泣きそうだったから――たぶんティアの前でカッコ悪いとでも思ったんだろう――言葉にできなかったあいつを見て、ああこいつはルークだと確信したのは、何も自分だけではなかった。

 つまりあの涙は、彼女にとって――「鎮魂」の意味も含まれているのではないか。

 証拠などない。確認ができるわけもない。  けれどどうしてか、確信があった。  傍目には感涙しているようにしか見えない――いや、「そう見える」ようにしているのか――彼女が、今誰を想っているのかということに。
「――」

 知らず、片手が上がっていた。  伸ばしかけた手が、彼女を見つめる視界に入ってきて初めて、自分が何をしようとしていたかに気付いた。  未だ克服できていない、あの耐え難い感覚の舌先を感じ、さり気なく手を引っ込める。
「……ジェイド」
 後方で立ちん坊をしていたはずの人物がやってきたことで、ふと「気付きかけた何か」を追求するのを取り止めた。
「よく……帰ってきてくれました、ルーク」 「ああ。みんなと約束したしさ。あ、アニスのは違うけど」 「んなー! その約束を信じて頑張ってきたアニスちゃんの苦労は?! この健気な苦労はどこで報われるってゆーの?!」


***


 相変わらず意図的に空気を読まないジェイドが場をとりまとめて、ひとまず場所を移すことになった。  この、胸奥のざわつきの正体を確かめるのは、今夜寝る前ででも構わないだろう。


 アルビオールに向かう中、何となくしんがりを務めながら、ルークの隣を歩く彼女の背を見つめた。
(そうだな。ここからが……本当の、始まり)




 そうして始まったものは、一つではなかった。  そのことをはっきりと自覚できたのは、もう少し時間が経ってからのことだった。

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 ガイ→ナタのガイ様自覚編というか自覚のきっかけ編というか。ナタリアたん一切無関与のガイ話というか。単に触発されたイメージをまとめて書き殴っただけというか。地盤作りに必死こいてみましたというか。
 というかあのその、これはあすなたが大前提で、そもそもあすなたが存在しないとまずナタリアたん自身が存在しなくなっちゃうので(真のツンデレが居たからああいうナタリアたんに成長したわけで、つまりナタリアたんにとってどんだけ真のツンデレはでっかくて重くて優しくてラブな最重要存在かって話ですよOK?)個人的にはあすなたがないと何も始まらない派なのですね。  決してあすなたを横に置いたわけじゃないのでそれだけはご理解いただきたく。
 で、あのガイ様がなんかそっち方面に自覚すんのって本気と書いてマジでどうすんのとかその辺をこう色々語り抜いたというよりは語り抜かれたり、何より等価交換を求められたので、じゃあこうですかわかりません的にもがもぐ。  あ、本当にナタリアたんは一切関知してないので。完全ガイ様脳内一方通行で。  ……えっあれええとおやびんこれでいいのかなこれでガイ様にも愛はあるって言っていいのかな!(笑)


2006-09-22 しょんぼり この日を編集

_ [雑記] 蝶腐海

今日は遅めの夏休みを取っていたのですが、日がな一日部屋の掃除してました。ていうかしてます(現在進行形) 何でかといいますれば、この埼玉の片田舎にもようやく光回線がやって来やがられたゆえ月末に導入工事がありましてですね、でもって我が家の回線事情は少々特殊でして私の部屋に回線の大元があったりしましてですね、まあそのアレですよ、室内に一般の方を入れてもいい感じにしなくてはならなくてですね!(……) ていうか春先にADSL導入したときはしばらくの間光は来る予定がありませんねーとか言われたのにな……まあ電話営業なんて舌先三寸だろうけどもぶつぶつ。そんなわけで来週末以降何の音沙汰もなかったら何か工事とかアレがソレでやらかしちゃったんだなあとか思ってください。

それから不幸な事故(主な原因はおかんと韓流)で今週のTVAアンジェ#11が録画できなかったりしました。あああ今一番いいとこだというのに(ゼフェルスキーとしてなら)(こら) キズステで補完しようと思ったら埼玉よりも一週早いんですねってーか埼玉が遅いのね……。がくり。仕方ないのでGyaoで放映されるのを待とうとおもいます。10月頭にラスト3話まとめて見よう……。

なんかこう無闇に悔しい気分なので片付け終わったら何かやりたい気分でありますよ。主にるくちあとかゼロしいとかそのへんを。……終わるかなあ……(未だ半分ほど腐海の室内を見回しつつ)(……)


2006-09-30 ヘル・アンド・ヘブン(完全破壊してどうする) この日を編集

_ [雑記] 光あれ

坂本真綾の「光あれ」の終盤に繰り返される「光あれ」の最後の方がいつも「にがりあれ」と聞こえてとりあえず怯えるガイ様しか浮かびません(最低だ) というわけで我が家の回線が光になりました。これで雨が降るとぶちぶち切れまくる回線とはおさらばですばんざーい(電話線が古くてボロボロになってるとよくあるんだそーで<雨程度で切れるADSL)

今週の木曜はあまりにもゼーガペインの最終回が気になって定時で帰ろうと必死でした(かわいそうな人) いや本当いい最終回でいいアニメでした。視聴者の想像の余地を程良く残しているところとか。序盤〜中盤の内容からして、ぶっちゃけこれはもう最強最悪のバッドエンドしかないんじゃないのかと思ってたらそんなことなかったりとか。あと解釈の仕方を変えると、完全無欠のハッピーエンドにも(本編全体に漂ってた)ちょっと切ない感じのエンドにも取れたりとか。全26話で一つの完結した作品になってるのもポイント高いなあ。シンクロしすぎなOPEDとかもたまらんし。あーうっかりDVD買いそうだ我慢だ私。

でもなるべくムックとかは買わないようにしようかと思っている私です。いやだってきっと製作者インタビューとかがあってさあ、そこでなんか確定的な何かを示唆されたらアレじゃないですかうんほらえーとその、ユーザーの解釈に任せるってんなら中の人の解釈なんかうっかりでも表に出したらアカンやろもがむぐ的なやや記憶に新しいトラウマがね!(……)(シャレになってない) だがしかし製作者コメントとかは聞きたいのがファン心理というわけでしてあーうーやっぱ出たら買うんだろうなあ。でもDVDは我慢するぞ我慢(呪文)

あとジャンプれぼるーそんを買ってきました。エンバーミングの続編はやっぱ良かった。ていうか和月先生は何があったんですか何あの手慣れた萌えキャラの動かしっぷり。話のテーマがテーマなんで例によってグロ描写は大アリで、ついでに切ない系の話であったりしてとにもかくにも面白かったでありますよ連載しないのかなあしないのかなあ!(ばんばん)(落ち着け) 武装錬金のアニメ放映中は別作品の連載はしない方向なんですかねえ。どうかアニメが無難な出来でありますように(高望みはしない)(だいたいテレ東規制はグロにも優しくないしなあ)(何せ手のひらに鉛筆貫通させただけで流血もないのにボカシ処理ですよ)(まあ放映時刻が夕方だったせいもあるんだろうけども)

それから裏からメッセージ投げてくれた方アワワありがとうございますはーべいさん説教中は正座とか要求されればいいとおもいます(笑) ええと本館の裏についてはまだ普通にあります残ってます更新はもがむぐですが!(……) 本館の更新はなんつーかこう気力150以上でないとやれない感じで本当すいません……。

しかし11末にDリメイクで年末にTOWで1末にPS2版OGって本当どうしろと(遠い目) とりあえずDリメイクはスタルーのためだけに必死に頑張ろうとおもいます(あんた)(関智補正がなくてもスタルーは大好きなんだ)(補正言うな)

あ、先週の日記で言ってたるくちあゼロしいはプリンタが壊れたりなんだりでちっとも時間が取れませんでしたガクリ。


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