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日々是ダメ人間/雑記

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2008-10-31 しかし冷えるなあ

_ [ネタ文] Trickster(ロアルカ)

突発的かつ突貫工事的に季節柄的な何かを放置。あまり深く考えない方が吉だとおもいます。


 部屋を訪ねると妹に呼ばれたけどすぐ戻るからと入れ違いになり、一人取り残された室内を軽く見渡すと、ベッドの上に開きっぱなしの本を見つけた。  明らかに読みかけのそれが気になり、何気なく近づいて覗き込んでみる。  見た限り、それは絵本か児童書の類に思えた。  見開きのページいっぱいに、お化けの行進のようなものが描かれている。画面の端に何か書き文字がしてあるが、おどろおどろしい文体なので判読しづらい。  思わずそれを手にとって顔を近づけたあたりで、部屋の主が帰ってきた。 「ごめんねクロア、待たせちゃって」 「別にいいさ。用事はもういいのか?」 「うん。明日の予定をもう一度確認しただけだから。ところでクロア、それ……」 「あ、悪い。開いたままだったから、どんな本かと思ってつい」  慌てて返そうとすると、ルカの手がやんわりと止める。 「クロア。その本、気になる?」 「まあ、気になるといえば気になるな。それ、お化けの本、だよな?」  ルカはお化けに拒絶反応するタイプではなかったはずだが、かといって好き好んでいるという節もなかったように思う。 「そう見えるよね。でも、ぶぶー。ハズレでーす」  これはね、とルカはこちらの手から本を受け取ると、ぱらぱらとめくって本の最初の方を示してみせた。  やはりおどろおどろしいが、先ほどよりは読みやすい字体で、本のタイトルらしいものが記されている。 「……ハロ……ウィン?」 「うん。なんかね、豊穣と魔除けが混ざった感じのお祭りなんだって」 「お化けの?」 「ううん、あれは人がお化けの格好をしてるだけ。悪魔が来ないように、悪魔っぽい格好をするんだとか」 「……いまいちわからないな」 「別の世界のことを描いた絵本だしね。でも、書庫のファンタジー小説の棚で見つけたから、単純に創作絵本かもしれないけど」  ルカが作者のあとがきらしいページを開く。確かにそんなことが書いてあった。  立ち話もなんだからと二人でベッドに腰掛けて、さらに絵本をめくっていく。 「子供達がお化けの格好をして町を歩いて、あちこちの家を訪問するの。ほら、こんな風に」 「この……合言葉みたいなのは?」  家の扉を叩くお化けたちが叫んでいる言葉があった。字体にも慣れてきて読めなくはないのだが、意味が――そもそも発音が――わからない。 「えっとね、『お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!』って意味みたい」 「ああ、それで皆でお菓子を持ってるわけか……でも、何でなんだ?」  物語の筋は通ったが、結局意味がわからない。 「さっきも言ったとおり、悪魔が来ないようにするためだよ。悪魔の格好だけじゃなくて、悪魔っぽいこともしてリアリティを増すみたいな」 「悪魔ってそういうものか?」 「うーん……悪魔といえばいたずら好きとか、そういうイメージなんじゃない?」  なるほど。つまりは、目には目を、とかそういう戦法のようだ。  一通り絵本に目を通し終えて、最後に疑問がもう一つ。 「でも、絵本なんて珍しいな」  御子業のために政治や経済、歴史書などの分厚くて字の細かい本ばかりを読んでいる姿は何度も見ているんだが……その反動だろうか? まあ、単純に息抜きなのかもしれないが。 「あ、うん……実は、セラピに応用できないかなって思って借りてきたんだけど」 「セラピに?」 「ほら、これって子供達が主役のお祭りでしょ? 童心に返ることで癒される場合もあるかなって……」  そこまで言って、ルカは小さく溜息をついた。 「思ったまでは良かったんだけどねー……」 「何か問題でもあるのか? 俺も案としては悪くないと思ったんだが……」 「じゃあクロア、想像してみて。セラピが始まったら、なんだかお化けのコスプレをさせられて、謎の合言葉を言わされて、お菓子をもらえました。……どう?」 「……どうというか、意味不明すぎて悩みが増えそうだな」 「でしょ?」 「だったら、セラピを始める前に説明をしたらいいんじゃないか?」 「そうなんだよね。でもクロア、セラピ空間で私しか見てないとはいえ、お化けのコスプレして合言葉を楽しそうに大声で叫べる?」 「……難しいな」  だよね、とルカは再び嘆息する。 「こういうとき、ジャクリさんが羨ましいなーって思うんだよね」 「ジャクリが?」 「うん。ほら、ジャクリさんのコスモスフィアなら、その人の記憶から上書きできちゃうでしょ? 年格好は大人のままでも、『今はこういうお祭りの最中で、誰もが童心に返って楽しく過ごすもの』って設定にしちゃえば、心の底から状況を楽しめるようになるんだろうし」  ルカは以前からジャクリのコスモスフィアを羨ましがって、ジャクリにどうすればいいのかと何度か聞いたりしていた。結果、あなたには無理ときっぱり断言されたらしく、そのことでわりと落ち込んだらしい。  その時のことも付随して思い出したのだろうか、ルカはさらにしょんぼりと肩を落とした。 (お菓子をくれなきゃいたずらするぞ、か) 「……まあ、こればっかりは仕方ないさ」  元気を出せと、軽く頭を叩くように撫でる。 「だよね……」  そう。  そんな合言葉を使ったセラピを無理にやろうものなら、あらぬことを思いつく輩がいたり、あまつさえそれを実行に移そうとするような事態も起きないとは限らないのだし。  セラピ空間ではダイバーよりもセラピストの方に主導権があるとはいえ、――それでも、危険な芽は取り除いておくに限るよな、うん。
 そう一人で納得しながら、俺はしょげた肩を優しく抱き寄せた。


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 なんていうかええとファンタジー世界に現実世界の時期イベントを持ち込もうとすると無理が出てしょうがないよね! とかそんな話だった(最低だ)

_ [雑記] 恐縮です

ドロマンクエスト(超弩級のロマンの探究)にハマり続けてる人から大変畏れ多い紹介を受けていたので恐縮することこの上ないんですが、い、一応礼くらいは言っておくわよありがとうでも勘違いしないでよねお世辞だってことくらいわかってるんだからn(以下略) 

今更ではありますがぐりんさんちからやってこられた方がいらっしゃいましたらどうもおはこんばんちはです、個人的にはただ勢いで何か言ってるだけだったりするんですがまあそのどうぞよしなに。

ところでそろそろロマンをもじった渾名に無理が出てきた(今更)ので来年こそは脱ロマンとかしてみませんかおぜうさん。


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