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日々是ダメ人間/雑記

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2009-07-18 うんまあ薄々そうじゃねえのとは思ってたけど公式サイト上(のファンサイト)ではっきり言われるとざっくり来るわあ

_ [ゲーム] Starry☆Sky~in Spring~ コンプリート

全部遊佐のせいです。

……などと結論から述べてみましたがありのまま数週間前のことを述べるならば、遊佐のCDだけを(ネタ目的で)買いに行ったはずがいつのまにかスタスカ春夏まで手元に揃っていた。な……何を言ってるのかわかr(以下略)とかそんな感じでうっかり手に入れてしまったのでコンプしてみた次第ですサーセン。

一応スタスカとはなんぞやって話から始めると、Starry☆Sky、略してスタスカ。「星座彼氏シリーズ」と謳われる本作品のコンセプトは大雑把に言うと12星座の野郎キャラといちゃこらしようぜ(乙女ゲー的な意味で)というもの。リリース形態は「彼氏になるまで」を楽しむゲーム(+キャラによる星座解説CD)と、「彼氏になった後」を堪能するキャラ別ドラマCDの2種類。つまるところドラマCDはファンディスク的なポジションにあります。ちなみにゲームは12人のキャラを春夏秋冬に3名ずつ振り分けて全4本体制でのリリースです。

ドラマCDは1500円*1というシングルプライスながら1時間強もそのキャラが恋人的一人語り(というか語りかけ)をするという大変ボリューミーな仕様で微妙なお買い得感を煽りますが、一般的なゲームなら「一枚のファンディスクに12人分の内容が詰まって本編よりちょい安価格」であることを考えると、商魂逞しいというか上手い商売だなあと思わずにはいられません*2。ただ、お目当てのキャラだけをピンポイントで価格分楽しめるという点では非常にユーザーライクではありますね。

肝心のゲーム本編はというと、うんまあそのぶっちゃけた話、ゲーム本編はドラマCDを売るための釣り針であって大したことなかろとタカをくくってたら全然そんなことはなかったぜ!! いやなんか普通に、すっげー普通にちゃんとした話のゲームでマジビビった。中の人に色々喋らせておけばいいんだろってレベルの色々が適当で話の筋とか空中分解してそうな出来だとばかり思っててほんとすいませんでした土下座。

物語は異能力も異世界もなんもない普通の学園生活が描かれており、またゲームの目的が相手とくっつく事ゆえに、8割方が(キャラ立てのための)日常描写で占められています。よって事あるごとにキャラとフラグを立てて恋愛エンドに向かう乙女ゲーとは微妙に異なり、物語後半まではキャラ同士の友情物語が続き、ラスト一ヶ月ぐらいでようやくルート分岐してフラグ立てイベント、という趣向です。まあくっついた後は存分にドラマCDで楽しめってことなんでしょう。

プレイ期間は三ヶ月間(=サブタイトルにある季節の間)しかないものの、その短い中で語られる友情(+恋愛)物語は、方向性はベタながらしっかりした話作りとキャラ立て、そして中の人の熱演のおかげで普通に楽しめるゲームに仕上がっています。個人的には乙女ゲーというよりは往年のギャルゲの性別反転版という印象。公式曰く糖度が高めの春ですら、その他乙女ゲーと比べるとわりとあっさり目*3に感じましたし。

ドラマCDについては同メーカーがリリースしている旦那カタログシリーズ(色々な性格の夫キャラがシチュエーション毎に延々語りかけてくるCD)の恋人版という感じ。様々なシチュエーションにおいて中の人が一人語り……というか語りかけをしてきます*4。ちなみにドラマCDはそのキャラの誕生月に今年の1月から一枚ずつリリースされているため、ゲーム本編が出ていないのにゲーム後のCDが先に発売するキャラも多数です。ゲームやってないのにその後の内容聞いて大丈夫なのかと言えば、さして問題はないかなあという印象。終始恋人としていちゃこらしてるだけなので、聞いてるうちに「ああこういうキャラなのね」とわかってくるし、再生する前に公式サイトでキャラの(性格)設定を確認しておけばまず問題ないレベルかと。……で、とりあえずゲーム本編が未発売の遊佐を聞いたんですが、まあうんその何だ……とりあえずちゅぱ音*5が中の人自前なのはよくわかった。あの双子座眼鏡八方美人タイプだが中には踏み入らせないもう愛なんて信じない系の21歳教育実習生は人前自重。

以下は春版の各キャラ雑感的な何かを。ネタバレ含むので隠してみます。

土萌羊(緑川)

 緑川はまた忘れられた王子ポジか!(笑)
 ギャルゲ的に言うと空から降ってくるタイプのメインヒロイン(空気はあまり読まない系)です。
 とはいえ根は大変良い子なので中盤からはAKYっぷりを発揮、個別ルートでは往年のたいやきヒロイン的ないじらしさを見せてくれます。
 見所というか聞きどころは各所に挿入された緑川のおフランス語と、頑張って発声している幼少期声か(ぉ いや幼少期声は全員やってるので全員が聞きどころではあるんだけど(笑)
 しかしはらぺこキャラなのにこの爽やかさ、これがグリーンリバーライトの力か……!

東月錫也(小野D)

 なんというおかん。
 彼が何かやらかす度に「なにこのおかん!」と叫んでいた気がします。それぐらい何もかもがおかん。
 いわゆる毎朝起こしに来て弁当とか作ってくれるお隣さんちの幼馴染ヒロイン。いやま「いわゆる」も何もそのものすぎるから困る。
 ただそういった幼馴染ヒロインには得てして天然ぽやぽや属性が付与されていることが多いのに対し、小野Dのおかんは場の調和を第一とした全てを見守るゴッドマザー的おかんなので、その性格ゆえに自らの優先順位はどんどん後回しにしてしまう器用貧乏系の難儀な子でした。
 だがそれゆえに告白OK後のおかんの最強っぷりマジパネェ。まるで某NGの超絶ヘタレからドS攻めへと華麗な進化を遂げた敬ちゃんのようだ。
 そんな我らがおかんに幸せあれ……!

七海哉太(杉田)

 良くも悪くも子供な病弱ツンデレ幼馴染。デレ期間近の金髪釣り目ツインテ黒ニーソ的ヒロインに幼馴染属性と病弱設定を付与したものを性別反転させると彼になるとおもいます(ぉ
 小学生男子ツンデレ思考×病弱とかいう強烈な合わせ技であるがゆえに少々アクが強いキャラ……というかシナリオだったなあと。
 小野Dがおかん、緑川が迎えに来た王子と、他二人のルートにおける主人公は一貫して蝶よ花よと守られる流れに対し、こちらはどっちかいうと半主人公攻めというか、弱い二人で力を合わせて一人前みたいな流れというか。
 子供ツンデレ病弱、という設定をその通り形にしたキャラ立てっぷりは素晴らしいと思います。つーか基本的にスタスカはキャラの性格に(設定やシナリオ上での)ブレがないのが素敵すぎる*6
 つーかもうね、「病弱」という枷のせいでロマンチストとリアリストが混在し*7、前向きさを前面に押し出すことで常駐している諦念を見ないようにしている子でしたよもうダメじゃんこういう子はもっとちゃんとガッツリ引き上げてやらなきゃさあああ!!!(ばんばん)
 だが悲しいかな本シナリオでは、主人公が杉田と似たもの同士的なキャラとして描かれており、後半からは前半の杉田が乗り移ったかのような子供っぷりを披露してくれちゃったりするので、主人公の王子化を期待するとわりとしょんぼりします、っていうか大いにしょんぼりした!(笑)*8
 つうか杉田かわいそうすぎるだろ杉田。健気すぎてマジ泣ける。そりゃあ残りの二人もすっげー良い奴になって二人を祝福するわ!(笑)
 とはいえ、似たもの同士な幼馴染が不器用に手探りで気持ちを確かめていく、という流れは悪くはないし(つうかよくできてると思った)、危なっかしいけど微笑ましくもあるよね、というわけで期待は裏切られたけど良い話でした。
 うんほんとすいませんこういう諦念抱えたまま笑って相手を見送るのなんか無理だけどそうするしかない、とか自ら幸せ掴みたいけど掴めないから掴みに行けない子とかマジ弱いんだ!(笑) 別に病弱とか死にネタ的なお涙頂戴系に吊られてるわけじゃないんだ、ただこいつ(ら*9)の凝り固まった諦念抱えっぷりが見てられないだけなんだYO!!!

まあそんなわけで誰が気に入ったとかもはや言う必要がない気がしますが、一番ギニャー!となったのは杉田。でも一番幸せになって欲しいのはおかんです。おかん最強すぎるよおかん。

……えっとまあ何故か杉田のCDが手元にあったりする不思議なわけなんですが、いやこれは単に杉田のあのちゅぱ音は不器用さを出すための演出として本編中にのみ適用されたものなのかそれとも杉田の標準仕様なのかを確認したかっただけといいますかね!*10 ほ、本当にそれだけなんだからね! ネタ目的なんだからね!! あ、ざっと聞いてみた感じどうやら標準仕様っぽいですが、でも全編通して不器用で、という音監さんの指定というセンもあるよねっていう。……って今になって思ったけど大変どうでもいいことだなこれ!!(笑)

総評。ユーザーの琴線をばんばん弾きまくる豪華かつピンポイントな中の人布陣でそれっぽく作った関連商品売りまくってやんよ、という商魂逞しいシリーズかと思いきや、その中身は大変実直な王道路線の直球勝負作品。リリース形態はどう見ても分割商法です。本当に(以下略)、しかし各商品のクオリティとボリュームで価格のお手頃感を演出し、その上で外しのない中の人布陣で見事なユーザーホイホイを構築しているのは恐れ入った。実際ゲームは普通に面白いし価格分めいっぱい楽しめるし、気に入ったら個別CDに手を出してさらにハァハァしたらいいし、この「気に入ったら手を出してね」という誘い受けと見せかけた誘い攻めっぷり、嫌いじゃないぜ。乙女ユーザーの勘所をガッツリ抑えたhoneybee商法、こ、これからも喜んで釣られてやらなくもないんだからね!!

*1 税抜き

*2 まあゲーム本編の全4本体制もですけど

*3 質が、というよりは量的な意味で

*4 例えば「えっ、どうして笑うのかって? それは……」といった一人芝居状態で

*5 正しくはちっす音

*6 いやそれ当たり前のことなんですけどね! ほんともうガ○トちゃんのおかげで世界が鮮やかに見えすぎて困るよ!!

*7 ルート入ってみたら普通に誰よりも現実(及び主人公)を理解しすぎてて吹いた

*8 最初にノーマルエンド行きの選択肢で進めたせいも大いにあるんだけど……つーかあの蝶追い打ち対応はまさに外道レベル(えー)

*9 まあ誰とは言わないけど某ゆずゆとか(言ってる)

*10 遊佐だけでなくリョクセンコウも小野Dも「CHU」的な音声だったのに杉田だけ「んっ」なのはどういうことだって話


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