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日々是ダメ人間/雑記

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2013-06-23 ノルンサントラの止めどころが迷子

_ [ゲーム] ノルン+ノネット コンプリート

薄桜鬼のヒット以降、乙女ゲーメーカーとして様々なタイトルを定期的かつ短期間のうちに休みなく連打し続けるオトメイトさんより、歴戦の乙女ゲユーザーたちへ新たなる刺客が送り込まれて参りました。その名は「ノルン+ノネット」。攻略対象は9名とやや多めですが、プレイヤーキャラであるヒロインが3名配置され各人に3名が割り振られているゆえ、プレイしてみるとさほど多いように感じない不思議。そして何よりヒロイン3名には中の人が割り振られ基本的に台詞は完全フルボイスです。いいですか、プレイヤーキャラ含めて完全フルボイスです。大事なことなので二度言いました。ものすごく大事なので頭の中で復唱しておいてくださいヒロイン含めて完全フルボイスであると! もうノルンの何がいいってヒロインが喋ることだー!!*1 いやそれだけじゃないんですけど! でもとりあえずはここ推しておきたい!! てかネタバレせずにノルン推すにはまずここからしかないっていうか!! 当然ながらプレイヤーキャラの名前(苗字は固定)は自分で入力可能ですがデフォルト名だと全員が名前呼んでくれますひゃっほうもうこの機能はオトメイトさん以外のメーカーさんも踏襲したらいいと思うんですよ業界標準にしてもいいと思うんですよデフォ名呼んで欲しくないなら別途名前入力したらいいわけですしって話が逸れた。とりあえずヒロインが喋るだけでこんなにもキャラの魅力がダダ上がりするもんかと驚いた。ほんっとーに三人ともぎゃわいすぎる。そら野郎側も色々辛抱たまらなかろうて。

物語は「能力者」と呼ばれる超能力的な何かを持った9人の男女が、空を飛ぶ船に集められて目的地まで旅をする……という内容。正直あとは公式※リンク先音出ます注意)を見てもらうしかないというか、公式見るとますます混乱するだけなような気もするけど書いてあることは何一つとして間違っていないのでしょうがない。公式のストーリーにある「少年」というのはプロローグ的な部分でのプレイヤーキャラであり、「ノルン+ノネット」という物語をまだ知らないプレイヤーと同じ目線で世界を客観視してくれる実に優秀な語り部です。あのストーリー部分だけ見るとまるで少年が9人の男女の恋愛模様をストーキングして観察していくゲームかと勘違いしそうですが*2安心してくださいプロローグ以降は3人のヒロインを選び、そのヒロイン視点で話が進んでいきます。

とりあえず公式の「WORLD」を眺めてあの世界観に少しでもワクテカするものを感じたらプレイして損はないと思います。逆に、世界観は二の次でキャラクターが気になる、という方は残念な結果に終わるかもしれない、という心構えを持って挑んだ方がいいかもしれない。先に言っておくと、ノルンはキャラクター全てのエンドに綺麗に畳みきった風呂敷が用意されている部類のゲームではありません。ある一つの世界観があり、そこで各キャラクターがこう選択するとこういう展開になってこう終結する、という9つの流れ(物語)を追うことによって一つの物語を把握することができる、要するに群像劇モノです。それを念頭に置いてプレイするだけでだいぶあのゲームの見え方が違ってくると思います。とくに各エンドの印象とか。もうね、ほんと先に言っておくけどこういう系統のゲームに慣れてない人はとりあえず駆さんか朔也あたりから始めるべき。いきなり搦め手方面から攻めるとほんと痛い目に遭う。誰とは言わないけど一月さんとか一月さんとか一月さんとか*3。いいですか、これは冗談などではなく警告だ、マジで「何このゲーム金返せ」って気分になりかねないからほんとに。そこで諦めずにじゃあ他ルートはどうなんだ、ってやってもらえたらいいんだけども、そこで諦めない人っていうのは多分こういうタイプのゲームにアレルギーがないタイプだろうな、とも思うので。逆に、2~3人攻略してみてそれでもピンとこなかったら本当に合わないかもしれないので、そこで止めてしまうのも一つの選択とも思います*4

システム的にはオーソドックスな選択肢制のADVで、スキップやバックログなど一通りは揃っています。スキップもそこそこ早いのではないかと。まあこの辺りはオトメイトさんなので心配は無用といったところでしょうか。プレイ時間は結構かかる部類かなーと。慣れてくると1キャラあたり5~6時間くらい(オートプレイでボイス全部聞いてそのキャラのエンドを全て回収するのにかかった時間)だった覚えはあるので、それを9キャラ分+プロローグ+エピローグ、ということで後はお察し。ただテキストがものすごく読みやすい*5のと、物語上様々な「説明」をする箇所が多々あるものの、一気に説明を詰め込んであったりはしてないので本当にすらすら読めていけます。あとオートプレイのタイミングがかなり神がかってて感動した。大抵のゲームではオートにした時、台詞と同時にテキストを送る設定にすると地の文が読めないスピードで飛ばされることが多いのですが、ノルンはそれがない。しかもデフォルトの設定ですごい快適に台詞終了してすぐテキストが送られ、地の文も普通に読めるとか何この神仕様本当にありがとうございます。上述の理由で普段オートを使わない私がほぼオートで読み終えたよ……マジ感動した……。

でもって音楽。ノルンの何がいいって音楽もいい。公式で聞ける音楽をずっとエンドレスで聞いてて飽きない人はサントラ買うといいと思います。止め所がわからなくてしこたま聞き続けてしまうことうけあい。歌もいいけど曲もいいよお……あとやなぎなぎの演技力がマジぱない。何のことかわからん人は公式行ってキャラクターの「アイオン」のサンプルボイスを聞いてみるといい……歌姫ぱねえ……。

それからノルンは各キャラにバッドエンドが存在し、スチルのうち1枚はバッドで回収することになります。ゆえにスチルをコンプリートするにはバッドまで見るしかありません。バッドが苦手な方には大変アレな仕様ではあるのですが、個人的にはこの各バッドが最高すぎて転げ回ったクチなのでほんとできたらバッドも見ていただけると! ほんと是非! あ、あとバッドでしか判明しない何かとかもあったりするので、ノルンの世界観を少しでも知りたい人はバッドやった方がいい気がします。グッドエンドの対局に位置するエンドゆえにわりかしつらい内容が多いものの、エログロ的な凄惨さはないので……グッドがあるからこそのバッドと思ってチャレンジしていただけると……ると……!*6

あとすごくどうでもいいことなんですが、私ノルン発売前からずっとすごくエロゲの発売日を心待ちにしてるような感覚でいて、何でだろうそんな楽しみなのかなあいや楽しみだけども、と思いつついざプレイしてみたらノルンはまごうことなきエロゲでした。別にエロいシーンがあるないって意味ではなく(いや実際そういう展開を多々含有している物語ですけども)、物語を表現する上での自由度の高さとかが。わりとこっぴどい設定群、基本的にエロいことに興味津々というか場慣れしてる野郎ズの思考、心を通わせたことにより違和感なく移行する濡れ場展開(但しCSなので現場はないぞ☆)、突然の壮大な設定群の開示、キャラによっては畳まれないままの世界観の風呂敷(もちろんキャラのは畳まれている)、かーらーのー全ルートを踏破することで気が付けば畳まれている高等風呂敷畳みスキル、等々の印象が私の中にあるエロゲの印象とピタリ一致すぎてもうね。いいからオトメイトさんは早く逆移植版ノルンを作成する作業に入るんだ。というか初回プレイ時からもうニトロが移植してくれた版ならこうなるんだろ?(ゲッヘゲッヘ)とニトロ+ノネットを妄想しながら選択肢を選んでいたことをここに白状します。いやこれ初期のニトロと相性いいと思うんだよこの世界観まじで! ほんとに!

さてもう後は何を言ってもネタバレにしかならないので、とりあえず興味持った方は是非プレイしてみていただきたい。そしてほぎゃあと転げ回っていただきたく!

以下はネタバレありのキャラ雑感とかー。ほんとノルンはネタバレなしで最後までプレイしていただきたいでござる。

プレイ順は一月さん(chapter5冒頭で中断)→駆さん→一月さん(再開)→平ちゃん→ロンさん→あっくん→朔ちゃん→なちゅぴこさん→千里きゅん→まーくん、の順。一部よくわからない渾名ですが察して下さい。

一月さんを中断したのは、一月さんから始めた人が口々に「最初にやるキャラじゃなかった」と呟いてたので……その後駆さんを選んだのは、購入前は駆さんから無難に始めようかなと思ってたので。じゃあ何で一月さんから始めたんだって言われると、あやひーのツンデレが素晴らしいって聞いたからついふらふらと。

駆(梶くん)

 中の上くらいの見た目の爽やかイケメンを装った合理性重視の冷静な観察眼からくる自動腹黒属性(※1)、その上で請け負ったことは律儀にこなす(※2)、必要と判断すればリーダー的な積極性も発揮可能(※3)、手慣れてるように見えてわりかし純情でありつつやることはしれっとやる(※4)、とどめの洗脳設定(※5)、駆さんのエロゲ主人公としてのハイスペックぶりに戦慄するほかない※1:地の文を担う語り部適性、※2:フラグ立てのイベントをこなす力、※3:プレイヤーキャラとしての主導権を担う、※4:濡れ場へのスムーズな移行、※5:純愛から陵辱まで幅広い展開が可能)。
 とか言ってたら「はっ、ショクーシュ技に使える能力……!!」って返されたのでもう駆さん一人でいいんじゃないかな(真顔)
 ただ駆さんについてはラスボスのしろーさんと直結してるせいか、色々とぼかされたままな点が多い、というかあえて情報を伏せている感がひどいなあと。
 なので深く考えても答えは出なさそうだしとりあえず公式の情報開示待ちして、開示されなかったら「洗脳されてたから」って一言でざっくり流せなくもないので、そのあたりで落ち着けておこうかなとか。
 あとわりと珍しいタイプ(二面性ショタでもドン黒でもなく)の梶くんキャラだなーと思いつつ、梶くんが実にいい仕事をしてくだすってて大変美味しかったですね! 色々揺らいでるあたりとか弱ってるあたりの演技とかうひゃーってなりました。

千里(下野)

 一番非力なキャラにラスボスとのガチンコ対決を持ってくるとかほんと予想してなかったわー!
 彼の引き籠もり気質をもってこはるたんの孤独云々をクローズアップするのかなとか思ってたらむしろこはるたんの孤独については駆さんが持って行ってたね……いやほんとびっくりした。
 黙ってればいいのにピンポイントで地雷を踏み抜きにいく千里きゅんのこと、嫌いじゃないぜ……。
 グッドEDもあれ結局ヒッキーに戻っちゃったのか……って思ったらまさかの伏線回収でほんと最初から最後まで良い意味で裏切られっぱなしだったなあ。
 あと兄がどう見てもDTだったのでまさか弟はピュアを装った下克上黒系進化を遂げてしまうのではとハラハラしてたら全然そんなことなくってほんと安心した!!(笑)
 恋愛性的方面に関しては超純粋培養なこはるたんの前でちょっと背伸びして大人ぶろうとしたけどそもそも大人が何だかわからないままな千里きゅんのままでいてください……。

正宗(佐藤さん)

 なんていうかマダオすぎて吹いた。
 ほんとこの人まるでダメな大人だああああって頭抱えたの久し振りでしたまーくんマジマダオ(「まだ俺は本気出してない」の接頭語
 何でもいいけどまーくんと千里きゅんに某ユゥジうぃずディバイザーとヒロうぃずデュセンを垣間見たりなどしてたのは私だけでいい。
 あと特殊EDは指差してばくしょうした。おいいいいいいおまええええええええええええ(ばんばんばん)
 あのEDに突入する際の、駆さんの爽やかな一言が未だに忘れられない。

朔也(サイガー)

 幼なじみツンデレヒロインという約束された勝利の剣を携えながらしかしその剣を抜くことはできないシンデレラと見せかけて実はロミジュリ展開とかはんぱねえ。
 王道少女漫画を見せつけられた心地でした。
 唯一明確にリセットが行われるルートというのも趣深い。
 あと一月さん(バッド)やった後にプレイすると一月さんが色々な意味で見てられなくて死ねる。いちがつさん……。

一月(ゆっちー)

 一月さんと書きながら頭の中では「いちがつさん」呼ばわりしていますが何か?
 女好きのチャラ男にツンデレお嬢様が籠絡される話かゴクリ……とか思ってたら中の人ゆっちーなのにキャラが地味すぎるとか思わずツッコミ入れそうになるレベルでわりと純な人だったのでほんとどうしようかとおもいました。
 一月さんのグッドを見た時にすごい懐かしい感覚がして、なんだろうって考えてみたら「(キャラによってこういう終わり方をするのは)エロゲではよくあること」っていうことでした。
 ああ私がノルンに対してエロゲにも似た何かを感じていたのは間違ってなかったんだなって……ほんとどうでもいいことですがそうおもいました……。
 ていうかこの人本人のグッド以外(バッドとか他の人のルート)で色々輝きすぎてて困る……なにこのいい人……どういうことなの……いい人すぎて涙出てくるんですけど……(うっ)

夏彦(小野D)

 ビジュアルが! 誰よりも好みです!!(えー)
 もうヒヨコが喋った時点でおいこれ絶対本人喋ってるだろって思ってたらその通りでほんとに爆笑した。
 あとそのなんというか、スチルの肌色率とアングルにびびった。お、おう……実に挑戦的ですね……(CER○方面に向けて)
 スチル差分の深琴たんの腕に袖があったのを見た瞬間「CER○さん仕事したんやな」ってしみじみ思いました毎度毎度ご苦労様です。
 それとヒヨコチャンネル中継時の放送事故っぷりが毎回ひどすぎる。あと深琴たんの妄想上のなちゅぴこさんが回を追う毎にえらいことになっていってほんとばくしょうした。

暁人(杉さま)

 あっくんマジチョロ甘。共通ルートでもわりかしチョロいなあと思って本人ルート入ったらハンパない勢いでチョロくてびびった。
 七海たんの過去を絡めつつの二転三転する流れがすごく引き込まれて、よしよしうまくまとまったじゃないかって思ってたら、そういえばペア解消するんだったね……って私も一緒に驚いてた。
 あっくんのチョロいくせに色々と不器用なところがなんというか大変DTだなっておもいました(こら) あと濡れ場じみてきたら途端に言葉攻めに走るあたりとか(いいぞもっとやれ)
 七海たんが絡んでくるあっくんルートでしか兄弟ネタが昇華されないあたりもシナリオの配分上手いなあ……とか思ってみたり。

平士(よっちん)

 なんかずっとぐすぐす泣かされながらプレイしてた。
 平ちゃん自身の方もアレなんだけど、七海たん側の事情が色々つらくて怯えててどうしたらいいかわからなくて迷ってて、でも終盤の扉越しに手を重ねるスチルとかほんっとーにふぎゃああってなったうううほんとうめえ……ライターさんほんまうめえな……(ばんばんばん)
 対するバッドはうっひょおおおおおってなりました。え、もちろん歓喜の悲鳴ですが何か?
 いやー上手いわーほんとグッドの対局位置をばっちり持ってくるよね……ライターさんわかってるわー……(しみじみ)

ロン(杉田)

 キャラがよくわからないって話を聞いてたのでどんなんやーと思いつつプレイしてたんですが、平ちゃんの「動物っぽい」発言が全てを示していたのかなと。
 人間の知性を持ちつつも物事の優先順位とかが動物(本能)的ゆえに違和感が出るというか。頭の回転そのものはすごく早くて洞察力にも優れてるけど本能的に動く。人とは違うカタチで世界が見えていて、よくある殺人衝動とかそういう系列の何かが彼の中枢にある。
 まあ簡単に言うと西○維新作品に一人か二人か三人か四人くらいはいそうな奴といえばだいたいわかってもらえそうな気はしている(ぉ
 まあそれはともかくとして、バッド含め全エンドで面白いぐらいにすっ転ばされて今に至るなど。
 ていうか何なんですあのバッドひどい最高ありがとう大好きだよこなくそありがとうがんがんばんばん。
 銃声が一発しか聞こえてないので多分戻った一月さんが七海たんを止めて以下略、というのを察してくださいという話だとは思うんだけども、個人的には「すぐ追いかける」という七海たんの言葉を信じてる派。いやだってあそこでさらに迷うことがあるかなあって……まあ一月さんが実は家のすぐ側で待機してたとかなら間に合うかなとは思いつつ、でも残された七海たんを思うとじゃあ例によって助けた責任取って夢の中へって寸法しかないじゃないですかー一月さんのバカーそれはそれでひどいよー><
 いやま駆けつけたら二つ死体が転がってる光景を見せられる一月さんってのもこっぴどい話だとは思うんですけどね……でもそれはそれで綺麗な終わり方かなって……こういうこと言ってるから私マイナーなんだな……知ってた……。


  • というかノルンはほんとバッドが! バッドがたまらなさすぎて本当に大好きすぎるんですけどばんばん!
    自らの選択が間違っていたことによる致命的なまでの覆水盆に返らず感とそこに漂う麻薬めいた甘く優しい毒の霧みたいな雰囲気がたまんねえちゅかなんちゅかー!
  • ノルンの野郎共の思考が少女漫画でなく少年漫画寄りの「エロいこととか普通に考えてて当然だろ」的姿勢が乙女的には珍しいというか新鮮というか正直嬉しかったなあ。
    当時の貞操観念ってあんなんだったんかなーと思ったもののよく考えたらリアル大正時代ではなかったわけで、こういうとこも上手い作りだなーって感心したりなど。
  • ラスボスことしろーさん絡みで色々と明確にされてない部分がちらほらあって、そのへんをさんざん考えてはみたものの、意図的に開示されてない情報群があって、そのせいでいくつかの可能性を挙げるとこまでしかたどり着けないっていう。
  • 最初にオリジナル空汰を見た時「えっ……自作の喋る女性型アンドロイドと一緒に一軒家に引き籠もりとかそれなんてヲタk」とか思ったりとかわりとしていた。
  • この物語はどこまでも緻密に作り込まれた設定から出来ていて、どのルートにおいてもキャラの言動にブレがないのはDであるライターさんがお一人で書かれたからなのかなと。
    テキストも読みやすいし、読み手を引き込ませる展開、二人が惹かれあい引き合うまでの丁寧な描写、グッドバッドの話の高低差、特にバッドにおけるその気になればものすごい凄惨なオチにもできた所をグロくなりすぎない程度にふんわりと綺麗に包んでみせたバランス感覚、こんな安定感と信頼性の高いライターさんなんて久々に出会った感。
    もはや、話に矛盾めいた何かや不可解な点があれば「意図的にそう見せてある」としか思えなくなってくるから困る。いやほんとに。あのライターさんならこんな些細なミスに気付かないはずがない的な感じで。
    いやうん信者乙と言われてしまえばそれまでなんですが、そんなわけでVFBとかでライターさんのネタバレ含むロングインタビューとかそういうのください……。

総評。とてもいいゲームだからみんなやれ、と言いたいところだけど乙女ゲーというジャンルにおいてはかなり尖った異端者であることは否めず、万人に手放しでお勧めすることはとてもじゃないけど出来ない快作というかある意味怪作と言うべき代物。全てにおいてゲーム中の本文テキストをもって明確な回答が示されないと据わりが悪い、という方には正直ストレスしか与えない気さえする。プロローグと9つのルート、そしてエピローグに散りばめられた情報のピースを繋ぎ合わせて元の物語の形を再構築していく作業を面倒と感じないのであれば、エピローグ後の再プレイ時に味わえる「そうだったのか!」という納得感、それに付随する感動やカタルシスに打ちのめされることうけあいです。

ノルン+ノネットをプレイされる皆様、どうかエピローグまで見てやってください。世界はそこから変わってゆくんだ。

*1 ただしプレイヤーキャラに選んだ場合のモノローグや地の文は喋らない

*2 それはそれで実に斬新な乙女ゲーだなと感心していた勘違い野郎は私だけですかそうですね

*3 奴からプレイを始めた人がクリア後に皆口を揃えて言ってきた

*4 9人もいるのでプレイ時間結構食いますし、やるだけやって何の成果(満足)も得られませんでした!となっても誰が責任を取ってくれるわけでもないので……

*5 この点については多数の人から同意をいただいたので、偶々私に合っている文章、というわけではなく広く一般的に読みやすいものと思われる

*6 すみませんもうかわいそうなぐらいにバッド推しすぎてほんとすみませんすみません土下座


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