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日々是ダメ人間/雑記

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2014-09-15 略称はあはん(「あ」やかしご「はん」)と呼んでます(※もちろん非公式)(他に呼んでる人見たことない)

_ [ゲーム] あやかしごはん コンプリート

日を追う毎に過激にファイヤーな方向へと進化を続ける乙女ゲ業界で、異能力も異種族も存在しないとにかくただただ普通の学園生活を送らせてくれることに定評のある我らがハニビ様の新作、「あやかしごはん」(リンク先音出ます注意)。スタッフはきらっきらした星座彼氏どもとスーパーヒロインマジ天使つっこを生み出したスタスカでお馴染み中村D×カズアキコンビ、媒体をCS携帯機からPCに戻し、今も昔もガチンコ王道路線を歩み続けてきたハニビ様初のファンタジーものと来たらそりゃあお布施しない理由などなかった。まずは中村Dを初めとするスタッフの皆々様に心からの感謝を。スタスカ春でグワシと掴まれた俺たちのハートは再び打ち震える事と相成りましたのことよ。

舞台はとある田舎の山村。あやかしと人間が共存するその村で暮らすことになった主人公が、そこに住む者達と心を通わせていく物語。……とものすごい大雑把な概要をまとめてみたらもはやこれ何てエロゲ感ぱないですが正直なところ性別逆転させたらどう見てもエロゲです本当にありがとうございました。いや性別逆転させなくても普通にエロを差し挟むとエロゲ(もちろん男性向け)に仕上げられそうな感すらありまあ要するにものすごく好みでしたよね!! とまあエロゲエロゲ連呼しましたが内容はこれっぽっちもエロくないのでご安心ください。何せこのゲームで一番エロいのは石田キャラの生足です。な、何を言っているかわからねーと思うが(以下略) いや正直あの足だけでR15くらい付けてもいいぐらいのレベルだった。*1

ゲームはまず幼女主人公を操作するプロローグ的な少女時代編から始まり、そこでの選択結果で成長後の主人公の性格が変動するというある種の2主人公制を取っています。攻略対象の野郎は6名いますが、性格ごとに3名ずつ固定です。まあとりあえず幼女マジかわいいでら最高。あ、主人公の名前は「朱音凜」で、名前のみ変換可能、デフォ名時は野郎共がきちんと名前を呼んでくれるし何より凜たんは完全フルボイス(もちろんボイスは全員オンオフ可) もうこれ乙女ゲ業界のデフォルトになればいいのに……*2。そして凜たんの中の人はあの友永朱音女史であり、とりあえずその名前を聞いた時点で全力でお布施しようと心に固く誓いました(真顔)

変化する主人公の性格は「明るく前向きでグイグイ行くタイプ」と「暗くて人と関わりたくないヒッキー手前タイプ」というかなりの二極化を見せます。前者はあやかし編、後者は人間編とルートが分岐しますが、前者はのっけからどんどん野郎キャラと関わっていくのに対し後者はまず主人公自身が他人と関わるところから始まるため、人間編の前半は半ばギャルゲーの様相を呈しています(ヒロインの精神疾患を治すゲーム的な意味で*3)(個人的にはこの人間編の共通ルートが実に良い出来で打ち震えた) またゲーム期間は約半年で、最初の約3ヶ月間が共通ルート、残りが個別ルートとなりますが、主人公と野郎がいちょこらするのは基本的にラスト以降であり、全体を通して乙女ゲ的なときめき成分はさほど多くはありません。ストーリーと男女仲の進展具合としてはスタスカ春の感覚が一番近いかと。春組男子三名が仲良くなるまでが2/3で、ヒロインが誰か一人を意識し始めて以下略するのが1/3、という何この友情物語いいぞもっとやれ(そういえばこのゲーム何のゲームだっけ)的なアレです。ちなみに全員クリア後にようやく解放されるおまけシナリオは短いながらも糖度高めなので皆頑張ればいいと思う。

操作システムはいつものハニビ様。クイックセーブロード、バックログに音声再生など基本的なものは揃っています。スキップ速度もなかなか快適。ただしPSPスタスカであったようなバックログから任意のシーンに巻き戻す機能はありません。ただこれは、この物語の構成的にあえてハズした機能と見ていますがどうでしょうか。

そしてこのゲームで何がいいって音楽がいい。それもそのはずまにょサウンドだよ!! ゲーム発売前に別途音楽集が出ると聞いて万歳三唱したのも良い思い出。まにょサウンドがほんとたまらんちん。しっとりさせるところからクライマックスで盛り上げるところまでパーペキですよぐわーほんま最高ですわ。まにょさんいつもながらマジいい仕事してくれた本当にありがとうございます土下座。

プレイ時間的にはだいたい共通ルートと個別ルートがそれぞれ5時間前後*4といったところでしょうか。ちなみに石田は攻略制限かかってますのであしからず。後は公式の発表も見ておいていただければ。

ひとまずネタバレ抜きで告げられるのはここまで。後はもうこのゲームの最重要ネタバレに抵触しかねない。とりあえず、この乙女ゲームはあやかし達と終始イチャラブするゲームでは断じてない、ということだけは全力でお伝えしておきたい。基本シリアスでエロ要素はほぼ無いと言って良いので。まあ後者はハニビ様のゲームって時点で察していただけるかとは思うんですが念のため。

では以下はネタバレ込みのキャラ雑感をば。

順番はクリア順。

謡(下野)

 中の人も仰ってたようにもっとおバカキャラかと思ってたら全然そんなことなくて自然と空気読んで気を回せるいいお兄ちゃんだった件。そこはほんとびっくりした。詠ルートとか輝きすぎだろうお兄ちゃん。
 何よりも「根暗女」を更生させた功績はマジ偉大。謡ほんま良い奴だなー。
 あとは恋愛感情に目覚め始めてる主人公との感覚のズレとか、うああだよねええ謡ならそう言ってくるよねええって見てるこっちが頭抱えたなど。ぐわーそゆとこ王道ながら着実で上手いわー。
 とはいえ、あの終盤の降って湧いたようなピンチパンチポンチ展開の唐突感は否めない。
 いや確かに初邂逅時のアレがそうだったんだよ! と言われたらあっ、そうなんだ……としか返せないものの、だがそれにしたって幼女編で「よくないあやかしもいる」って言われてからこっち、もうずっと良いあやかししか出してこなかった上で何の前触れもなしにQOK(急に鬼が来たので)ですよ。
 アレはさすがに面食らったというか置いてけぼりだったなあ。もうちょっと伏線とか張れなかったですかね……ちょうど時期も二月だったし節分イベントでも起こして鬼の存在を匂わせるとかしてくれても構わなかったですよほんま。
 それにしても謡ED後の凜さんがこあくま全開でどうしようかと思ったいいぞもっとやれ。こあくま凜さんマジやべーわ誰よりも惚れたでござるよ。

萩之助(だいちゅうさん)

 意図的なKYと事後報告がウリの手の早さに震え上がった件。ちょっ恐い! ナチュラルイケメン恐いよ何言ってくれちゃってんの!?!?!!(ばくしょう)
 もうくっついた後のはぎちゃんの手練手管の数々といったら末恐ろしいってレベルじゃなかったわ現時点で恐れ戦いたわ。
 共通ルートにおける根暗女の更生要員としても素晴らしかったと思います。無言の強制力を孕んだKYと酷似した境遇で凜さんを導いた流れも良かったなー。
 そうして更生した凜さんがはぎちゃんを助けたいと奔走する様は、あのヒッキー一歩手前からこんなにも成長して……と親心的な感じで見守ってしまったなど。
 しかしはぎちゃんルートの終盤も唐突、というか雑だったなあと。いやピンチ展開の入り方はまだいいとして、その打開策もうちょっと何とかならんかったのか的な意味で。
 共通ルートの中盤でちらっと出てきた程度で後はろくに出番のなかったまーくんから昔教わったとか、えっえええとあやかしを見る力もないパンピーのトーシロにすら扱えちゃう陰陽道って随分とお手軽なんですねって苦笑するしか。
 せ……せめてそこはあの、あやかしが見えるようになりたい的な主張をするはぎちゃんと一緒に、あやかしと関わった時に何かあったら危ないからってことで護身術的に凜さんと一緒に教わるとか、んで拝み屋稼業の家系だったらしい凜さんがスジが良いけどまあ素人だからそんな上手くはいかず、最終的には二人で協力して初めて発動させられてめでたしめでたしとかでも良くなかったですか……。
 でもまあはぎちゃんのおかげでこのゲームの乙女度がかなり上がった気がするのではぎちゃんは大変いい仕事したとおもいます。
 あ、あと凜さんの巫女姿が一切表示されないという致命的なバグがあったのでここマジどうにかなりませんか(真顔)

蘇芳(杉様)

 個人的に一番評価してるシナリオ。
 「根暗女」であった凜さんが更生して、色付いて見えるようになった様々なものを一つ一つ受け止めて大事にしていってる最中に、「一番は何だ」って言われてもそりゃ選べないだろうし、自分という存在の価値もろくに理解できてないから、「お前が一番だ」と言われてもそれは勘違いだとしか判断できない。
 その上、蘇芳自身も人間の感覚や言語を理解しきれてないわけで、この二人はどうやっても平行線にしかならんのでは、とハラハラしながら終盤を見守っていたのですが、蘇芳なりにきちんと考えて彼なりの言葉を尽くしてくれたおかげで凜さんが諸々に自覚して受け入れる、……という流れがものすんごく良かった。
 あと、着実な好感度上げからのケンカ別れ、というある程度の不穏な空気を匂わせた直後に事件を起こし、ミスリードとわかっていながらもしかし確証は握らせないミステリ的鉄板を踏んでたのも好印象。あと個別ルート入ってからも全員でわいわいする流れが多かったのも個人的にすごく楽しかった。
 何よりも景墨の中の人の演技が最高だった。まさかハニビ様作品でこういう演技聞けると思ってなかったので感動したわーこれはナイスディレクション。
 そしてバッドエンドもマジ良かったです画面の前で思わずガッツポーズしましたね!(ありがとうハニビ様良くやってくれたあああああああ的に)

詠(梶くん)

 よーちゃんマジチョロイン。あやかし編に来ておいこいつ想像以上にチョロくね?と思いつつ進めていったら凜たんよりもヒロインしてた件。こいつは実にいいチョロインだぜゴクリ……。
 そして紅蓮が出てきてからの凜たんが一気にヒーロー化してときめいた。な……何なんですこの普段はやんちゃ気味で手に負えないのにいざとなったらすんげえ格好良くピンチに現れる少年漫画主人公的なノリ……その上ヒーローはヒーローでも誰かを守るためには自らを犠牲とすることを厭わないアンパンマン系孤高のヒーローだよ何これ惚れる以外にどうしろと。
 あと、凜たんが追い込まれていく流れがすごく丁寧かつきっちり外堀から埋められていってたのがすごく好印象。
 でもってこちらもバッドエンドが素晴らしかったです全力でガッツポーズしたよ!! 全滅してたらある意味凜たんの勝ち逃げだったけどそんなことはなかったぜ!!っていうあのそこはかとない覆水盆に返らず感堪らんかったですね! ありがとうハニビ様でこういうの見れると思わなくてほんとときめきました!!!

まーくん(興津さん)

 平安陰陽師という乙女界隈では既に使い古された感すらあるネタをさらにガチンコ転生ネタに絡めてくるとかハニビ様の王道路線にあらゆる意味で心が震えた。
 正直序盤はおいこれどうまとめるんだと懐疑心たっぷりに眺めてたんですが過去編からの引き込みっぷりに素でビビりました。なにこれちくしょうすごくうめえ(mgmg)
 攻略時はバッド→グッドの順で見るようにしてたのでバッドでのあの一言にほんぎゃーしましたありがとうそういうの大好きです!!!!!!
 そしてグッドの流れに入ってみたら、何この遅れてきたヒーローに勇気づけられて力を発揮するヒロインの図。おまけに対峙してるのはヒロイン自らが生み出した呪いの権化とかどんだけ燃えればいいのかばんごろ。
 プレイ前はあやかしVS陰陽師の白熱のバトル展開クルー!?とか思ってたのでそこはやや肩透かしではあったものの、これはこれで燃えたのでいいと思います。*5

浅葱(石田)

 一から十まで石田でした。もう石田が石田石田石田しすぎている石田キャラの鑑みたいな石田だった。いつもありがとう石田。
 真相ルートの案内役ポジに徹していたのは普通に良かったと思っている派。あの流れに恋愛を組み込むのは尺、というか段階が足りない気がするし。唐突感はもう沢山でござる。
 それにしても浅葱ルートのスチルがどれもこれも素晴らしすぎて特に凜たんの美脚が別アングルから計二回も拝み倒せるとかどんだけですかありがとうありがとうカズアキ神マジありがとうございます。ヒロインの太腿の裏側が拝み倒せるのはあやかしごはんだけ!!!!!!
 おまけシナリオは我々に箱の中に一つだけ残った希望(だが形はあやふや)を与えてくれたものの、もしFDでルートができたその時は、諸々きちんと丁寧に段階踏んで描いていっていただければ幸いです。


さて長々連ねてきましたがとりあえず凜のことしか言ってないことがおわかりいただけたかと思いますええはい推しメンは凜さんです(真顔)

どちらの凜さんも好きだけどどっちか選べと言われたら人間編かなー。もうほんと人間編の共通ルートの出来にうめええええええと転げたので。あの凜さんを攻略するギャルゲ最高やったわ……いいからハニビ様(というか中村D)は一度ガチで思うさまギャルゲを作るべき。

それから凜さんの中の人を設定したのは大正解だと思うます。僕らのマジ天使つっこと違ってキャラが立ってる主人公だったし、声なかったらここまで感情移入はしにくかったんじゃないかなあ。

吟さんはもうわざわざ言わなくても最高だってことは公式サイト見ただけで分かってもらえそうですが、それよりもやばかったのが綴きゅんです何あのかわいいいきものマジぱないの綴きゅんぎゃんかわ。何より綴きゅんの中の人の村瀬さんがとんでもねえ。女性声優が作るショタ声なんか目じゃないレベルでナチュラルすぎるショタ声でしかも可愛いとかどういうことなの……おかげで村瀬さん株が高騰しすぎな件。綴きゅんときゃっきゃうふふ遊んでるだけのFDものすごく待ってます。もちろん恋愛してくだすってもそれはそれで全然構いませんゆえ! 構いませんゆえ!!!!!(全力)

シナリオは全体としては良かったですけど前述した謡とはぎちゃんルートの終盤だけがやたら雑さが目立っていたのでそこだけは残念だなーと。
蘇芳やよーちゃんルートの丁寧さを分けてあげてください……。

あとは、ハニビ様のPCゲーといえば誤字脱字が常でしたが今回は数える程度しか見かけなかったので逆にビビったりなどしていない。べっ別に延期しなかった点についても動揺じゃなかった同様だったりなんかしてないんだからね><

ただ、テキストに表示されていない音声が流れる箇所があったのが気になったかなあ。蘇芳EDの方はともかくあやかし編共通ルート中のやつは、あの時点ではまだ主人公が知り得ない(と思しき)内容が音声だけで続いてたように思ったけども、どうなんですかね。

総評。我らがハニビ様の王道路線はジャンルが違えども変わらずそこに在りました。「おいしいごはん食べればみんな『幸せ』」、そのフレーズが示す通りの温かくて優しい、だからこそどこか切ない物語がユーザーを待っています。乙女的なときめき成分はやや薄味ではあるものの、物語の全てを味わい尽くす頃には、涙のしょっぱさと共にじんわりとした心地良い後味を心に残すはず。奇抜さや刺激の強さばかりを押し出す風潮にある乙女界隈で、この「あやかしごはん」は歴戦の乙女ゲユーザ達をほっこりさせる、一服の清涼剤となるように思います。

*1 CS移植の際はあの足のおかげでCERO判定が変わってくるのではあるまいか

*2 まあヒロインのワード数が多すぎるってのは理解しとるんですが

*3 乙女ゲとは野郎の精神疾患を治してやるゲームです

*4 全部で共通ルート2種、個別ルート6種で換算ください

*5 しかし別な世界のまーくんの能力も最後の最後でちょろっと使われる程度だったせいかあまり覚えてもらえてない感あるし、まーくんの愛称で親しまれる年長キャラは設定の持ち腐れになる呪いでも受けているのだらうか


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