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日々是ダメ人間/雑記

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2007-12-15 (ルカルートの)クロアは「ルカ」と言わないと言葉が話せない人にすら見えてくるから困る

_ [ネタ文] 無題(ロアルカ)

ルカルートED後ロアルカ。そこにもはや内容などない(……)


 部屋に帰るなり無言でベッドに倒れたルカは、目を閉じても訪れない眠気にむくりと身体を起こした。  身体は確かにひどい疲労を訴えてきているのに、頭の方が一人で興奮していて寝ようとしてくれない。今日はそんな大きな行事があったわけじゃないのになあ、とルカは首を傾げた。  明後日の資料でももう一度見直しておこうか、と机の上の紙束に目をやるが、今日は早めに休むよう言われて部屋に戻ってきたことを思い出し、伸ばしかけた手をゆっくりと下ろした。  明日一日、ルカは歌手業に専念することになっていた。午前中に軽く音合わせなどをして、午後に二回ほど小さな会場で歌う予定である。  歌手が人前に出るのに、疲れた顔で出るわけにいかないでしょう、と気を配ってくれたのは、ルカ以上に多忙を極めているクローシェだ。過密スケジュールの中にそんな気を回されてしまっては、無碍に断ることこそ失礼に当たる。  そう思い、厚意を素直に受け取って、今に至るのだが。 「何かあったかいものでも飲んでこようかな……」  夜も遅い時間だ、厨房には誰もいないだろうが、まあ湯を沸かすぐらいなら平気だろう。と、ここでお気に入りのお茶を切らしていることに気付いた。  明日街に出るついでに買ってこようと思っていたのを思い出し、上げかけた腰をぽすん、とベッドに落とした。  微妙に出鼻を挫かれたせいで、一気にやる気が萎えてしまった。しかし眠気もやってこない。  こんなときは、ぼんやり空を見上げて時間を潰すか、誰かと雑談でもして気を紛らわすか――愛すべき妹もそろそろ作業を切り上げる頃合いだろうが、疲れているところに押しかけて実のない話をするのも気が引ける。 (……そういえば、今日はクロアに一度も会ってないんだ)  自分の護衛役に任命されている幼馴染みは、今日は別行動を取っていた。もう寝入ってしまっただろうかと時計を見るが、どうにも微妙な時間だった。  彼の生活スケジュールを正確に把握しているわけではないから、そろそろ寝る準備をしているかも、といった風に推測の域を出ない。  ただ、ここでまごついていたら確実に寝入ってしまうということは確かだった。だから急げばまだ、ベッドに入る前の彼を捕まえられるかもしれない。  ルカはすっくと立ち上がり、一度寝転がったせいで乱れた服と髪を直してから、ぱたぱたと自室を出て行った。


(うん、ほんのちょっとお話できたらいいなーって。クロアの顔も見たいし……おやすみなさい、って言うだけでもいいから)  一度決めてしまうと、どんどんと気持ちばかりが膨らんでいった。つまり、一日会えなかった恋人に会いたい、という恋する者にとってごく普通の欲望が、である。  できることなら、今日一日あったことを話して、妹が気を遣ってくれたことが嬉しかったと同時に申し訳なくて、でも力のない自分にはどうすることもできないから、明日のミニコンサートは出来る限り頑張ろうと思うんだ、と心中で微かに燻っている心地を伝えたい。  伝えることで何らかのレスポンスが欲しいわけではなかった。ただそうやって誰かに伝えることで、より決意を強固なものにしたかっただけというか。まあ、頑張れよ、と柔らかな笑顔が帰ってきたならば、それはとても嬉しいことだけれど。もっともっと頑張れそうな気がしているけれど。  クロアの部屋の前まで来て、一度躊躇してから、後は迷うことなくノックする。  少し前に決めた特定のリズムで扉を叩いたが――返事はなかった。 (……やっぱり、もう寝ちゃったかな)  起こすのは忍びない。だが、もしうとうとしているところだったら、強引に起こしてみても平気なんじゃないのかな、と逸る気持ちがルカの心に大胆な決断を持ちかけてくる。  もう一度ノックすべきか、それとも大人しく引き下がるか。  十数秒悩んだ後に、さきほどよりも小さく、もう一度だけ扉を叩く。  やはり返事はなかった。 (……はあ。ついてないなあ)  がっくりと肩を落としたルカは、ついでに大きくため息まで吐き出した。  踵を返そうと思うが、それでも諦めきれなかったルカの心は、ルカの手にそっとノブを握らせた。ひんやりとするノブに僅かに冷静さを取り戻しながらも、ルカの手はそっとそれを回しにかかった。  眠っているということは鍵がかかっているのだろうから、途中で止まる―― (え?)  ……はずのノブが、最後まで回りきった。自然、ルカの手がノブを前に押し出す。  ゆっくりと開いていく扉の向こうには、実に簡素な風合いをした無人の部屋が広がっていた。  ルカは半ば呆然としつつも、誘い込まれるように室内へと入り込む。ぱたん、と後ろでドアが閉まって、改めてここには誰もいないことを理解した。  灯りが点けっぱなしなのだから、長いこと留守にするつもりはないのだろう。 (トイレか、歯磨きとかかな? それとも急な呼び出しでもあったのかな)  いつも通りに整然とした室内に、一つだけ雑然としたものがあった。ルカはそこへ近づいて、それを手に取った。  そこは彼のベッドの上で、それは彼が普段着用している私服だった。脱ぎ散らかす、とまではいかないものの、わりと適当に放られた感が強い。 (クロアにしては珍しいよね。……うーん、洗濯に出そうとしてた、とか?)  手にした上着を広げて見てみるが、ひどい汚れみたいなものはなかった。クロアは潔癖というほどでもないがきれい好きな方なので、何回か着たからそろそろ洗濯でもしておこうか、というだけかもしれない。  そのまま何気なく、自分の身体にあてがってみる。サイズが合うわけもなく、まず肩幅がまるで合わない。  この服は襟ぐりが大きく開いたデザインではないはずだが、もし自分が着たらがばがばで、その気はないのに露出度が高めになってしまいそうだ。  当然袖は長すぎて、ぴんと腕を伸ばしても指先が出るかどうかといった具合。ただ袖口がだぼっとしているので、それはそれで可愛いかも、とルカは思った。もちろん、その袖口だけを見たら、の話であるが。  一番の問題は丈だった。  丈が長めの服、というのはルカ的にはアリだと思っているのだが、いかんせんこの服、何故か正面部分の裾が切り込みを入れたように短くなっているのである。  仮にこれをルカが着たとすると、下着の部分が見えるか見えないかの瀬戸際――まあつまり、やたらなチラリズムを主張することになってしまうに違いない。 「……うーん、やっぱ見えるよねこれは」  モロに見えるならまだしも、角度によってチラチラ見えたり見えなかったりする感じなのだ。これはかなり恥ずかしい。というか、もはや狙ってやったとしか思えない絶妙の長さだ。  ひとしきり服合わせで何かを考えさせられた後、ルカはクロアの服を腕に抱えながら、扉の方を振り返った。  まだ部屋の主が戻ってくる気配はない。 (やっぱり何か呼び出しとかがあったのかな……)  だとしたら、自分はここでこんなことをしていていいのだろうか? じわじわと広がっていく焦燥感に俯きかけたルカは、つと目にとまったクロアの服に顔を埋めてみた。  特に意味があったわけではなかった。  ただ――今ここにいない誰かの代わりに、自分を落ち着けてくれやしないかと、半分以上自棄っぽい望みをもって。 (――あ)  そうして気付く。 (クロアの匂いだ)  温かくて、力強くて、とても安心できる――けれど今ここにはいない――存在。  それを感じさせてくれる、彼が(おそらくは着替えるために)脱いでいったその服を、ルカはきゅっと抱きしめた。


 留め具を外して腕を抜くと、ひらひらした自分の上着はあっけなく床へと落ちていった。  そうして、そろそろと手の中のそれに袖を通していく。最後に頭を通せば――クロアの服を着たルカがそこに居た。  案の定だぼだぼな服を、どうにかまともに着こなしてみようと腕を曲げたり伸ばしたり、襟ぐりを寄せて上げてみたり――裾を引っ張ってみたり。  とりあえずこんな感じかな、と着心地が及第点レベルになるまで調整したのち室内を見渡したが、あいにくと全身用の姿見はない。まさかこの格好で部屋の外へ出るわけにはいかないので、見た目を確かめるのは諦めることにした。  ルカはじっ、と裾の辺りを見る。 (……見えて……るような、見えてないような……)  さすがに下着姿になって着ようとは思わなかったので、見えるとしたらスカートの布地しかないのだが、それでも妙に気恥ずかしい。  だいたい、こんな微妙な長さなら下心のあるなしに関わらず、大抵の人の目が行くだろう。その結果、下半身のそれも下着を身につけている箇所を注視されるという状況が出来上がるわけで、――それは普通に恥ずかしい。  などと変なことを真面目に解釈しながら、ルカはそっと自分を抱きしめてみた。 (ちょっと、安心するかも。……えへへ)  ルカはクロアと話をするためにここに来たわけだが、正直な話、いわゆるスキンシップを期待しなかったといったら嘘になる。手を繋ぐのだってスキンシップだろうが、抱き締めるのもそうだろう。キスもそこに含めていいだろうが、そこから先は色々と判断しづらい。  ともあれ、ぎゅうとかちゅーくらいなら許してあげてもいいかも、と思っていたことは本当だった。もちろん自分から求めるつもりはなく、もし仮に万が一クロアがそうしたいと言ってきたらいいよと言うつもりだった、それだけの話。  だから、これは思わぬ収穫だった、とルカは思った。  何せ向こうがそんなことを求めてくるなんて滅多にない。万分の、いや億分の一の確率。本気で求めてくるときは微塵の容赦もないくせに、そうでないときは何事もなかったかのように無関心を装っている。  ちなみに「装っている」のだとわかったのはつい最近のことで、おまけに翌日の予定が休みでもない限りはそうそう手を出してはこない。そういう妙な気遣いっぷりとかがムッツリだと思うんだよね、とルカは独りごちた。  ここしばらくはずっとスケジュールが詰まっていたため、恋人らしい時間もろくに取れていない。夜にほんの少し雑談ができれば良い方だった。  だから――クロアとのことで、物足りなさに似た寂しさを感じていたのも、本当のことなのだ。 (いっそこの服だけ借りて帰っちゃおうとか、なーんてねっ。それじゃ泥棒――) 「……ルカ?」  一気に現実に引き戻された。  無駄に生々しい呼び声。それもそうだ、実際に今自分の後方からリアルタイムにかけられた言葉なのだから。  声の主が誰かなんて振り向かずともわかる。そもそも、この時間帯にこの部屋にやってくるのなんて部屋の主――そしてその恋人たる自分――以外にいやしない。  頭の中が急速に白さを増していく。純白で塗りつぶされて、何もうまい考えが浮かばない。この状況を打破する方法など、もう世界のどこにもないように思えた。 「ルカ、それ」  戸惑いがちにかけられた声に、ぎくり、と身体が勝手に反応した。  逃げなくては。でもどこに? とりあえず前へ!  ルカの前には、勝手に拝借していた服が放られていたベッドがある。  咄嗟に前に出た足は当然そのベッドにぶつかり、混乱しつつあったルカはそのまま体勢を崩した。そうしてベッドに突っ込むように倒れたものの、反射的に両腕が出た。  おかげでルカは無様に転がることはなかったのだが、シーツについた両手と、勢いで乗り上げた片膝という、いわゆる四つん這いに近い体勢を取ることになり――ついでに扉を開けて入ってきたクロアにはずっと背中を見せていたわけで、 「っ!!」  ルカは神速のごとき素早さでベッドに乗り上げて足を畳むと、今更のように両手で隠した。  そうして、わなわなと震えながら、自分をぽかんと凝視しているクロアに告げる。 「……見た?」 「え、いや……」 「見たんだ!」 「み、見たって、いやそりゃ見えたような気がしないでもないけど影になってよくわからなかってうわ、落ち着けルカ!」 「ばかーっ! クロアのエッチ! スケベー!」 「ちょっ、大声で言うな物を投げるな!」 「出てってよー!!」 「わ、わかった! 出て行く、出て行くから!」  閉まった扉に一瞬遅れて、ルカの投げたクッションが当たった。  はあはあと肩で息をしながら、次第に冷静さが戻ってきた。 (って、……これじゃ籠城じゃない)  部屋の鍵は内からも外からもかかるものの、鍵がかかっていなかったということは、部屋の主は鍵を持って出なかったということだろうか。まあ何にせよ、クロアは戻ってこようと思えばすぐにでも戻ってこれる。  それでもクロアは、自分が許可を出さない限りは戻ってこないだろう。緊急事態等、よほどのことがない限りは。 (ちょっと話をしに来ただけなのに、クロア追い出して居座ってどーするのよぅー!)  あああ、とルカは頭を抱えた。  ただでさえおかしな現場を目撃され、あまつさえ下着まで見られたに違いないのだ。もはや言い訳ができるレベルではない。何の言い訳なのかもわからないが。 「……なあ、ルカ」  しばらく悶々としていたルカに、扉の外からくぐもった声が届いた。 「とりあえず、何も見なかったことにするから、……そろそろ部屋に入ってもいいか?」  つまり、さっきの暴挙は不問にする、ということだろう。だがクロアの記憶にはあのシーンがばっちり残っているに違いない。それを考えると、せっかくクロアが出してくれた妥協案すら蹴り飛ばしてしまいたくなる。 「まだ、ルカが落ち着くまで時間がかかるなら、他のところで時間を潰してくる」  自分がいない方がいいのならそうすると、クロアは言っている。もちろん、これはクロアなりの優しさだ。  ――だが、今のルカはそれに過敏に反応した。 「っま、待って! 行かなくていい、いいからっ」 「ルカ?」 「も、もうちょっとだけ待って。あと三分、ううん、一分でいいから」 「……わかった。落ち着いたら、声をかけてくれ」 「うん……」  すー、はー、と胸に手を当てて深呼吸。気が済むまで繰り返してもまだ足りなかったが、逆にやりすぎて頭がぼーっとしてきたので止めた。  クロアの厚意に対して過敏に反応したルカは、八割方自棄気味に、この後の方針を決めた。
 ――こうなったら、とことんまで開き直るしかない、と。


 クロア、と呼ばれたのは結局五分ほどが経過してからで、クロアはじゃあ開けるぞと確認の一声をかけてから、そっとノブを回した。  ゆっくりと押し開けた戸の向こうに、彼の愛しいルカ・トゥルーリーワースが、彼のベッドの上に座り込んでいる光景が見えた。  両膝を追ってぺたんと座り込んだその足は、彼の上着によって半分ほどが隠されている。  灰色の服の裾から覗く肌の白さに、クロアは自然と目を眇めた。


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 続きは皆さんの心の中で!!(えー)  すみませんもう力尽きた。というかこの先ここに書いておけるか!(笑) とかそんな感じで。
 脳裏に某所の素晴らしいビジュアル化をされたルカたんを思い浮かべたあなたはきっと正解。  今週ちょっと立て込んでて昨日あたりでようやっと浮上してよしならばロアルカだ、とか言ってたらついカッとなってやった。反省はしていない。

_ [雑記] もげらったー

愛とはためらわないことだとかの宇宙刑事OPで熱唱されていたように、うんまあ勢いで書き殴っていましたすみません。明日っていうか今日は仕事なので見直す暇もありません帰ってきてまた頭を抱える自分が目に浮かぶようです。だがあたいはもうためらわない……!(えー)(寝てなくて無駄にハイなようです)

しかし00をリアルタイム視聴できないのがちょっと残念。視聴直後に身内のメッセ名前欄を眺めるのが週一回のささやかな楽しみだったのに(笑)

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]
_ 某さん (2007-12-15 10:18)

ちょっおまっ朝っぱらからなんて萌えを置いておくのうっかり転げ回りかけたじゃないかというか悶絶したわコノヤロウ!今日帰ってきたら覚えておれ!(笑) いい萌えをありがとう一日幸せにすごしてきまっすv

_ 仲村 (2007-12-15 18:02)

まったくもう本当にけしからんですよ! 一日の疲れが萌えの力で吹き飛びましたよ!!<br>某所というのはうちでいいのかしらと自惚れています。あんな絵からここまで膨らましてもらって本当にもう頭が上がりません。ありがとうございますー。

_ 実月 (2007-12-16 03:51)

こんな中途半端なものに萌えとかゆってもらってありがとうございます、とか思ってたら物凄い勢いで問い詰められた現実。<br>いやだから続きはあなたの心の中でだね!(笑) でもなんか埋められたので気力が湧いてきたら努力はしてみます努力は……。<br>し、してみるだけなんだからね、最後までやれる確証はないんだからね!!(……)<br><br>>某さん<br>喜んでもらえたなら嬉しいけどマジで問い詰めとかほんともうね! でも浮上に手を貸してくれたあなたのおかげなのでこちらこそほんとありがとう(きゅん)<br><br>>仲村さん<br>ええ本当けしからんのはまずそちらのとんでもないクオリティを誇るビジュアル化がまず第一なんですけども!!<br>こちらこそ多大なる萌えをありがとうございましたなのですよ! あの絵に行き着くところをゴールだと思って深夜を駆け抜けました(笑) だからもう自分的には満足したんですが。したんですが! うわーん!(笑)


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