2007-12-24 自称真の主役のゼロっさんより一枚絵のノイシュに過剰反応した
_ [ネタ文] 無題 つづき(ロアルカ)
やれって言われたからやった。つづき。
ひとまず、これ以上進んでいいものかどうかと考えあぐねていると、戸惑いがちに名前が呼ばれる。 かといって下手に近寄るのもいつかの二の舞になりそうな気がしないでもなかったので、その場に留まり、何か言おうとしては口を閉じている彼女の出方を待った。 「ご……ごめんね、勝手なことして」 そうして返ってきたのは何故か謝罪だった。それはむしろこちらがすべきことではないのだろうか。どう考えても故意ではなく事故だったとはいえ、ほんの一瞬視認してしまったのは事実なのだし。 かといって、わざわざ蒸し返すべき話題でもないだろう。よって、全く別な点を指摘してみる。 「……勝手なこと?」 うん、と頷いたルカは、気まずそうに俯いた。 「勝手に部屋の中に入ったり、……勝手に、着てたりとか」 今もなお彼女が着たままのそれは、着替えた時にベッドの上に放っておいたものだ。 「あ、あの、クロアとちょっとお話したくて来たんだけど、その、部屋の鍵が開いてたから……すぐに戻るかなって思って」 それは半ば予想通りの答えだった。 最初は確かにそのつもりで部屋を出た。大枚の資料に目を通し終えて寝る前に、顔でも洗ってスッキリしてこようと思ったのだ。一応癖で鍵は持って出たのだが、かけるほどでもないかとそのまま水場へと向かった。 顔を洗い終えてから、そういえば今日のルカは大丈夫だったろうか、と何気なく思い――数秒後には気になりすぎて今から寝る気分ではなくなってしまった。 夜も更けてきたことだし、眠っている可能性の方が高いだろう。だが、穏やかに休んでいることがわかるだけで良かった。 また無理をして、睡眠時間を削って資料を読みふけったりしていないなら大いに安心できたし、またもしそんなことをしていたならば、いいから今日は休め、と資料を取り上げるつもりでもいた。 ルカは放っておくとどんどん自らを追い込んでいく。それは努力を怠らないという長所と呼べるかもしれないが、限界を超えてやるのであれば短所以外の何物でもないのだ。 そしてルカの部屋の前まで行ったのだが、灯りは消えているものの人の気配がしなかった。それほど熟睡しているのかもしれなかったし、もしくはクローシェ様の部屋で一緒に休むことにしたのかもしれない。つまりルカは無理をせず休んだ、ということだろう。良かった、と思いつつ、会えなかったことに思った以上に落胆する自分に苦笑しつつ、部屋に戻ったらあの有様だったのだ。 「そ、それでね?」 ルカはそれこそ勝手に話を続けてくる。 下手に口出しして彼女の言い訳を止める義理はないので、じっと押し黙って拝聴することにした。 歯切れ悪く語ったルカの言い分をまとめると、「脱いであった服から自分の匂いがしたので、着てみたら抱き締められている心地になれるかもしれないと思った」――とかまあ、そういうことらしい。 うん。 どうしてくれようかこの可愛らしいにも程がある生き物は。 「……あの、クロア、怒ってる?」 「怒ってる?」 復唱したあと、ゆっくりと、ルカへ向かって足を踏み出す。 「どうしてだ?」 徐々に近づきながら疑問を投げた。どうしてこれで怒れるというんだろう。 「だって……さっきからずっと黙ったままだし」 「ああ、それは……なんだろうな。色々理由はあるんだけど」 ベッドにぺたんと座ったままのルカの前まで辿り着く。 「強いて言うなら、ルカが可愛すぎるからかな」 「あの……クロア? 言ってることよくわからないんだけど……」 こんなにもはっきりとそのものを言ってるのに何故か困惑しているルカをじっと見下ろすと、視線の先にあるものに気付いたルカは過剰なまでに反応した。裾をぐいぐいと引っ張って、露出している足を隠そうと躍起になっている。 今更、という単語をぐっと飲み干して、一言告げた。 「ルカ。それじゃ服が伸びる」 「あっ、ご、ごめんねっ」 裾を手放したルカの両手が、わたわたと太もものあたりに展開する。もちろん見えている肌を全て覆い隠せるはずもなく、何度も手の位置を変えていた。 「……あ」 やがてルカは何か名案を思いついたような顔になると、急に身体を前に倒した。 伸びた彼女の手がベッドの足下側に畳まれていた毛布を掴んで一気に引き寄せ――ルカの引き締まった細くて白い足はすべて、毛布の中へと隠れてしまった。 「これなら見えないよね。うん、完璧っ」 「――」 確かに、ある意味完璧すぎた。これはさすがに予想はしていなかった。 言うなればなんだろう――罠を設置しに来てみたら、獲物の方から勝手に罠に入ってくれていたような。 「……クロア?」 獲物の側もさすがに何かがおかしいと気付いたらしい。もう遅いが。これで獲物を逃す狩人がいたら、どう見ても向いてないので転職を勧めたい。 ぎし、と片膝を乗り上げた。 「え、あの、く、クロアっ」 「ルカ。もっと簡単な方法を教えようか」 「な、何のっ?!」 「そうやってわざわざ隠す必要がなくなればいい」 実地で証明しようと詰め寄ると、ルカも同時に後ろへ退いた。おかげで、互いの距離は縮まるどころか、わずかに開く。 「そ、そうだよねっ、いつまでも着たままとか、勝手に、あの、ごめんねっ、すぐに返すから!」 ベッドが面している壁に背をつけながら、だからストップ、とばかりに尽きだした両手をばたばた振っている。 なるほど。ルカにしては珍しく、現状の本質に気付いたようだ――もちろん遅すぎて意味がないが。 「別に、急がなくたっていい」 「い、急ぐよっ!」 ベッドに乗り上げきった身体を、ルカの両手が押し返そうとする。その手を取り、手の中にしっかり包み込んでから、壁と自分の間にルカを閉じ込めた。 「く、クロア、あの、お、落ち着いて、ねっ」 「俺は落ち着いてる。落ち着きがないのはルカの方だ」 「そんなことない、落ち着いてるってばー!」 追い詰めた獲物は半ば、自分が助からないことを知っているのだろう。今はただ、それでも一縷の希望を信じて虚勢を張っている、そんな崖っぷちの状態。もう一押しすればあっさりと陥落するに違いない。 だがそんな簡単に勝利を収めても、面白味がないというか――こちらが味わったアレとかソレに比べると、割りに合わない。 「実はさっき、ルカの部屋に行ってきたんだけど」 「え」 「気配がなかったから、もう寝たか、それともクローシェ様の所にでも行ったのかと思って戻ってきたら」 そこで、ルカを改めて覗き込む。驚きと、羞恥と――これは、歓喜、だろうか?――様々な感情がないまぜになった顔の、両の瞳をじっと見据えた。 「どうしてかルカは俺の部屋にいて、あまつさえ俺の服なんか着てる」 「っそ、それはだって……わ、私もクロアとちょっとお話したいなって思って来たらクロアがいなかったからっ、って、さっき説明したよぅ……!」 ルカは首を縮こまらせて、ふるふると首を振る。だから離して、と主張したいのだろう。声に出して言わないのは、言っても聞いてもらえないと本能で理解しているからか。 それにしても、とんだすれ違いだ。 どちらかが少しでも思いとどまっていたら、こんなことにはならなかったのに。互いに気が急いていたということだろうか。 なんという偶然。いや、むしろこれは必然なのか。 それほどまでに、自分たちは通じ合っているのだと――そう解釈しても問題はないように思う。 この、素晴らしい運命を与えてくれた神に感謝しよう。ふわふわした印象の緑髪の少女を思い浮かべそっと礼を告げて、俺はルカの戒めを解いた。 「ぇ……クロア?」 「うん、確かに聞いた」 「え?」 「さっきのルカの話」 「あ……うん。えっと、本当にごめんね、勝手に」 「気にしなくていい。あと、それは貸しておく」 「え?」 「ルカはそれがあれば、俺でなくても平気だろ?」 「や、やだクロア、何言ってっ」 「さっき俺が近づいたらちょっと嫌がってたよな。俺もルカが嫌がることを無理矢理するつもりはないし」 「く、クロア」 終始笑顔を崩さぬまま――まあ実際楽しくてしょうがなかったせいもあるのだが――、さっさとベッドから降りて、明日の資料でも見直すかとテーブルに歩み寄って、 「違うよっ、待って!」 背中に浴びせられた声と、その一秒後に来たぶつかるような衝撃に、足が止まる。 こちらの腹のあたりに細い腕が巻き付いてくる。それは何度ももぞもぞと動いては、背中に張り付いている肢体をもっとくっつけようと必死だ。 「やだよぅ……せっかくクロアに会いにきて会えたのに、服だけじゃ意味ないじゃない……」 首を振ったのか、ただ擦り寄ったのか、ルカの顔が背中に押し当てられたのがわかった。 「クロアがいい、クロアじゃなきゃやだ……!」
予想以上の言葉を引き出せたことに途方もない満足感とわずかな罪悪感を知覚しつつ、腹のあたりにある彼女の手にそっと自分のそれを重ねて――つと思った。 ああ、ルカはなんて面白いんだろう、と。
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続き書けとさんざん問い詰められた挙句に色々外堀を埋めてもらったので出来る限りそれを取り入れてみたよこうですか?わかりません! あちこちの流れはお二人がゆったアレとかソレとかを勝手に拝借しましたありがとうございます!(なので私のせいじゃない) あとムッツリがなんかさんざん策士なのはルカたんが自分で地雷セットして自爆してスイッチ入ったせいだよ! 普段からこんなじゃないってわかってるから誤解のないようお頼み申し上げる!(常時こんなだったらさすがに嫌だ)(笑)
さーもう続かないぞええもう続いたりするもんか! 続きは今度こそあなたの心の中でよろしく!! 人称が前と違うっていうツッコミもそっと心の中だけで!(逃走)
_ [アニメ] 今週の00(#12)
- あっさり陥落した母親がライバルとか新しすぎる件
- 阿部君のトールギスクオリティが高すぎて困る
- 感情的になるなとか無理(笑) とか思ってたらそうでもなかった罠
総評:さらなる8歳差展開まだー?
来年サンクリあたりの親子丼本にご期待(以下略)とはさすがに言えなかっ(言ってる)(最低だ)
「〜になりたい」と聞くともはや歯医者しか出てこない私ですが、「ガンダム」を他にどう誤変換できるだろうかと3分ぐらい本気で考えたりしてほんとすいません。基本的にこっちに書いてるアニメ感想はネタ扱いなので、っていや今期のドラゴノーツはネタじゃないのかと言われたらあれは存在そのものがネタ以外の何物でもないと確信してますけども。