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日々是ダメ人間/雑記

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2008-01-17 (寝ても覚めても)ずっとロアルカのターン!

_ [ネタ文] mount position(ロアルカ)

例によってついカッとなって以下略。ED後ロアルカ。


 部屋のドアが叩かれて、特定のリズムを刻む。  反射的に資料から顔を上げ、ドアの向こう側にいるであろう人物の名前を呼ぼうとし――その前に勢いよくドアが開いた。  そういえば鍵をかけるのを忘れていたなと思いながら、何故かドアの所から動こうとしない相手に声をかける。 「……ルカ?」  奇妙な一瞬の間を置いたのち、ひどく陽気な声が返ってきた。 「あー、なんだクロアいるんだぁ……鍵かかってないからいないかと思ったよぅ、えへへー……おじゃましまーす!」  律儀にドアは閉めながらも、こちらへ歩み寄ってくる足取りはどこかおぼつかない。そんな明らかに様子がおかしいルカを、部屋の中ほどで出迎える。  が、ルカはがっしとこちらの腕を掴むとずるずる強引に前進していく。 「お、おい、ルカ?」 「いいからー、クロアは黙って戻るのっ」  今や右腕はルカに抱え込まれてしまっている。正直悪くはない感触にとりあえず黙って従っておくことにした。 「クロア何してたの?」 「資料を読んでたよ。ほらそこにある」 「ふーん。クロアは相変わらず真面目なんだね。つまんないの」 「必要なことだからな」  経緯はわからないが、どう見ても明らかに酔っている人間の言うことに反論しても無駄だろう。  当たり障りのない回答を返すと、酔っ払いはぷくりと頬を膨らませている。 「じゃあいいよクロアはそれ読んでて。あ、寝ながら読むといいよ! 休みながらお仕事できるよ?」  何故か嬉しそうに笑みを向けられたが、もはや嫌味なのか素なのかよくわからない。 「遠慮しとくよ」 「ふーんだ、どうせお飾りでちゃらんぽらんで学のない素人御子の言うことなんて一つだって正しくないですよーだ」  ……どれだけの深酒をしたのか気になってきた。 「そんなことあるわけないだろ。……わかった、ルカの忠告に従うよ」 「別にいいよ、無理しなくたって。クロアは優しいから言わないだけで心ではそう思ってるんだよね?」 「そんなこと、一度だって思ったことない」  ぽん、と頭を軽く沈めてやると、しばらくしてほんとに?と潤んだ瞳がおずおず見上げてきた。 「もちろんだ」  大きく頷いてみせると、ルカはようやく気付いたかのように抱えていた腕を放した。  そしてにっこりと、ベッドを指差す。 「じゃあ、はやく寝て」 「……わかったよ」  酔ってるくせにわりと切り替えが早いな。いや、酔っているからこそだろうか。  ベッドに乗り上げ体を横たえると、 「ちがーう!」  途端、全力で否定された。どうやら仰向けなのがいけなかったらしい。  結果として、うつ伏せで肘をついて半身を支え、枕の上に置いた書類を読む格好をとらされた。むしろ肩や首が疲れる気がしてならないが、まあそのうち飽きるだろう。  そのまま資料に没頭し始めたものの、まともに読めたのはほんの数行だった。 「よーい、しょっと」 「っぐあ?!」  いきなりの衝撃と圧迫と感触に慌てて首を振り向かせると、背中と腰の中間あたりに跨ったルカと目が合った。 「えへへー、クロアお馬さんーぱっかぱっかー」 「ぐはっ、ルカ、やめ」  感触を知覚する前に、それ以上の強烈な圧迫感で上書きされてしまう。  一応耐えきれない程ではないが下手に振り払うのもどうかと思っていると、ルカは急に動きを止めた。 「あーちがった。犬だったいぬー、わんとなけー!」  ……どうしたらいいんだ。  本気で頭を抱えたくなってきた。だがそんなあからさまな行動を示してみせたところで、今のルカに意志が伝わるとも思えない。  上機嫌のルカはしばらく「犬」を連呼していたが、そのうちに声のトーンが落ちていく。  やがてこちらの背中に指で「の」の字を書き始めたルカが、ぽつりと呟いた。 「……クロアはれーかちゃんの犬じゃないもん。私のだもんねーだ」  そんなたったの一言で、どうやって宥めようかとフル回転させていた思考が強制的に停止させられる。  とりあえず抱き締めておきたい衝動にかられながら首を振り向かせようとしたところで、しょんぼりと下を向いていたらしい頭が勢いよく上がった。 「えへへー、わんとなけー!」  ……酔っぱらいのペースというものは本当に掴めない。  首の位置を戻してから盛大にため息をついておいた。 「……ルカとりあえずどいてくれ。それから水を飲んでくれ。ついでにどうしてそんなに飲んだのかも聞かせてくれ」 「えー。クロアまだわんってないてないじゃなーい。わんとなくまでいやー」 「……違う意味で泣きたいぞ」  遠い目になりながらぼそりとツッコんでも、もちろんルカには届かない。だが一応、拒否の意向は伝わったようだった。 「いやなのー? れーかちゃんには犬なのに私にはそーじゃないんだ。私のなのに言うこと聞いてくれないんだ。……なによークロアのばかー。ばかー」  とうとう、擬音にするなら「ぽかぽか」という感じで叩かれ始めてしまった。  全く痛くはないのだが、今更ながら心が痛いような気がする。 「……はぁ」  大きくため息を一つ。  下腹に力を込めて、腕立ての要領で一気に体を持ち上げた。 「わ、わあっ」  ころん、とルカが跨っていた背中から転がり落ちる。  その隙に素早くベッドから降りて、サイドテーブルの水差しとコップを手に取った。  コップに水を注ぎ振り返ると、ルカは転んだ姿勢からのろのろと体を起こしたところだった。 「あー、クロアひどいんだー……もうねー、ルカ様大好きー! ……って言わないとゆるさないんだからー」  このコップを渡したところで飲んでくれるかどうかは怪しい。  下手をしたらいらない、と振り払われてシーツが水浸しという可能性もある。 「……」  何も考えず、コップを自分の口へと持っていった。  中を空にしてコップを脇に置くと、ぺたんと座り込んだもののまだ頭をゆらゆらさせているルカに、そのまま口付ける。 「んぅ、ん、んぅー……!」  やや強引に口の中の水を全て受け渡して、ルカの喉がごくりと鳴ったのを確認し、ようやく口を離した。 「……」  口元を濡らしたルカは呆然としている。が、先ほどよりは目に力が戻ってきているようにも思えた。  一応もう少し飲ませるべきかと判断して、同じように口に水を含んでから、今度は完全に無抵抗のルカに水を飲ませてやった。 「……」  コップをサイドテーブルに戻してきてもなお、ルカはぽーっとしたまま動こうとしなかった。  ただやはり、さっきよりは正気に近いように思える。 「落ち着いたか?」 「……う、うん。落ち着いた……」  予想以上にしっかりとした答えが返ってきた。対応としてはさほど間違っていなかったらしい。  ルカはゆっくりと下を向いて、そのまま動かなくなった。露出した耳が真っ赤なのは、酔いが回ったのではなく、我に返った結果とみてよさそうだ。 「で、どこで飲んできたんだ? そんなに」 「……クローシェ様のお部屋」  意外な場所が出てきた。 「今日、各地の代表の人たちと報告を兼ねた懇親会があったじゃない。でね、美味しい地酒ができたんですよって、わざわざ持ってきてくれた人がいて……せっかくだからいただきましょうって、クローシェ様が」  一応ルカは成人しているが、二つ下の妹であるクローシェ様はまだ未成年のはずである。  だが世間的にはルカと同じ年齢で通しているのと、役職柄、様々な会談やパーティーに出席することが多く、嗜む程度には飲み慣れているとのことだった。 「ほら、飲まないで美味しかったです、って言うのも失礼だし……」 「それはそうだが……そんな飲むほど美味しかったのか?」 「美味しかったというか……思ってたより度が強かったんだよ、ものすごく。だからちょっと飲んだだけでクローシェ様ぱたーんって倒れちゃって。あ、もちろん眠っちゃっただけだったからちゃんとベッドに寝かせて、それで部屋を出てきたんだけど」  その後は推して知るべし、と。部屋に戻ろうと廊下を歩いているうちに、今度はルカ自身にも酔いが回ってきたのだろう。  本来ルカだって酒に強くないはずだが、先に酔いつぶれてしまった妹を見たことで、一時的に冷静になってしまった……といったところか。 「ルカ、平気か? ほら、下を向いてると余計回る」  放っておいたらそのまま寝てしまいそうなルカを、そっと肩を支えて起こしてやる。 「う、うん……あの、クロア」 「ん?」 「ご……ごめんね、迷惑かけちゃって……」 「気にしなくていい」  そうして、自然と笑顔になるのを止められないまま、改めてルカを覗き込んだ。 「ところで、俺は何回鳴けばいいんだっけ?」 「え」 「言ったよなルカ。わんとなけーって。三回だったかな」 「えっ、あっ、そ、そんなの」 「確かに、俺はルカのものだからな。ちゃんと従わないといけないよな」 「あ、え、う」  ぱくぱくと言葉にならない何かを発し続けるルカに、 「――ルカ様大好き」  そうトドメを刺してから、さっきはできなかった色々を一つ一つやっていくことにした。


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 現実世界でルカたんがクロアをバックマウントポジションするには、マッサージする流れとか、酔っぱらったルカたんが寝てるクロアにどっしーんとかするしかないよねきっと、というだけの話。
 どこの何にインスパイアされたとかは言うまでもない気がするのでうん本当色々アレな感じに失礼しましたすいません……。  とか言ってたら普通にマウントポジションの流れがあったとか素で吹いた。ちょっ、それ知ってたらこんなの書かなかった!(笑)  あと話の大筋をゆってくれた某さんも本当ありがとーう!(バラす)
 というわけで私にはあまり責任はないと思うんだな。だな。


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