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日々是ダメ人間/雑記

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2008-02-14 ルカルートED後のクロアはもうなんていうか魔王だよね(ムッツリ攻め的な意味で)

_ [雑記] さて本日は

全国的なチョコ半額セール開始の前日ですね!(……)

というわけで昔から一度はやってみたかった、作中に「バレンタイン」という行事が存在するジャンルでバレンタイン話の更新をしてみたよ! とはいえジャンルもカプも一体誰が知ってるんだって話ですけどね! いいんだ全ては自己満足だから!

「Double Reaction!」は作品の設定が設定だけに正直人に勧めにくいことこの上ない作品だったりするのですが(まあPS2版はわりかし乙女寄りの流れではあるんですけど)、いやあこの諏訪部がまたとても良いかわいそうな子でしてね! いやほんと幸せにしたらなアカンよねジェイクせんせーは。あと、ネタを途中まで書いたファイルを探してたら書きかけの話とか発掘したので、時間があったらゲームをプレイし直して仕上げたいところ。うん時間は自分で作るものだって前にぼくらのグランマがゆってた。精進します……。

_ [ネタ文] cynical ploy(跡巴)

ファイルを漁ってたら何かアトモエとか出てきてビビったので勢い(と諏訪部つながり)で放置しておきます。確かS&T2をやった頃に書いたんじゃなかったかなあ。

あ、身内は指差して笑うところですここ。そんな時代もあったんですよ!!(笑)


「巴ってさー、心が広いよねえ」  やっぱ大物は違うわ、うん、なんてしたり顔で頷いている友達に、きょとんと聞き返す。 「えぇ? 何で?」 「だって」  肩まですくめられる。どことなくバカにされているような心持ちになりながら、辛抱強く答えを待った。 「つきあってるんでしょ? 氷帝の元部長と」  ………………。 「……何でそこで考え込むのよ」  今度はあからさまに声が呆れている。 「つきあって……ないし」  たっぷりと間を置いて、 「はあ?!」  友達はすっとんきょうな声をあげてくれた。 「何言ってんのよアンタは?! だってあんたたち朝は一緒に練習するわ途中まで一緒に登校してくるわ休みになれば練習だのデートだのしてるじゃないちゃんと見たわよ先々週駅前で!!」 「いやあ、確かにそれは間違ってないけど」 「ノロケなんか聞きたくないわよ」 「別に、その……好きって言ってないし言われたわけでもないし」  どっちかって言うとダブルスのパートナーとして一緒に居ざるを得ないというか。 「あんた、跡部のこと好きなんでしょ?」 「……うん、まあ」  それなりに。  そしたら、はーって思いっきり肩を落として盛大なため息をついてくれたりする。 「……あんたさ。そーゆーのははっきりさせとこうよ。ただでさえあの跡部だってゆーのに、何でそう肝心なとこを押さえとかないわけ!」  今度はびしり、と指までつきつけられた。百面相だなあ、なんて他人事のような感想を漏らしてちゃあいけないんだろうけど。 「いい? ちゃんと言って来な」 「え。いいよ、そんな別に」 「よくない!」
 ――そんなこんなで押し切られて、私は喫茶店で跡部さんの目の前にいるわけで。
「……巴。俺の顔に何かついてんのか?」 「えっ、いえ別に!」 「まあいいけどな。見惚れるくらいならタダにしといてやる」 「何かついてたらお金取るんですか?」 「金はいい。もっと別なものをもらう」  そこから先は追及しない方がいい気がして、とりあえず口をつぐむ。  相変わらず跡部さんはソファに体を投げ出して王様よろしく優雅にホットコーヒーを飲んでいる。かなり嫌味なポーズのはずなのに、様になってしまうのがこの人――氷帝の跡部景吾という男の人だ。 (言える状態じゃない気がするんだけどなあ)  先刻のような会話はもう日常茶飯事で、どこまでが冗談でどこからが本気かが、知り合ってもうすぐ二年になるという未だに判別できない。それが怖い。 (そりゃあ、悪いようにはならないとは思うけど……)  少なくとも好意は持ってくれている……のだと思う。嫌われているのなら、こうして時間を共にすることがまずありえない。俺様はそのへんが非常にはっきりした人だから。  でも、言葉はとかく捻くれている。私にわからない言葉とか言い回しとか、何か大事なことを言う時は特にその傾向が強い。おかげで私はこれっぽっちも、この跡部景吾という人を理解できていない。 (でも、好きなのは、本当だし)  一緒にいて皮肉めいた言葉を投げかけられるのも、真面目にテニスで相対するときも、こんなドキドキを感じさせてくれるのはこのひとしかいないから。  カチャン、跡部さんがカップを置いた。どうやら飲み終えてしまったようで、さっさとパフェを平らげてしまった身としては、つまりそろそろおいとましましょうという刻限。  言うしか。  店内はそこそこ混みあってきていて、ざわざわとノイズがうるさいくらい。だから少しばかり大声になってしまっても目立ちはしない。  そう必死で自分に言い聞かせて――覚悟を決めた。 「あ、跡部さんっ!」 「あん? どうした」 「わ、わたしっ、その……」  どもってる場合じゃない。ああもう一気に言ってしまえ赤月巴! 「私っ、跡部さんのことが好きですっ!」  言った。それも跡部さんには聞こえてたけど、半径3メートルくらいまでしか聞き取れないくらいの音量で。緊張するとつい大声になってしまう私にしては上出来だ。周囲の席からちらりと向けられる視線は、この際無視。気にしない気にしない気にしない…… 「……そりゃ、知ってるが」 「はあ、どうも恐縮です――って!」  がばりとうつむかせていた顔を上げると、綺麗なウェイトレスさんが跡部さんにコーヒーのおかわりを勧めていた。何となく名札を見ようと思ったら――あ、結構胸大きいこの人。綺麗で胸まで大きいなんて反則……  はっと気付いて跡部さんを見ると、片手を上げて制止を伝え、もう片方の手はバッグの紐を掴んでいた。 「出るぞ」 「あっ、はい!」  何故か渇いた喉に残っていたお冷やを流し込んで、私は慌てて跡部さんの後を追った。


「……あのぅ」 「何だ?」  いつもの帰り道を二人で歩く。それも無言で。  五分ぐらいで耐え切れなくなって、声をかけたらこの始末。振り向いてもくれないし。  でも、めげてる暇なんかないっ。負けるもんかっ…… 「さっきの、知ってたって……」 「たりめーだろ。お前、俺を誰だと思ってんだ、アーン?」  跡部景吾様です、と心の中で答えた。ううっ、話を進ませてくれないのって、絶対確信犯だよね? 「知ってるなら、何でっ……その」 「――巴」  くるりとターンを決めて、跡部さんが私に向き直る。見下ろす位置にある瞳の色が、夕陽の後光を伴って威圧的な光と影を乗せている。 「じゃあ何か? 俺のことを好きな奴がいたら、そいつら全員に俺が気持ちを伝えて回る必要があんのか?」 「な、ないです、けど」  フン、と鼻で笑われる。対抗心てやつがどんどん萎えていくのがわかった。跡部さんはさっさと歩き出してしまう。  でもでも、ここで負けたら一生このままな気がする。 (……女は度胸っ!)  視線は上げきれずに、明後日の方向に向けながら。 「私、告白するの物凄い恥ずかしかったのに……なんかズルいです、それって」  ぴたり。  跡部さんが動きを止めた。ゆらり、首だけがこちらを振り返る。  ――ごめんなさい、めちゃくちゃ怖いですその目つき。 「言わなきゃわかんねえような奴に言うつもりはねえな」  言うだけ言って、跡部さんはまた歩き出す。  え、えーと? それって何か変じゃないです? 「何かそれ、微妙に矛盾してません?」 「口答えするような奴にはその価値もねえな」 「跡部さんひどくないですかそれ!」
 追いかけて、追いついたと思ったら手首がつかまれて。
「――まあな、今日は褒美ってことで」 「褒美って、え」
 瞳が目一杯近づいたと思ったら、感触、が。

 最後に下唇をぺろりと舐め上げて、それは離れていく。  顔に体中の熱が集まっていく気がした。
 どういう意味なんですかとかどういうつもりなんですかとかとにかく聞きたいことは山ほどあったのだけれど、思考が真っ白でどうにもできない。  ただ、とっておきのおもちゃを見つけたみたいに微笑う跡部さんの顔だけが、くっきりと記憶に残っていた。


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 ぶっちゃけ諏訪部目当ての半分ネタでプレイしてたのですが、天才×野生児の組み合わせはわりと楽しめたりしたんだYO!(笑)  というか書きかけのがもう一個見つかっ(てさらにビビっ)たので、後で時間があったら以下略。いや予定は未定ですけども。


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