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日々是ダメ人間/雑記

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2008-03-19 こんなにも野郎をめくりたいと思ったのは生まれて初めてだ

_ [ネタ文] るかせんせいのゆうわくじゅぎょう(ロアルカ)

っか、勘違いしないでよね、突然予想外にビジュアル化されたからついカッとなって以下略なだけなんだから! だから断じて主犯なんかじゃないんだからねっ!

以下はあまり色々を深く考えない方向でよろしく。全ては勢いだった。あ、そもそもの元ネタは15日の記事です。


「下ろしてってば、クロアー!」  わかったから黙ってくれ、と宥めることに疲れて、無言で廊下の端にある空き教室へと向かった。  普段ならカギのかかっているその扉を、ルカを抱いたまま器用に開く。  以前は資料室として使われていたこの部屋から、いくつか備品を持ってきてくれと頼まれたのは午前中のことだ。作業を終えたはいいが、忙しさにかまけてカギを返しそびれていた。偶にはうっかりもしておくものらしい。  埃っぽい室内には使わなくなった教師用の机が並べられていた。そのうちの一つに彼女をそっと座らせる。 「……ここ、どこ?」 「前は資料室として使われてたみたいだけど、今は違うみたいだな。というか、仮にも「先生」を名乗るならそれぐらい知っておいて欲しいな」 「う……さ、最近転入してきたんだから、知らなくてもいいのっ」 「転入、じゃ生徒だろ」 「もー、細かいことはいいのっ!」  叫んでから頬を膨らませる彼女は自分と一つしか学年が違わないはずで、確か今朝は普通に制服を着ていたはずなのだが――何故か今はスーツ姿になっていた。襟ぐりが随分と開いていて、胸元がスースーするんじゃないかという気がする。  おまけに、長くてすらりとした足にはダークブラウンの艶めかしいストッキングに、ガーターベルトが装着されている。  そんな格好で、教卓の上に座って、あまつさえ大きく足を組んでいたりしたのだ。あのまま放置するのはあまりにも危険すぎる。あらゆる意味で。  というわけで、有無を言わさず拉致してきて今に至る。 「だいたい何なんだ、その格好は」 「これ? んー……上級生もいいけど、教師もいいかなーって思って」 「……いや、よく意味がわからないんだが」  わかんないならいいよ、とあっさり言うと、ルカの両手がにゅっと伸びてきた。何かと思っていると眼鏡を取り上げられてしまう。 「ちょっと貸してね」  同意を告げる前にさっさとそれを顔にかけて、 「……むー」  サイズ的に何度調整しても目の位置からずり落ちてしまうようで、ルカは不満そうに唸っている。  やっぱりいらないと放り投げたりしてくれるな、内心ハラハラしていると、結局位置の調整は諦めたらしい。  今にもずり落ちそうな眼鏡に片手を添えて支えつつ、身長差やら立ち位置的に自然と上目遣いになりながら、ルカは――当人としては多分、妖艶とかそんなつもりでいるらしい――笑みを浮かべてきた。  下から覗き込んでくるような態勢のおかげで、襟が広く開いているスーツの胸元が嫌でも視界に入ってくる。  見えるのは谷間と表現するにはだいぶささやかな緩やかな勾配であるが、その服の中という暗がりは神秘的な魅力に満ち溢れていた。 「えへへ、どう?」  再び足組みポーズを取りながらの、先述した上目遣いを向けられる。何がどうなんだと聞き返してやりたかったが、じっと耐えた。  とにかく人目から遠ざけるのが第一でここへ連れ込んだので、入り口にあった電灯のスイッチを入れる暇がなかった。もちろん、時間帯はそろそろ夕方になろうとする頃だし、窓や入り口の戸の擦りガラス越しにある程度の光が差し込んでいるから、教室内で行動するのにさしたる支障はない。  ただそれでも、教室は基本的に明かりがつけられているから、それがないだけでどこか異質な雰囲気が醸し出される。  視界に映るもの全ての陰影が濃くなっていて、普段ならよく見えるはずのところも視認しずらい。そう、影の濃くなった服の奥とか、こげ茶色をしていたはずが黒にしか見えなくなったストッキングとか、ガーターベルトが繋がるその先とか。  小さく、本当に小さくため息をつく。  ――ああうん、わかってる。彼女がどういう意図で「どう」と聞いてきたことくらいは。  そして、意図したはずの行為が全く見当違いな効果を生み出してしまっていることに、全く、微塵も、何一つとして気付いてなどいないことぐらいは。 (ルカ先生の誘惑授業、だったっけ?)  聞いただけで頭が痛くなるようなフレーズだ。なんていうか古臭い。ベタベタでありながら、かといって古き良き時代の何かを継承しているわけでもなく、ただただバタ臭い。  それでもわりとイケると思っているであろうことは容易に想像がつく。 (全く)  おちおち目を離していられない。こんな危なっかしい先生がいたら発禁ものだ。俺的に。 「そうだな」  一歩だけ歩み寄り、ルカ先生が座っている机にひたりと手をついた。  そこを支点に上半身を机の方へと傾け、気持ち俯きがちに、下から目だけで――前髪越しに――見上げるようにする。 「あ、あの、……クロア?」  先生はようやく何かが変だと気付いてくれたらしい。だが本質の理解までには至っていないようだ。 (全く世話のかかる先生だ)  まあ、そういうところも可愛いと思っている時点で、文句を言える立場ではないのだろうが。 (周囲に迷惑をかけるのはよくないよな。俺だけにならともかく) 「え、く、クロアあの」  じりじりと先生との距離を詰めていく。  何が迷惑かって? そんなのは決まってる。  あんな格好でありながら危機管理意識ゼロの先生がいたらそこそこ目のやり場に困るし、夜道の一人歩きが危険になる男子生徒が出るかもしれないじゃないか。ちなみに、犯人は単独犯ではなく複数犯の可能性も否定できない。  生徒に正しいことを教える教師が、そんなではいけないと、一生徒である俺は思う。  学園の風紀を正すため、ひいては生徒たちのため、何より生徒会長である彼女の妹のためにも、ここはしっかりと先生に学んでもらわねばならない。 「ち……ちょっ、す、ストップー!」  ルカ先生は顔を守るように両手を広げた。少しくらい薄暗くても、顔が赤くなっているのはわかるものだ。 「どうって聞いてきたのはそっちじゃないか」 「そ、そんなに近づかなくても聞こえるってばっ」  ひきつった笑みを浮かべてずりずりと後退し距離を取ろうとする先生へ、一気に間を詰める。 「く、クロアっ」 「言葉じゃなくて行動で示した方が早いと思って」 「っこ、言葉でいい! いいからー!」 「遠慮しなくていい」 「遠慮なん――」  無意味な押し問答を、唇を塞ぐことで終了させる。  後ろに退こうとする体を腕を掴んで引き寄せ、自分も机の引き出し面に膝をぶつけた。  しばらく酸素を奪ってから唇を離す。はあ、と息を吸おうとするところに、強引に頬を寄せて唇を押しあて、開かせた襟ぐりに潜りこむように顔を突っ込む。 「ちょっ、やだっ、やめ……クロア!!」  無視してぞろりと舌を這わせると、ひぅ!と完全な悲鳴があがった。  そのまま唇を押し付けて、スーツの襟ぐりに手をかけ―― 「――……クロ、ア?」  きつく首をすくめて身構えていたルカが、そろそろと目を開け、それ以上何もされていないことに間の抜けた疑問の声をもらした。  何事もなかったかのようにあっさりとそこから顔を上げ、掴んだままの襟をぐっと内側に寄せてやる。  まだ何が起こったのか事態についていけてないらしいルカの肩に両手を置き、ぽんと叩いた。 「そういう格好であんな真似をしたら、こうされたって文句は言えないからな」 「じ……じゃあ、いまの、は」 「悪いとは思ったけど、言ったくらいじゃ聞かないだろう?」 「そ、そんなこと!」 「あるからあえてやったんだ。……怒るなら怒ってくれていい。でも、今後そういう真似は控えてくれ。頼むから」 「っ……」  ルカは唇を噛んで俯いてしまった。 「とりあえず着替えよう。制服はどこにある? 持ってきてやるから」 「……女子更衣室」  さすがにそこまでは入りこむわけにいかない。 「わかった。クローシェ様か誰かに頼むことにするよ」 「……」 「それまで、ここで待っててくれ」  少しだけ乱れた襟元をぎゅっと掴んだまま、ルカは一言も発さなかった。  教室を出ると、一応カギをかけた。基本的にカギは内側から簡単に開けられるので、逃げる気になればいつだってできる。  去り際に回収してきた眼鏡をかけると――室内と廊下との光量の違いもあるのだろうが――随分と視界がクリアになった。  逃した魚は大きい。そんな慣用句が脳裏を掠める。 (……ちょっとお灸を据えすぎたかな)  しばらく口を聞いてもらえなさそうなことにわりと気を滅入らせながら、クローシェ様か誰か知り合いの女子生徒を捜すべく走り出した。


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※攻略めも  この時点でルカたんのXX値(お好きな値をお入れ下さい)が一定値以上ある場合、制服を持って空き教室に戻るとイベント発生。  コケにされたまま引き下がれないと明後日の方向に暴走したルカたんが、さらなる誘惑授業を展開するよ!><

 仲村さん本当にありがとうございました!  正直な話、ルカたん抱えてるクロアが制服だった時点で何かを書かねばならない使命感にかられたんだぜ。よって真の主犯は仲村さん、けってーい!


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